2016年3月3日(木)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は日本株の大幅上昇を背景に海外市場では続伸し、NYでは114円56銭までドル高が進む。ただ、115円を試す勢いもなく、その後は113円台半ばまで1円以上も反落。
- ドル高に引っ張られる形で、ユーロドルも1.08台前半まで続落。1カ月ぶりのユーロ安水準を示現。
- 株価は上下を繰り返しながも小幅に続伸。ADP雇用者数が上振れしたことで、利上げ観測がやや高まり上値は抑えられた。一方で米景気に対する楽観的な見方も台頭し、ダウは34ドル高。
- ADP雇用者数が伸びていたことで債券相場は続落。長期金利は1.84%台まで上昇し、約3週間ぶりの高水準。
- 金は反発し1241ドルに。原油価格も在庫が減少していたことから続伸し、一時は35ドル台を記録。
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2月ADP雇用者数 → 21.4万件
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ドル/円 113.22 〜 114.56 ユーロ/ドル 1.0826 〜 1.0873 ユーロ/円 123.08 〜 124.21 NYダウ +34.24 → 16,899.32ドル GOLD +11.00 → 1,241.80ドル WTI +0.26 → 34.66ドル 米10年国債 +0.016 → 1.841% 本日の注目イベント
- 豪 豪1月貿易収支
- 欧 ユーロ圏1月小売売上高
- 欧 ユーロ圏2月総合PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏2月サービス業PMI(改定値)
- 英 英2月サービス業PMI
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 2月ISM非製造業景況指数
- 米 10−12月期労働生産性(確定値)
- 米 1月耐久財受注
昨日の東京時間では、株価が終始堅調で一時は700円を超える上昇を見せました。それでもドル円は、114円台に乗せると押し戻され、昨日ここで述べたように、実需のドル売りがかなり持ち込まれたと思われ、上値が抑えられました。しかし海外市場に入ると、株価の上昇を好感したドル買いが活発となり、114円台半ばまで続伸し、NYでは114円56銭近辺までドル高が進行しました。
「114円台半ばから上値は重い」とこの欄で指摘したように、NYでは高値を付けたあと急速にドルが売られています。まだまだ先行きの不透明感が強い状況下では、市場参加者の多くが、115円を大きく超える円安は簡単ではないと予想していることが窺えます。結局114円台半ばで折り返してきたことで、110−115円のレンジの可能性が高まったと見られます。
このところ原油価格が底堅い動きを見せており、昨日は35ドル台前半まで上昇する場面もありました。サウジアラビアを含むOPECとロシアが協議のテーブルに着いたことが、今後の「減産合意」につながるのではないかといった見方が相場を支えていますが、まだそれほど楽観できません。「体力勝負」の状況下で懸念されるのはむしろ、米国のシェールオイル業界です。生産コストが50−60ドルとも言われ、「掘れば掘るほど赤字が膨らむ」状況です。そのため、掘削設備であるリグの数は、ピークの3分の1にまで減少しているとの報告もあります。今後、シェールオイルの資金を拠出しているファンドの破綻なども考えられ、ここをきっかけにドルが売られる場面もないとは言えません。
原油価格の下げ止まりや株価の上昇に加え、米長期金利も昨日は1.84%台まで反発し、ドル円を取り巻く環境は、以前ほど悪くはありません。それでも今の市場は1日でセンチメントが180度変わることも珍しくはありません。ここはレンジ相場だと割り切り、回転を利かすしかなく、大きな利益は見込めないと考えるしかありません。
米大統領候補もどうやら、クリントン候補とトランプ候補に絞られてきました。どちらが大統領になっても、円が売られる可能性は低いとみられ、円高傾向が強まるとの見方が優勢です。二人とも円安が米景気を悪化させているとの論調ですが、これは支持を得るためのリップサービスと考えられます。どちらが大統領になっても、みずからの口で同じ発言をするとは思えません。それでも仮にトランプ氏が大統領に選出されたら、あの歯に衣着せぬ発言は脅威です。既にアメリカの雇用については「中国が米国人の雇用を奪っており、日本が奪っている、日本がだ」と発言しています。同氏が次期大統領になる可能性は低いと見られますが、米国人自身が変わってきているため、何が起こるかわかりません。
本日は引き続き上値は重いと見られますが、株価は大きく崩れないと思われ、下値も底堅いと見ています。予想レンジは113円〜114円20銭程度とします。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 1/6 フィッシャー・FRB副議長 「(年4回の利上げは)だいたい妥当な線」CNBCとのインタビューで。 -------- 1/7 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「この先、想定外のショックがなければ、インフレ率が近い将来に2%に戻っていくと引き続き確信している」講演で。 -------- 1/12 ラガルド・IMF専務理事 「FOMCとECB・日本銀行との間の政策かい離が続けば、ドルはさらに上昇する可能性がある」パリでの会議で。 -------- 1/21 ドラギ・ECB総裁 「状況の変化に応じて政策手段を調整する」3月の理事会での追加緩和を示唆。 ユーロドル1.09台から1.07台に。 2/1 フィッシャー・FRB副議長 「最近の金融市場の混乱や中国を巡る不透明感が米経済にどの程度影響を及ぼすかの判断はあまりにも難しく、米金融政策当局は次の行動を決められない」講演で。 -------- 2/2 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「最近の金融混乱は予期されていたものであり、追加利上げを先延ばしする理由にはならない」講演で。 -------- 2/4 カプラン・ダラス連銀総裁 「不透明な世界見通しが米国の雇用やインフレにおよぼす影響を見極めている」講演で。 -------- 2/10 イエレン・FRB議長 「米経済は拡大が続く」「経済データ次第では利上げのぺースを減速させるのが適当」議会で。 ドル円急落。株安・債券高が急速に進む。 2/12 中曾・日銀副総裁 「必要があれば金融緩和の質・量をさらに拡大することも可能だ」NYでの講演で。 -------- 2/16 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「金融政策がどう展開していくか確実な筋道を示すことはできないが、インフレ関連のデータが力強さを増すまで2回目の利上げを待つことが賢明だと分かるかもしれない」講演で。 -------- 2/16 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「インフレ率目標への回復が遅れれば、金融政策の正常化は急ぐべきでない」講演で。 -------- 2/18 サマーズ・元財務長官 「米金融当局が早期の追加利上げを考え直すことが建設的だ」ブルーム・バーグとのインタビューで。 -------- 2/23 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「現時点では、見通しに基本的な変化があったことをデータが示唆しているとは言えない。3月利上げの可能性は議題に残すべきだ」ブルームバーグラジオとのインタビューで。 --------



