2016年2月12日(金)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 世界の金融市場の混乱は続くとの見方から、ドル円は急落。一時111円を割り込み、110円99銭まで円買いが進む。その後は介入の噂などがあり、113円台まで反発するなど乱高下。円は主要16通貨に対して全面高。
- ユーロドルも荒っぽい動きを見せ、1.1376近辺まで上昇した後、1.13台前半まで下げる。ユーロ円は欧州時間に126円台前半まで下落。
- リスク資産からの逃避が進み、株式市場は5日続落。銀行株を中心にダウは254ドル下げ、1万5600ドル台に。
- 債券相場は続伸。リスクオフが一段と進み、長期金利は1.65%台まで低下。
- ドル安の追い風を受け、金は大幅に続伸。約1年ぶりとなる1247ドル台まで買われる。一方原油安は止まらず26ドル台。
************************
新規失業保険申請件数 → 26.9万件
************************
ドル/円 110.99 〜 113.31 ユーロ/ドル 1.1321〜 1.1376 ユーロ/円 126.79 〜 127.59 NYダウ −254.46 → 15,660.18ドル GOLD +53.20 → 1,247.80ドル WTI −1.24 → 26.21ドル 米10年国債 −0.011 → 1.659% 本日の注目イベント
- 独 独10−12月期GDP(速報値)
- 欧 ユーロ圏10−12月期GDP(速報値)
- 欧 ユーロ圏12月鉱工業生産
- 米 1月小売売上高
- 米 2月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
「イエレン・ショック」とも言うべきでしょうか。イエレンFRB議長は議会で証言を行いましたが、期待したほど市場安定化へのメッセージはなく、市場はある意味「失望」から、円買いドル売り、さらには株式を売って、債券を買う動きを加速させています。昨日の海外市場でドル円は一気に111円を割りこむ水準まで円高が進み、連休前の水準から4円以上もドル安に振れています。110円台を付けた後には113円台までドルが買い戻され、市場では「介入」の噂も出たようですが、実際には確認されていません。ただ、これだけ短期間に円高が進んでいることを考えれば、110円を割り込んだら「口先介入」か「レート・チェック」は十分あり得ると思われます。
イエレン議長は議会で、市場の混乱には配慮する姿勢は見せたものの、「米経済は拡大が続く」と述べ、「雇用は力強さを増す」などとも発言し、経済データ次第では利上げのぺースを「減速」させるのが適当と述べるに留まりました。これらの発言は、足元の混乱を治めるには十分でないとの見方から、各市場では「リスク・オフ」の流れがさらに加速する形になりました。
個人的にはもっと突っ込んだ発言を期待していただけに、「ハト派」のイエレン議長にしては、やや失望感が残ります。ECBが動き、その後は、成功はしていませんが日銀も行動を起こしました。イエレン議長には足並みを揃え、「最後のアンカー」としての期待をしていましたが、残念です。
その後の市場の混乱ぶりを見れば、その期待が大きかったこともわかります。ドル円は2014年10月の「サプライズ緩和」時点の水準に戻っており、NYダウは約2年ぶりのレベルに沈み、原油価格は12年半ぶりに26ドル台前半まで売られています。ドルが急速に売られたことで、金価格は昨日だけで53ドルも上昇し、こちらは1年ぶりの高値です。リスク回避が急速に進み、「安全・安定」への姿勢が一段と強まった結果です。
このままでは、今日の日経平均株価も再び大きく下落しそうです。仮に今日1万5000円割れを試すようだと、昨年の高値から5000円以上も下げることになり、アベノミクスも「振り出し」に戻ることになります。利上げを決めた米国の株式市場よりも、マイナス金利を導入した日本株の方が大幅に下げるという現象は理論的には理解できません。日本株に独自の脆弱性があるとしか思えません。
上でも述べたように、110円を割り込むようなら何らかの介入を示唆する動きがあるかもしれません。しかし、それに期待しすぎるのは危険です。日本単独で市場介入しても、初回はサプライズで効果が見られるかもしれませんが、その効果は限定的だからです。為替も、株も極めて投機的になっていると言えます。様子見も含めて、慎重な対応が求められます。
本日の予想レンジは111円〜113円50銭と、NYのレンジ幅が意識されます。
======================================
今年に入って株価が急落していますが、その中でも株価がそれ程極端に下げない銘柄もあります。ブルームバーグが調べたところ、女性の取締役の比率が高い企業や、女性管理職比率のの高い企業の方が、比較的株価が安定しているそうです。女性に優しい企業は、株主にも優しいということでしょうか。
良い週末を・・・・・。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 1/6 フィッシャー・FRB副議長 「(年4回の利上げは)だいたい妥当な線」CNBCとのインタビューで。 -------- 1/7 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「この先、想定外のショックがなければ、インフレ率が近い将来に2%に戻っていくと引き続き確信している」講演で。 -------- 1/12 ラガルド・IMF専務理事 「FOMCとECB・日本銀行との間の政策かい離が続けば、ドルはさらに上昇する可能性がある」パリでの会議で。 -------- 1/21 ドラギ・ECB総裁 「状況の変化に応じて政策手段を調整する」3月の理事会での追加緩和を示唆。 ユーロドル1.09台から1.07台に。 2/1 フィッシャー・FRB副議長 「最近の金融市場の混乱や中国を巡る不透明感が米経済にどの程度影響を及ぼすかの判断はあまりにも難しく、米金融政策当局は次の行動を決められない」講演で。 -------- 2/2 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「最近の金融混乱は予期されていたものであり、追加利上げを先延ばしする理由にはならない」講演で。 -------- 2/4 カプラン・ダラス連銀総裁 「不透明な世界見通しが米国の雇用やインフレにおよぼす影響を見極めている」講演で。 -------- 2/10 イエレン・FRB議長 「米経済は拡大が続く」「経済データ次第では利上げのぺースを減速させるのが適当」議会で。 ドル円急落。株安・債券高が急速に進む。



