2016年2月4日(木)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は米経済指標の悪化から売りが強まり下落。119円を割り込むとドル売りが加速し、117円割れ目前までドル安が進む場面も。
- ユーロドルもドル安から急伸。昨年10月下旬以来の高値となる1.1145近辺までユーロ高が進む。
- 株式市場は乱高下。ISM非製造業景況指数が予想を下回ったことから大きく売られたが、原油価格が反発したことからダウは188ドル高で取引を終える。ナスダックは12ポイント下落。
- 債券相場は反落。株価が上昇したことや、連日の高値更新から利益確定の売りに押された。長期金利は1.88%台まで上昇。
- 金はドル安の影響から連日で高値を更新し、1141ドル台に。原油価格は買戻しが優勢となり2ドル40セント上昇し、32ドル台を回復。
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1月ADP雇用者数 → 20.5万人
1月ISM非製造業景況指数 → 53.5
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ドル/円 117.06 〜 119.50 ユーロ/ドル 1.0928 〜 1.1145 ユーロ/円 130.05 〜 130.96 NYダウ +183.12 → 16,336.66ドル GOLD +14.10 → 1,141.30ドル WTI +2.40 → 32.28ドル 米10年国債 +0.041 → 1.886% 本日の注目イベント
- 英 BOE金融政策発表
- 英 BOE、四半期物価報告
- 英 BOE議事録
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 12月耐久財受注
ドル円は一気に117円割れ目前の水準まで売られ、ユ−ロドルも1.1145近辺まで買われ、ドル安が急速に進みました。昨日発表された1月のISM非製造業景況指数が「53.5」と、節目の「50」は維持したものの、市場予想を下回ったことが直接の原因でした。この指標は本来、ここまで相場に影響を与えない、どちらかと言えば注目度の低い「地味な指標」だったにも関わらず、ここまで反応したということは、それだけ市場が不安定になっており、だれも先行きを見通せない状況だということです。今朝7時過ぎには118円台を回復し、底値から1円以上の反発を見せています。
製造業の減速は鮮明ですが、昨日は頼みの非製造業も先行きが不透明になったことで、米景気そのものへの懸念からドルが売られました。このままでは3月利上げはできないとの見方も台頭し、米金利の低下につながることで、株高、ドル安が進み、これまでの株高→ドル高の構図にやや変化が見られました。
原油安、株安の影響を受けて米経済の先行きに暗雲が立ち込めている状況ですが、それでもFRBは景気の先行きには自信を持っていました。1月のFOMC声明文では、世界経済と金融情勢を「注視している」との文言を盛り込んでいましたが、利上げを決めた昨年12月時点の景気見通しからは、情勢が明らかに変化しています。NY連銀のダドリー総裁は昨日マーケットニュース(MNI)とのインタビューで、「昨年12月の会合時点に比べ、金融状況は大幅に引き締まっている」とコメントし、「このため3月会合の時点で、こうした状況が続くなら、金融政策決定にあたって、それを考慮しなければならないだろう」と述べています。(ブルームバーグ)。状況によっては3月利上を見送る可能性があることを示唆したとも受け取れます。
先週末、日銀がマイナス金利を導入する前のドル円は118円台半ばでした。その後一気に121円70銭までドルが買われましたが、やはりその賞味期限は1週間もなかったようです。ドル円は117円06銭までドル安が進み、政策決定前の水準を完全に下回ってきました。やはり下落時のスピードは早いという印象ですが、ここまで来ると再び重要な節目である115円が意識されてきます。
黒田総裁は昨日の講演で、「必要ならばさらに金利を引き下げる」と発言し、日銀の緩和策の手詰まりを否定しています。マイナス金利導入をきっかけに、国債の利回りは急低下し、昨日は長期金利が0.45%台まで低下し、連日低水準を更新しています。セカンダリー・マーケットでは残存9年までもが、マイナス金利になっています。
足元ではマイナス金利導入の限界がささやかれているのも事実ですが、昨日もこの欄で述べた様に、国内の資金は行き場がなくなっています。日本国債は安全ですが、日銀が大量に購入していることもあり、そうは資金を向けらません。海外の国債や株を買うなど、その手段は限られてきました。円高がさらに進めば、上述のようにマイナス金利の拡大の可能性も高まります。これらの状況はいずれは、ジワジワと為替相場にも効いてくると予想していますが、原油価格や中国不安に加え、さらに米景気の不透明感も課題となって来ました。ますます相場の先行きを読むことが難しくなって来ています。連日NY時間に入ると値幅が大きくなり、レンジ予想も簡単ではありません。そんな中、あえて予想をすれば117円30銭〜118円80銭程度と見ますが、これはあくまでも参考程度に留めていただきたいと思います。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 12/1 エバンス・シカゴ連銀総裁 「利上げ開始の具体的な時期にかかわらず、フェデラルファンド(FF)金利が2016年末時点でなお1%未満であることが適切となる可能性が高いと考えられる」講演で。 -------- 12/2 イエレン・FRB議長 「10月のFOMC会合以降の経済と金融のデータは全般的に見て、労働市場の改善が続くというわれわれの見通しと整合的だ」講演で。 ドル円123円前半から、123円68銭まで上昇 12/4 ドラギ・ECB総裁 「物価安定の責務を全うする上で措置を強化する必要があれば、間違いなくそうする」NYでの講演で。 -------- 12/16 FOMC声明文 「引き上げ後も金融政策のスタンスは引き続き緩和的であり、それにより労働市場の状況の一層の改善とインフレ率2%への回復を支えていく」利上げ後の声明文で。 ドル高、株高が進む 1/6 フィッシャー・FRB副議長 「(年4回の利上げは)だいたい妥当な線」CNBCとのインタビューで。 -------- 1/7 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「この先、想定外のショックがなければ、インフレ率が近い将来に2%に戻っていくと引き続き確信している」講演で。 -------- 1/12 ラガルド・IMF専務理事 「FOMCとECB・日本銀行との間の政策かい離が続けば、ドルはさらに上昇する可能性がある」パリでの会議で。 -------- 1/21 ドラギ・ECB総裁 「状況の変化に応じて政策手段を調整する」3月の理事会での追加緩和を示唆。 ユーロドル1.09台から1.07台に。 2/1 フィッシャー・FRB副議長 「最近の金融市場の混乱や中国を巡る不透明感が米経済にどの程度影響を及ぼすかの判断はあまりにも難しく、米金融政策当局は次の行動を決められない」講演で。 -------- 2/2 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「最近の金融混乱は予期されていたものであり、追加利上げを先延ばしする理由にはならない」講演で。 --------



