2016年3月10日(木)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 上値の重いドル円は欧州市場で112円23銭まで下落したが、NYでは原油高に反応し113円台を回復。資源国通貨が買われたことで、カナダ円などが上昇しドル円を押し上げた。
- ユーロドルは朝方1.09台半ばまで売られたが、そこから反発し1.10台半ばまで買い戻される。ECBの政策発表前に、ポジション調整もかなり進んだとの声も。
- 株式市場は反発。原油が上昇したことからエネルギー株が買い戻された。ダウは36ドル高く、1万7000ドル台を1日で回復。
- 株価の上昇に債券価格は反落。長期金利は再び1.87%台まで上昇。
- 金は続落。原油価格はガソリン在庫が減少していたことから反発。引け値で38ドル台に乗せる。
ドル/円 112.49 〜 113.45 ユーロ/ドル 1.0946 〜 1.1035 ユーロ/円 123.36 〜 124.89 NYダウ +36.26 → 17,000.36ドル GOLD −5.50 → 1,257.40ドル WTI +1.79 → 38.29ドル 米10年国債 +0.047 → 1.876% 本日の注目イベント
- 中 中国2月消費者物価指数
- 中 中国2月生産者物価指数
- 独 独1月貿易収支
- 独 独1月経常収支
- 欧 ECB金融政策発表
- 欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 2月財政収支
相変わらず原油価格の動向に左右させられる展開です。昨日の夕方には一時112円23銭あたりまで売られたドル円は、今朝は1円ほど反発しており、原油価格の上昇がセンチメントを一変させています。
WTI原油価格は週間在庫統計でガソリン在庫が453万バレル減少したことを好感し、先物が大幅に反発。前日比4.9%高い、38ドル29セントで取引を終えています。この水準は3カ月ぶりの水準で、エネルギー関連株の上昇につながり、これが市場全体の雰囲気を好転させました。
長期金利も上昇し、ドル円は113円45銭近辺まで買い戻されています。また昨日は、資源国通貨が買い戻され、カナダ円や豪ドル円などのクロス円が上昇し、これもドル円を押し上げたと見られます。そのため、円は前日と打って変わって、ほぼ全面安の展開でした。110−115円のレンジ相場に入っている中、今週はさらにレンジが狭められ、112−114円程度の取引が続いています。
ただし本日はECBの政策発表があるため、上記レンジに収まるかどうかは不透明です。ECBの政策発表は21時45分に行われ、その後ドラギ総裁の記者会見が予定さてれています。ドラギ総裁は昨年12月から政策変更の見直しが必要だと繰り返し述べてきました。さすがに今回は「ゼロ回答」はないと思いますが、注目はその変更内容です。現在マイナス0.3%の中銀預金金利をさらにマイナス幅を拡大させることや、市場からの債券購入額の増額などが見込まれています。
一方では、ECB内部でもさらなる量的緩和に反対の立場を取る、ドイツ連銀やオランダ中銀などを説得する必要もあり、「それ程大胆な政策は取りにくい」といった見方もあります。先月26日に上海で行われた「G20]でも、金融政策で自国通貨安に誘導することへの批判的な議論もありました。ここはドラギ総裁がユーロ圏の景気回復とインフレ率を押上げることに専念できるか、注目されます。
本日のECBの政策変更は来週に予定されている日銀とFRBの政策にも影響を与える可能性があります。ブル−ムバーグは「FOMCは後出しジャンケンへ」という見出しで、ECBと日銀の結果次第でFOMCでの金融政策も左右されるとの記事を掲載しています。先週末の雇用統計に見られたように、米労働市場は依然として拡大基調にあります。しかし、ドル高の影響から米国の輸出は減少傾向が続いており、ECBと日銀の政策変更がドル高につながるようなら「利上げを見送る」との観測も、それなりに説得力を持っているように思います。まずはトップバッターのECBの動きに注目したいと思います。
本日のドル円は112円50銭〜114円程度と、ややワイドに予想しています。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 2/1 フィッシャー・FRB副議長 「最近の金融市場の混乱や中国を巡る不透明感が米経済にどの程度影響を及ぼすかの判断はあまりにも難しく、米金融政策当局は次の行動を決められない」講演で。 -------- 2/2 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「最近の金融混乱は予期されていたものであり、追加利上げを先延ばしする理由にはならない」講演で。 -------- 2/4 カプラン・ダラス連銀総裁 「不透明な世界見通しが米国の雇用やインフレにおよぼす影響を見極めている」講演で。 -------- 2/10 イエレン・FRB議長 「米経済は拡大が続く」「経済データ次第では利上げのぺースを減速させるのが適当」議会で。 ドル円急落。株安・債券高が急速に進む。 2/12 中曾・日銀副総裁 「必要があれば金融緩和の質・量をさらに拡大することも可能だ」NYでの講演で。 -------- 2/16 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「金融政策がどう展開していくか確実な筋道を示すことはできないが、インフレ関連のデータが力強さを増すまで2回目の利上げを待つことが賢明だと分かるかもしれない」講演で。 -------- 2/16 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「インフレ率目標への回復が遅れれば、金融政策の正常化は急ぐべきでない」講演で。 -------- 2/18 サマーズ・元財務長官 「米金融当局が早期の追加利上げを考え直すことが建設的だ」ブルーム・バーグとのインタビューで。 -------- 2/23 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「現時点では、見通しに基本的な変化があったことをデータが示唆しているとは言えない。3月利上げの可能性は議題に残すべきだ」ブルームバーグラジオとのインタビューで。 -------- 3/7 黒田・日銀総裁 「今すぐに何かをやるということは考えていない」講演で。 --------



