2016年2月3日(水)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は再び原油価格の急落に始まり、株価の大幅下落に円買いが強まり、120円を割り込む。
- レンジ取引が続いているユーロドルは1.0940まで買われる。
- 株式市場は大幅に下落。原油価格が30ドルを割り込んだことでエネルギー株が売られ、金融株も値を崩す。ダウは一時340ドルを超える下落を見せたが、引けでも295ドルと大幅安。
- 再びリスクオフ・モードが強まり、債券価格は大幅に上昇。長期金利は直近の最低水準を下回り、1.85%台まで低下。
- 金は小幅に反落。原油価格は減産で足並みを揃えるのは難しいとの観測から下げ、再び節目の30ドルを割り込む。
ドル/円 119.85 〜 120.80 ユーロ/ドル 1.0893 〜 1.0940 ユーロ/円 130.89 〜 131.87 NYダウ −295.64 → 16,153.54ドル GOLD −0.80 → 1,127.20ドル WTI −1.74 → 29.88ドル 米10年国債 −0.107 → 1.845% 本日の注目イベント
- 豪 豪12月貿易収支
- 豪 豪12月住宅建設許可
- 英 英1月サービス業PMI
- 欧 ユーロ圏12月小売売上高
- 米 1月ADP雇用者数
- 米 1月ISM非製造業景況指数
日銀の「マイナス金利導入」の賞味期限はそれほど長くはなかったようです。先週末のマイナス金利決定後、円売りと株高が急速に強まり、ドル円は121円70銭まで一気に上昇。日経平均株価の方も、1万7800円台まで急回復し、それなりに効果はあったものの、その流れも昨日のNY原油先物市場でのWTI原油価格急落で、早くも修正を余儀なくされて来ました。
昨日はリスクオフのモードが再び強まったことから円が安全逃避先として選好され、主要通貨に対して円高が進んでいます。日銀のサプライズ演出も、どこまで日本の景気浮揚に役立つのか疑問視する声も出ており、仮にこのままずるずると元の水準に戻ると、今度は政策の手詰まり観測も広がり、日銀にとっても正念場を迎えることになります。
昨日のリスクオフ・モードは再び原油価格の大幅下落が引き金だったようです。OPECとロシアで減産に向けた交渉が行われるとの報道もありましたが、減産への協調はできないのではとの見方が広がり、さらに米原油在庫が拡大しているとの観測も原油価格を押し下げました。原油価格の下落は供給過剰と需要が低迷しているという構造的な問題が根底にあり、これが払拭されない限り、下落圧力は続くといった専門家の指摘もあります。
ドル円は先月20日に116円を割り込み、115円98銭までドル安が進行しましたが、その後は下げ渋り、日銀のマイナス金利導入をきっかに121円70銭まで反発しました。この間の上げ幅は5円72銭ということになり、この値幅でフィボナッチ・リトレースメントを計算してみると、最初のサポートは高値から38.2%戻しの119円52銭前後ということになります。さらにその水準が抜けた場合には、半値戻しの118円84銭前後という水準が導き出されます。
また今回の急反発でも121円70銭で上昇を止められましたが、そこには日足の移動平均線の200日が機能していました。その移動平均線を見てみると、「1時間足」の200日線では119円24銭、さらに「4時間足」の52日線でも119円29銭にサポートがあり、同時に200日線も119円18銭にあります。119円台前半が重要なサポートレベルであることを示していると見られます。
個人的にはこのまま元の水準である115円台に戻るとは考えていませんが、まだ先週の「マイナス金利導入」を消化しきれていない状況かと思います。日本の長期金利が0.05%まで低下し、今朝の報道では法人の普通預金口座から手数料を取ることも検討されている状況です。異次元の金融緩和が長く続いた結果、待機資金はかなりじゃぶじゃぶです。これらの資金がリスクをとって外に出て行くことは十分考えられます。目先のドルの底値は限られると予想していますが、原油価格という「最大の相場かく乱要因」があるのも事実です。1月に続き、2月も混乱は必至のようです。
本日は黒田日銀総裁の講演があります。ここではマイナス金利導入の効果が強調され、さらに必要ならマイナス幅を拡大することもあり得る、とのコメントもあるのではないかと予想してます。予想レンジは119円〜120円50銭程度を見ています。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 12/1 エバンス・シカゴ連銀総裁 「利上げ開始の具体的な時期にかかわらず、フェデラルファンド(FF)金利が2016年末時点でなお1%未満であることが適切となる可能性が高いと考えられる」講演で。 -------- 12/2 イエレン・FRB議長 「10月のFOMC会合以降の経済と金融のデータは全般的に見て、労働市場の改善が続くというわれわれの見通しと整合的だ」講演で。 ドル円123円前半から、123円68銭まで上昇 12/4 ドラギ・ECB総裁 「物価安定の責務を全うする上で措置を強化する必要があれば、間違いなくそうする」NYでの講演で。 -------- 12/16 FOMC声明文 「引き上げ後も金融政策のスタンスは引き続き緩和的であり、それにより労働市場の状況の一層の改善とインフレ率2%への回復を支えていく」利上げ後の声明文で。 ドル高、株高が進む 1/6 フィッシャー・FRB副議長 「(年4回の利上げは)だいたい妥当な線」CNBCとのインタビューで。 -------- 1/7 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「この先、想定外のショックがなければ、インフレ率が近い将来に2%に戻っていくと引き続き確信している」講演で。 -------- 1/12 ラガルド・IMF専務理事 「FOMCとECB・日本銀行との間の政策かい離が続けば、ドルはさらに上昇する可能性がある」パリでの会議で。 -------- 1/21 ドラギ・ECB総裁 「状況の変化に応じて政策手段を調整する」3月の理事会での追加緩和を示唆。 ユーロドル1.09台から1.07台に。 2/1 フィッシャー・FRB副議長 「最近の金融市場の混乱や中国を巡る不透明感が米経済にどの程度影響を及ぼすかの判断はあまりにも難しく、米金融政策当局は次の行動を決められない」講演で。 -------- 2/2 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「最近の金融混乱は予期されていたものであり、追加利上げを先延ばしする理由にはならない」講演で。 --------



