今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年2月29日(月)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はGDP確報値の上方修正や、インフレにつながる指標が出たことから上昇。一時は114円まで買われ、約10日ぶりのドル高水準をつける。
  • ユーロドルでもドルが買われ、1.0912までユーロ安が進む。高値は1.0124近辺まであったが、上値は限定的。
  • 株式市場はまちまち。PCEコアデフレーターなどが上振れしたことで利上げ観測がやや復活。ダウは57ドル下げたが、ナスダックは8ポイント上昇。
  • 債券相場は反落。個人消費支出が拡大してきたことから、インフレ懸念も台頭。長期金利は1.76%台まで上昇。
  • ドル高が進み金は大幅安。原油は小幅に反落し、32ドル台後半に。

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    10−12月GDP(改定値) → 1.0%
    1月個人所得        → +0.5%
    1月個人支出        → +0.5%
    1月PCEコアデフレーター    → +1.7%
    2月ミシガン大学消費者信頼感指数(確定値) → 91.7
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    ドル/円 112.94 〜 114.00
    ユーロ/ドル 1.0912 〜 1.1024
    ユーロ/円 124.26 〜 124.67
    NYダウ −57.32 → 16,639.97ドル
    GOLD −18.40 → 1,220.40ドル
    WTI −0.29 → 32.78ドル
    米10年国債 +0.046 → 1.762%

    本日の注目イベント

    • 日  1月鉱工業生産
    • 独  独1月小売売上高
    • 米  2月シカゴ購買部協会景気指数
    • 米  1月中古住宅販売成約指数

    ドル円は2月18日以来となる114円まで反発して来ました。111円近辺を2回試して押し戻されたことから、短期的な「ダブルボトム」を形成していることは先週述べた通りですが、先週末のNY市場では,PCEコアデフレーターが前年比+1.7%と予想を上回り、さらに昨年12月分も+1.5%に上方修正されました。なりを潜めていた「3月利上げ観測」が、久しぶりに復活した感があります。

    昨年の同指数は概ね1.3%から1.4%で推移して来ましたが、ここにきて原油安にも関わらず上昇傾向を見せています。FRBの目標値である2%にも、ようやく手が届く水準になってきたと言えます。米景気はまだら模様のため、まだインフレ懸念からは程遠いとは思いますが、市場全体を見回すと、1月末から2月中旬まで続いた「大混乱」からは、様子が少しづつ変わってきたことに気がつきます。

    原油価格が底堅い動きを見せていることで、NY株式市場にも落ち着きが出て来ました。株価が底堅い動きを見せると、投資家のリスクオフ姿勢もやや後退し、盛んだった円買いもやや下火になり、ドル円も114円近辺まで買い戻されています。またリスクオフが後退したことで、安全資産の金も1240ドル辺りからは、上値も重く、利益確定の売りに押され気味です。このまま、混乱が終わる見通しが持てるわけではありませんが、3月には日米欧で政策会合があるため、ここからは、その内容を見極める展開になります。

    上海での「G20」が閉幕しました。声明文では「全ての政策手段を検討する」との文言が盛り込まれ、通貨安競争を避けるとの文章もありました。具体的な政策には触れていませんでしたが、まずまずの成果だったと言えるのではないでしょうか。中国に構造改革を求めた部分は評価されると思います。

    上述のように、今後は来月の中銀による政策変更に注目したいと思いますが、中でも最大の焦点は米国で今年最初の利上げが3月に実施されるかどうかです。10−12月期のGDPが上方修正され、さらに個人消費支出も上向きかげんです。イエレン議長をはじめ、一部のFOMCメンバーが依然として米景気に自信を示しているのも、このあたりが背景になっているのかもしれません。

    ドル円は「1時間足」では既に買いサインが点灯して上昇を続けています。また、「日足」でもMACDが久しぶりに「ゴールデンクロス」を見せています。ただ、まだこのまま上昇を続けるには時間が必要でしょう。上値のポイントは115円です。これまでサポートとして機能していた115円は、足元ではレジスタンスに変わっています。この近辺では、為替予約を取り遅れていた輸出企業が確実に予約を取って来ると考えられます。115円を割り込んだ際のドルの下げが早かっただけに、ここはひとまず壁になる可能性が高いと予想します。この水準を抜けるには、それをこなすだけの材料と時間が必要です。本日のドル円は113円〜114円20銭程度を予想します。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    1/6 フィッシャー・FRB副議長 「(年4回の利上げは)だいたい妥当な線」CNBCとのインタビューで。 --------
    1/7 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「この先、想定外のショックがなければ、インフレ率が近い将来に2%に戻っていくと引き続き確信している」講演で。 --------
    1/12 ラガルド・IMF専務理事 「FOMCとECB・日本銀行との間の政策かい離が続けば、ドルはさらに上昇する可能性がある」パリでの会議で。 --------
    1/21 ドラギ・ECB総裁 「状況の変化に応じて政策手段を調整する」3月の理事会での追加緩和を示唆。 ユーロドル1.09台から1.07台に。
    2/1 フィッシャー・FRB副議長 「最近の金融市場の混乱や中国を巡る不透明感が米経済にどの程度影響を及ぼすかの判断はあまりにも難しく、米金融政策当局は次の行動を決められない」講演で。 --------
    2/2 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「最近の金融混乱は予期されていたものであり、追加利上げを先延ばしする理由にはならない」講演で。 --------
    2/4 カプラン・ダラス連銀総裁 「不透明な世界見通しが米国の雇用やインフレにおよぼす影響を見極めている」講演で。 --------
    2/10 イエレン・FRB議長 「米経済は拡大が続く」「経済データ次第では利上げのぺースを減速させるのが適当」議会で。 ドル円急落。株安・債券高が急速に進む。
    2/12 中曾・日銀副総裁 「必要があれば金融緩和の質・量をさらに拡大することも可能だ」NYでの講演で。 --------
    2/16 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「金融政策がどう展開していくか確実な筋道を示すことはできないが、インフレ関連のデータが力強さを増すまで2回目の利上げを待つことが賢明だと分かるかもしれない」講演で。 --------
    2/16 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「インフレ率目標への回復が遅れれば、金融政策の正常化は急ぐべきでない」講演で。 --------
    2/18 サマーズ・元財務長官 「米金融当局が早期の追加利上げを考え直すことが建設的だ」ブルーム・バーグとのインタビューで。 --------
    2/23 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「現時点では、見通しに基本的な変化があったことをデータが示唆しているとは言えない。3月利上げの可能性は議題に残すべきだ」ブルームバーグラジオとのインタビューで。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和