今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年2月19日(金)

ひと目で分かる昨晩の動き

海外市場

  • ドル円は東京時間に114円32銭まで買われたが、株価上昇の割には上値は重く、じりじり値を下げる。NYでは長期金利の低下や、株価下落に反応し、113円14銭まで円高が進む。
  • ユーロドルは、3月のECB理事会で追加緩和があるとの見方が強まり続落。一時は1.1071までユーロ安が進む。ユーロ円は125円台半ばまで下落し、2013年6月以来の安値を記録。
  • 株式市場は4日ぶりに反落。原油価格が上昇したことから、朝方は上値を試したが続かず、午後は様子見の展開。ダウは前日比40ドル下落。
  • 債券相場も4日ぶりに反発。株安から安全逃避先として米国債が買われた。長期金利は1.74%台まで低下。
  • ドル安が追い風となり金は14ドル上昇。原油も小幅ながら続伸。

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    2月フィラデルフィア連銀景況指数 → −2.8
    新規失業保険申請件数    → 26.2万件
    1月景気先行指標総合指数   → −0.2%
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    ドル/円 113.14 〜 113.92
    ユーロ/ドル 1.1071 〜 1.1123
    ユーロ/円 125.60 〜 126.30
    NYダウ −40.40 → 16,413、43ドル
    GOLD +14.90 → 1,226.30ドル
    WTI +0.11 → 30.77ドル
    米10年国債 −0.079 → 1.740%

    本日の注目イベント

    • 独  独1月生産者物価指数
    • 欧  ユーロ圏2月消費者信頼感(速報値)
    • 英  英1月小売売上高
    • 英  英1月財政収支
    • 米  1月消費者物価指数
    • 米  ロレッタ・クリーブランド連銀総裁講演
    • 加  カナダ12月小売売上高
    • 加  カナダ1月消費者物価指数

    ドル円は114円台が徐々に重くなり、再び113円台前半まで押し戻されています。今週16日の火曜日には、株価の上昇とともに114円87銭までドル買いが進む場面もありましたが、テクニカル的にも重要な115円台は試さずに反落して来ました。111円割れの可能性はやや後退してはいますが、まだ上値を追っていくセンチメントではないようです。

    環境的には徐々に落ち着きを取り戻してきたと言えます。NYのダウは昨日は下げましたが、その前までには3日で780ドルほど上昇し、今年に入って最大の上げ幅を記録しました。WTI原油価格は足元では30ドルを挟んで上下していますが、26ドル台を2回試していずれも押し戻され、「ダブルボトム」を形成しています。米景気についても、最後の砦である雇用については、大きく崩れる兆候は見えていません。110−115円のレンジがしばらく続く可能性も出て来ました。

    一方でユーロドルの下落が鮮明になっています。先週1.13台後半まで買われたユーロでしたが、昨日は1.1071まで売られ、直近高値から約300ポイント売り込まれています。3月のECB理事会では、大胆な緩和策を講じるとの見方が強まっていることが背景です。ドラギ総裁は以前にも、口先では「やれることは何でもやる」と繰り返しながらも、蓋を開けたら内容が「小粒」だったことから、ユーロが大きく買い戻されたことがあります。さすがに今回は「おおかみ少年」にはならないだろうというのが、市場の見方です。

    ユーロドルでドル買いユーロ売りが進み、ドル円では円買いドル売りが進んだことで、ユーロ円は2013年6月以来となる125円台半ばまでユーロ安が進行しました。ユーロ圏の金利がさらに低下して、米国との金利差が拡大するという読みのようです。

    来週には上海で「G20」が開催され、世界経済や金融市場の安定が議論される予定ですが、それほど市場へインパクトがあるとも思えません。今後の為替市場の動向に大きな影響を及ぼすのは3月10日から始まる、日米欧中銀による金融政策です。それまでは市場も様子見となるかもしれません。年初から続く市場の混乱に関係者の疲労もかなり溜まっているのではないかと思います。

    本日のレンジは112円80銭〜114円程度を予想します。

    本日の東京地方の最高気温は18度と予想されています。2月もあと10日ほどで終わり、まもなく春です。「三寒四温」を繰り返し、春が来るのを待つことになります。同時に、金融市場にも「春」が訪れることを切望したいと思います。良い週末を・・・・・。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    1/6 フィッシャー・FRB副議長 「(年4回の利上げは)だいたい妥当な線」CNBCとのインタビューで。 --------
    1/7 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「この先、想定外のショックがなければ、インフレ率が近い将来に2%に戻っていくと引き続き確信している」講演で。 --------
    1/12 ラガルド・IMF専務理事 「FOMCとECB・日本銀行との間の政策かい離が続けば、ドルはさらに上昇する可能性がある」パリでの会議で。 --------
    1/21 ドラギ・ECB総裁 「状況の変化に応じて政策手段を調整する」3月の理事会での追加緩和を示唆。 ユーロドル1.09台から1.07台に。
    2/1 フィッシャー・FRB副議長 「最近の金融市場の混乱や中国を巡る不透明感が米経済にどの程度影響を及ぼすかの判断はあまりにも難しく、米金融政策当局は次の行動を決められない」講演で。 --------
    2/2 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「最近の金融混乱は予期されていたものであり、追加利上げを先延ばしする理由にはならない」講演で。 --------
    2/4 カプラン・ダラス連銀総裁 「不透明な世界見通しが米国の雇用やインフレにおよぼす影響を見極めている」講演で。 --------
    2/10 イエレン・FRB議長 「米経済は拡大が続く」「経済データ次第では利上げのぺースを減速させるのが適当」議会で。 ドル円急落。株安・債券高が急速に進む。
    2/12 中曾・日銀副総裁 「必要があれば金融緩和の質・量をさらに拡大することも可能だ」NYでの講演で。 --------
    2/16 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「金融政策がどう展開していくか確実な筋道を示すことはできないが、インフレ関連のデータが力強さを増すまで2回目の利上げを待つことが賢明だと分かるかもしれない」講演で。 --------
    2/16 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「インフレ率目標への回復が遅れれば、金融政策の正常化は急ぐべきでない」講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和