2016年3月14日(月)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は株高と金利の上昇を背景に底堅く推移したものの114円には届かず、依然として上値の重い展開が続く。
- ユーロドルも堅調に推移。1.11台後半まで買われ、ECBの追加緩和の影響を見極める展開。ユーロ円は約3週間ぶりに127円台に。
- 原油価格が堅調なことから、株価は続伸し、ダウは218ドル高と今年の最高値に迫り、S&P500は最高値を更新。
- 原油高、株高に債券相場は軟調に推移。長期金利は1.98%台まで上昇し、3週連続で下落する。
- 金は反落。原油は66セント上昇し、38ドル台半ばに。
ドル/円 113.34 〜 113.87 ユーロ/ドル 1.1087 〜 1.1193 ユーロ/円 126.14 〜 127.29 NYダウ +218.18 → 17,213.31ドル GOLD −13.40 → 1,259.40ドル WTI +0.66 → 38.50ドル 米10年国債 +0.052 → 1.984% 本日の注目イベント
- 欧 ユーロ圏1月鉱工業生産
原油価格が安定し、これを好感してNY株が続伸しS&P500指数は、ついに今年の最高値を更新して来ました。年初から大きく売られた株価が戻ってきたなかで、年初の水準を確保できていないのがドルと金利です。ドル円は120円からは大きく円高方向で推移しており、ユーロドルも円ほどではないにしろ、ユーロ高に振れています。
ドルが年初の水準に届いていないのは、米国の利上げ観測が後退していることが最大の原因です。今年は4回利上げが見込まれていたものが、足元の金利先物から推計すると1回程度ということになり、これがドルの上値を重くしているためです。今週後半には今年2回目のFOMCが開催され、ここで利上げがあるのかないのかが注目されますが、大方の見方は「利上げ見送り」に傾いています。
米国では依然として労働市場は拡大しており、2月の雇用統計でも雇用者数は予想を上回っていました。またインフレ率も、1月のPCEコアデフレーターは1.7%と、FRBの目指す2%には届いていないものの、じりじりと上昇傾向にあります。この2つを見る限り「利上げ」も視野に入りますが、問題はそれ以外の経済指標が冴えないことで、今回の利上げは見送られるとの観測が高まっています。個人的にはそれ以外にも、原油、中国といった不安定要素がまだ払拭できないことが、もうひとつの大きな理由かと考えています。上で述べたように、原油価格と株価は一時ほどの混乱を見せてはいませんが、ここはまだ「小康状態」と思われます。
米長期金利は年初には2.2%台で推移していました。WTI原油価格が26ドル台を記録した2月11日には、1.65%台まで金利は急低下しました。これは米国債が世界で最も安全な資産の一つであるということと、流動性が高くいつでも売ったり、買ったりできることも、選好される理由の一つです。
また、ECBや日銀など幾つかの国でマイナス金利を導入していることも影響しています。自国の中央銀行に資金を預けたら金利を払わなければならないだけではなく、リスクをとらずに金利を得る手段がなくなっている状況です。そのため、低金利とは言え、金利のつく米国債に資金が向うのは自然なことです。
市場が落ち着きを取り戻し、投資家がリスクを取れるようになれば、さらに株価が上昇し、債券が売られ金利が上昇することになりますが、それにはまだ時間が必要です。少なくとも原油価格が40ドル台を回復する必要があり、50ドル台まで反発するようなら米長期金利も2%台中頃まで上昇している可能性があります。
今週は、上記FOMCの前に日銀の金融政策決定会合もあります。先週のECB同様、これらの会合結果を受けて市場が混乱するのは必至でしょう。ドル円では110−115円のレンジが、どちらに抜けるのかを見極めることになります。本日のドル円は113円〜114円30銭程度を予想します。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 2/1 フィッシャー・FRB副議長 「最近の金融市場の混乱や中国を巡る不透明感が米経済にどの程度影響を及ぼすかの判断はあまりにも難しく、米金融政策当局は次の行動を決められない」講演で。 -------- 2/2 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「最近の金融混乱は予期されていたものであり、追加利上げを先延ばしする理由にはならない」講演で。 -------- 2/4 カプラン・ダラス連銀総裁 「不透明な世界見通しが米国の雇用やインフレにおよぼす影響を見極めている」講演で。 -------- 2/10 イエレン・FRB議長 「米経済は拡大が続く」「経済データ次第では利上げのぺースを減速させるのが適当」議会で。 ドル円急落。株安・債券高が急速に進む。 2/12 中曾・日銀副総裁 「必要があれば金融緩和の質・量をさらに拡大することも可能だ」NYでの講演で。 -------- 2/16 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「金融政策がどう展開していくか確実な筋道を示すことはできないが、インフレ関連のデータが力強さを増すまで2回目の利上げを待つことが賢明だと分かるかもしれない」講演で。 -------- 2/16 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「インフレ率目標への回復が遅れれば、金融政策の正常化は急ぐべきでない」講演で。 -------- 2/18 サマーズ・元財務長官 「米金融当局が早期の追加利上げを考え直すことが建設的だ」ブルーム・バーグとのインタビューで。 -------- 2/23 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「現時点では、見通しに基本的な変化があったことをデータが示唆しているとは言えない。3月利上げの可能性は議題に残すべきだ」ブルームバーグラジオとのインタビューで。 -------- 3/7 黒田・日銀総裁 「今すぐに何かをやるということは考えていない」講演で。 -------- 3/10 ドラギ・ECB総裁 「一段の利下げが必要だとは考えていない」政変変更後の記者会見で。 ユーロドル1.08台前半から1.12台まで急騰



