今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年2月15日(月)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は小売売上高が予想を上回ったことや、このところの売られ過ぎから、ドルを買い戻す動きが強まった。113円54銭までドル高が進み、113円30近辺で引ける。
  • ユーロドルでもドル買いユーロ売りが進み、1.12台後半から1.1214までユーロドルは下落。
  • 株式市場は6日ぶりに大幅反発。原油が大きく値を戻したことからエネルギー株が買い戻される。ダウは313ドル上昇し、1万6000ドルに迫る。
  • 債券相場は反落。ドル高、株高が進んだことで、利益確定の売りが進んだ。利回りはここ2ヶ月で最大の上昇をみせ、1.74%台で引ける。
  • 金は反落。原油価格はUAEのエネルギー相が、OPECは他の産油国と協調する用意があると発言したことに反応し、前日比3ドルを超す上昇で、29ドル台半ばまで反発。

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    1月小売売上高 → +0.2%
    2月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値) → 90.7
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    ドル/円 112.60 〜 113.54
    ユーロ/ドル 1.1214 〜 1.1278
    ユーロ/円 126.62 〜 127.58
    NYダウ +313.66 → 15,973.84ドル
    GOLD −8.40 → 1,239.40ドル
    WTI +3.23 → 29.44ドル
    米10年国債 +0.089 → 1.748%

    本日の注目イベント

    • 日  10−12月GDP(速報値)
    • 日  12月鉱工業生産(確定値)
    • 中  中国 1月貿易収支
    • 中  中国 1月マネー・サプライ
    • 欧  ユーロ圏12月貿易収支
    • 欧  ドラギ・ECB総裁、欧州議会で証言
    • 米  株式、債券市場休場 (プレジデンツデー)

    ドル円はようやく下げ止まり、先週末のNY市場では一時113円54銭までドルが買い戻される場面がありました。きっかけは、原油価格の急反発と小売売上高の上振れでした。

    先週、原油価格は再び下げ足を早め前日には26ドル台まで下落し、直近安値を更新するのかどうか注目されていましたが、アラブ首長国連邦(UAE)のエネルギー相が、OPECには他の産油国と協議をする用意があると発言したことが好感され、急速に買い戻しが進みました。引け値では前日比12.32%上昇し、29ドル44セントで取引を終えています。この上昇幅は実に7年ぶりのことだそうです。

    原油価格が急反発したことから、NY株式市場はエネルギー株を中心に大幅な反発を見せ、ダウは前日比313ドル上昇。S&P500も37ポイントと急上昇しています。前日まで6日続落したことから、ショート筋の買い戻しが中心の取引だと思われますが、ひとまずは下落が止まりました。111円を割り込む水準まで売り込まれたドル円も、113円台半ばまで反発していますが、こちらもまだ底値を確認したとはいい切れません。

    今年に入って約9円50銭ほど円高が進みましたが、昨年1年間の値幅が10円だったことを考えると、その下落スピードがいかに速かったかが分かります。一旦は反発しても当然だとは思いますが、下落幅の半値戻しが115円71銭になるため、この辺りが一つの目安になろうかと思います。

    急激に円高が進んだことから、黒田総裁をはじめ、要人の発言も増えています。先週末の昼ごろ、黒田総裁は首相官邸に入り、安倍首相と会談していますが、定例的な会談だったとしか答えていません。来週上海で行われる「G20」では、新興国通貨を含めた通貨の安定について協議されるとの報道もあります。また、中曽日銀副総裁は12日NYでの講演で、「必要があれば金融緩和の質・量をさらに拡大することも可能だ」と発言し、マイナス金利をどこまで下げることが可能かという質問に対しては「テクニカル的にはマイナス幅の拡大は可能だが、その程度については分からない」と答えています。(ブルームバーグ)

    先週のイエレン議長の議会証言を契機に、ドル売りや株安が強まったと判断できますが、議長が思った以上に米景気の先行きに楽観的だったことがその理由の一つに挙げられます。3月利上げに関しても、「経済データ次第だ」との姿勢は崩しておらず、雇用の拡大は続くとの認識も示しています。」 確かに雇用はそれ程崩れてはいませんが、反対にそれ以外は相当厳しい数字が示されています。個人的には3月の利上げは見送られると予想していますが、ここで利上げがあるかないかが、今年春以降の相場の行方を左右すると言っても過言ではありません。今後の経済指標がますます注目されます。

    ドル円は今朝8時時点では、先週末のNYの高値近辺で推移しています。シカゴ日経平均株価も600円程上昇していることから、本日の日本株は堅調に推移すると見られます。株価の上昇に伴って、ドル円も114円を試しに行くと予想されますが、本日から春節明けの上海株式市場が再開します。この動きにも注意が必要です。レンジは112円70銭〜114円30銭程度を予想します。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    1/6 フィッシャー・FRB副議長 「(年4回の利上げは)だいたい妥当な線」CNBCとのインタビューで。 --------
    1/7 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「この先、想定外のショックがなければ、インフレ率が近い将来に2%に戻っていくと引き続き確信している」講演で。 --------
    1/12 ラガルド・IMF専務理事 「FOMCとECB・日本銀行との間の政策かい離が続けば、ドルはさらに上昇する可能性がある」パリでの会議で。 --------
    1/21 ドラギ・ECB総裁 「状況の変化に応じて政策手段を調整する」3月の理事会での追加緩和を示唆。 ユーロドル1.09台から1.07台に。
    2/1 フィッシャー・FRB副議長 「最近の金融市場の混乱や中国を巡る不透明感が米経済にどの程度影響を及ぼすかの判断はあまりにも難しく、米金融政策当局は次の行動を決められない」講演で。 --------
    2/2 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「最近の金融混乱は予期されていたものであり、追加利上げを先延ばしする理由にはならない」講演で。 --------
    2/4 カプラン・ダラス連銀総裁 「不透明な世界見通しが米国の雇用やインフレにおよぼす影響を見極めている」講演で。 --------
    2/10 イエレン・FRB議長 「米経済は拡大が続く」「経済データ次第では利上げのぺースを減速させるのが適当」議会で。 ドル円急落。株安・債券高が急速に進む。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和