今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年3月2日(水)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 株高、原油高、さらに長期金利が上昇したことでドル円は急反発。114円18銭辺りまでドル高が進み、約2週間ぶりの水準を記録。
  • ユーロドルは続落。ドルが買い戻されたことや、来週のECB理事会を控え、ユーロ売りが強まり、1.0834近辺まで下落。
  • 株式市場は大幅に反発しほぼ全面高。中国の追加刺激策を好感したことや、製造業が長期の不振から脱出しつつあることが示唆されたことが背景。ダウは348ドル上昇し、ナスダックは昨年8月以来の上昇幅を記録。
  • 債券相場は大幅安。株高が大きく進んだことで、リスクオフの流れが後退。長期金利は1.82%台まで急上昇。
  • 金は小幅に反落し。原油価格は底堅い動きとなり34ドル台を回復。

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    2月ISM製造業景況指数 → 49.5
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    ドル/円 112.90 〜 114.18
    ユーロ/ドル 1.0834 〜 1.0885
    ユーロ/円 122.72 〜 124.08
    NYダウ +348.58 → 16,865.08ドル
    GOLD −3.60 → 1,230.80ドル
    WTI +0.65 → 34.40ドル
    米10年国債 +0.090 → 1.825%

    本日の注目イベント

    • 豪  豪10−12月期GDP
    • 日  2月マネタリーベース
    • 欧  ユーロ圏1月生産者物価指数
    • 米  2月ADP雇用者数
    • 米  ベージュブック(地区連銀経済報告)

    昨日のNYではドルが買われて円が売られる環境が整い、ブルームバーグによると円は主要31通貨全てに対して下落し、「全面安」の展開でした。前日には円が買われ「全面高」の流れでしたが、わずか1日でセンチメントが180度変わってしまうところが、足元の相場の難しさを物語っています。リスクを何処まで取れるのかをしっかり把握し、ストップ注文などを駆使し、大きな損失を避けるよう取引をする必要があります。

    昨日のドルの上昇スピードを見ると、ドル円は再び120円に向っているような「印象」さえ感じる動きでした。多くの市場関係者がドルの先安観をイメージしている状況ですが、現状では確信を持てません。来週から始まる日米欧の中銀による政策変更を見極め、その上で方向性をつかめればと思います。

    NYでは2月のISM製造業景況指数が予想を上回ったことで、長期間低迷していた製造業に明るさが出て来ました。特に新規受注と生産が拡大しており、「製造業の状況はよい方向に進む準備ができている」といった声もあがっています。(ブルームバーグ)ただ結果は「49.5」と、依然として好不調の分かれ目である「50」は下回っており、進行中のドル安の影響を加味したとしても、米製造業が底入れしたかどうかを判断するには、今後のデータを待つしかありません。

    ドル円は昨日の上昇で114円18銭まで買われ、114円近辺の「壁」は超えています。ここから上では、2月18日に付けた114円33銭あたりが超えられるかどうかですが、上値ではドル売り需要も相当強いと予想されます。輸出企業が確実にドル売り注文を出して来ると見られるからです。市場の相場観が「ドル先高」に変わらない限り、この状況は変わらないと思われ、従って上値も今のところ限定的と見ています。

    先週から述べているように、ドル円を取り巻く環境は以前ほど悪くはありません。WTI原油価格は昨日、34ドル76セントまで買われ、1ヶ月ぶりの高値を付けています。NYダウは引け値では1万8650ドルと、昨年末の400ドル以下の水準まで値を戻して来ました。残りは米長期金利と日経平均株価の水準です。

    米長期金利が低水準で安定しているのは、世界的なデフレ傾向と、金融緩和政策の拡大が続いているからで、ある意味当然です。日本やユーロ圏、スイスなどの「マイナス金利政策」も米金利の低下を支えていると言えます。本日の日経平均株価は、ドル高円安に米株価の大幅上昇が加わり、300円から500円程度の上昇が見込まれます。株価がさらに上昇するようだと、上記114円33銭を上抜け、114円台半ば越えもあるかもしれませんが、それには株価の予想以上の上昇が不可欠です。本日のレンジは113円50銭〜114円80銭程度を予想します。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    1/6 フィッシャー・FRB副議長 「(年4回の利上げは)だいたい妥当な線」CNBCとのインタビューで。 --------
    1/7 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「この先、想定外のショックがなければ、インフレ率が近い将来に2%に戻っていくと引き続き確信している」講演で。 --------
    1/12 ラガルド・IMF専務理事 「FOMCとECB・日本銀行との間の政策かい離が続けば、ドルはさらに上昇する可能性がある」パリでの会議で。 --------
    1/21 ドラギ・ECB総裁 「状況の変化に応じて政策手段を調整する」3月の理事会での追加緩和を示唆。 ユーロドル1.09台から1.07台に。
    2/1 フィッシャー・FRB副議長 「最近の金融市場の混乱や中国を巡る不透明感が米経済にどの程度影響を及ぼすかの判断はあまりにも難しく、米金融政策当局は次の行動を決められない」講演で。 --------
    2/2 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「最近の金融混乱は予期されていたものであり、追加利上げを先延ばしする理由にはならない」講演で。 --------
    2/4 カプラン・ダラス連銀総裁 「不透明な世界見通しが米国の雇用やインフレにおよぼす影響を見極めている」講演で。 --------
    2/10 イエレン・FRB議長 「米経済は拡大が続く」「経済データ次第では利上げのぺースを減速させるのが適当」議会で。 ドル円急落。株安・債券高が急速に進む。
    2/12 中曾・日銀副総裁 「必要があれば金融緩和の質・量をさらに拡大することも可能だ」NYでの講演で。 --------
    2/16 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「金融政策がどう展開していくか確実な筋道を示すことはできないが、インフレ関連のデータが力強さを増すまで2回目の利上げを待つことが賢明だと分かるかもしれない」講演で。 --------
    2/16 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「インフレ率目標への回復が遅れれば、金融政策の正常化は急ぐべきでない」講演で。 --------
    2/18 サマーズ・元財務長官 「米金融当局が早期の追加利上げを考え直すことが建設的だ」ブルーム・バーグとのインタビューで。 --------
    2/23 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「現時点では、見通しに基本的な変化があったことをデータが示唆しているとは言えない。3月利上げの可能性は議題に残すべきだ」ブルームバーグラジオとのインタビューで。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和