今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年2月5日(金)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はFRBの利上げ観測が後退する中、ジリジリと値を下げ116円53銭前後まで売られる。日欧中銀の金融政策でも為替市場を左右できないとの見方も浮上。
  • ドル安からユーロドルは一段高。ドラギ総裁が追加緩和の可能性を示唆したものの、ドル安の流れが優りユーロドルは約3か月ぶりに。1.1239までユ−ロ高が進行。
  • 株式市場は続伸。ドル安が進んでいることから、米グローバル企業の業績に明るい見通しが広がり、ダウは79ドル上昇。
  • 債券相場は反発。3月の利上げ観測が後退してきたことが背景となり長期金利は1.84%台まで低下。
  • 金はドルが売られたことでさらに上昇し1157ドルまで買われる。原油は小幅に反落。

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    新規失業保険申請件数 → 28.5万人
    12月耐久財受注  → −5.0%
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    ドル/円 116.53 〜 117.42
    ユーロ/ドル 1.1158 〜 1.1239
    ユーロ/円 130.67 〜 131.58
    NYダウ +79.92 → 16,416.58ドル
    GOLD +16.20 → 1,157.50ドル
    WTI −0.56 → 31.72ドル
    米10年国債 −0.040 → 1.846%

    本日の注目イベント

    • 豪  RBA四半期金融政策報告
    • 豪  豪12月小売売上高
    • 米  1月雇用統計

    ドル安がさらに進み、ドル円は丁度1週間前の「マイナス金利導入」を決定する前の水準を大きく下回ってきました。ユーロドルも昨年10月22日以来となる1.12台までドル安ユーロ高が進み、ドル全面安の展開です。

    相当ドルの地合いが悪くなっていると思われます。特に昨日は、それほど決定的なドル売り材料が出たわけでもなく、週間失業保険申請件数がやや増加傾向を見せた程度でした。ドル安が進んだ背景には、米景気そのものがピ−クアウトしたとの見方が強まっていることが挙げられます。

    製造業だけではなく、前日発表されたISM非製造業も息切れを見せはじめました。ダドリーNY連銀総裁もそうした状況を踏まえ、利上げには慎重な考えを示しています。昨日もダラス連銀のカプラン総裁は、「3月の会合で金利についてどのような決定を下すのか判断するのは時期尚早だ」としながも、「不透明な世界見通しが米国の雇用やインフレにおよぼす影響を見極めている」と語っています。このように、3月の利上げが世界景気の不透明感に加え、米経済指標の伸びに鈍化の兆しが見えてきたことから、利上げには慎重な見方が増えています。

    ドル円は「マイナス金利導入」時の121円台から、連日1円づつ大台替えを見せています。昨日は、ユーロドルでのユーロ高に引っ張られた面もあろうかと思いますが、116円53銭まで円が買われており、ユーロとの対比で見れば、必ずしも「安全通貨の円」が買われたわけではありません。事実、円が買われた材料の主因であったWTI原油価格は26ドル台の安値を記録した後は、30ドルを挟んで小康状態が続いています。ここはやはり年内の米利上げの回数が、当初想定された4回を大きく下回るという見方の台頭による「ドル安」というふうに見るべきでしょう。

    116円台に突入したドル円の目先のサポートは、先月20日に記録した115円98銭ということになり、116円前後が重要なポイントになると考えます。以前から述べているように、115円を割り込むとドルが急落する恐れもあります。今夜の雇用統計が、そのきっけになるのか、あるいは好調な雇用が確認され、116円台がしっかり維持され次の展開に移るのか注目されます。因みに事前予想では、失業率は5.0%、非農業部門雇用者数は19万人程度と見られています

    市場はややドル安方向にバイアスが掛かっていると見られます。オプションのプレミアムの差から見たリスク・リバーサルも、ドルの先安観を見せています。本日は雇用統計を踏まえて115〜117円80銭程度とワイドに予想しますが、ドルの下落には注意が必要です。

    今週の話題は何と言っても「清原逮捕」でしょう。以前から週刊誌等で何度も疑惑が報じられていたため、驚きはなく「やはりそうだったのか」といった感想です。野球少年の夢を壊した罪は重く、厳しく罰せられるべきでしょう。「ノブレス・オブリージュ」という言葉を贈りたいと思います。良い週末を・・・・・。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    1/6 フィッシャー・FRB副議長 「(年4回の利上げは)だいたい妥当な線」CNBCとのインタビューで。 --------
    1/7 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「この先、想定外のショックがなければ、インフレ率が近い将来に2%に戻っていくと引き続き確信している」講演で。 --------
    1/12 ラガルド・IMF専務理事 「FOMCとECB・日本銀行との間の政策かい離が続けば、ドルはさらに上昇する可能性がある」パリでの会議で。 --------
    1/21 ドラギ・ECB総裁 「状況の変化に応じて政策手段を調整する」3月の理事会での追加緩和を示唆。 ユーロドル1.09台から1.07台に。
    2/1 フィッシャー・FRB副議長 「最近の金融市場の混乱や中国を巡る不透明感が米経済にどの程度影響を及ぼすかの判断はあまりにも難しく、米金融政策当局は次の行動を決められない」講演で。 --------
    2/2 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「最近の金融混乱は予期されていたものであり、追加利上げを先延ばしする理由にはならない」講演で。 --------
    2/4 カプラン・ダラス連銀総裁 「不透明な世界見通しが米国の雇用やインフレにおよぼす影響を見極めている」講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和