2016年3月16日(水)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は日銀が金融政策据え置きを決めたことで円が買われ、NYでは112円63銭まで円高が進む。NY連銀製造業景況指数が予想を上回ったことを好感し、113円台まで反発して引ける。
- ユーロドルは方向感がなく、1.1を挟んでのもみ合い。
- 株式市場は経済指標と原油価格の動きに上下したものの、ダウは小幅ながら3日続伸。ナスダックとS&P500は軟調。
- 債券相場は反落。2年債が売られ金利が上昇したことにつられ、長期金利も小幅に上昇。
- 金は3日続落し1231ドルに。原油も売られ36ドル台に。
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2月小売売上高 → −0.1%
2月生産者物価指数 → −0.2%
3月NY連銀製造業景気指数 → 0.62
3月NAHB住宅市場指数 → 58
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ドル/円 112.63 〜 113.19 ユーロ/ドル 1.1081 〜 1.1125 ユーロ/円 125.09 〜 125.72 NYダウ +22.40 → 17,251.53ドル GOLD −14.10 → 1,231.00ドル WTI −0.84 → 36.34ドル 米10年国債 +0.011 → 1.970% 本日の注目イベント
- 中 中国 全人代閉幕
- 英 英2月雇用統計
- 米 FOMC 政策金利発表
- 米 イエレン議長記者会見
- 米 2月住宅着工件数
- 米 2月建設許可件数
- 米 2月消費者物価指数
- 米 2月鉱工業生産
日銀は予想通り現行の金融政策維持を決め、黒田総裁は必要なら追加緩和も辞さないと、これまでの発言を繰り返していました。市場は政策変更なしを予想していたものの、昼過ぎからドルがジリジリと売られ、夕方の記者会見が始まると113円台前半まで円が買われ、「変更なしはドル売り」で反応しました。
海外市場でもこの流れを受け、欧州では112円台後半までドルが売られ、NYでは原油価格が続落したこともあり、112円63銭までドル安が進む場面もありました。ただそれでも一方方向への勢いがないのが今の相場展開です。その後は経済指標の上振れもあり、113円台に戻し本日のFOMCを待つ姿勢を強めています。
原油価格は2日続落し40ドルには届かず反落しましたが、それでも36ドル台で推移し、一時ほどの悲観的な見方は後退しています。また株式市場も、NYダウは小幅ながら連日で今年の最高値を更新している状況です。こちらも一時の「総弱気相場」からは抜け出ています。
さらにもう一つの懸念材料だった中国景気も、全人代では6.5〜7%の経済成長を目指すとし、交通インフラに34兆円もの資金を投入することが確認され、中国リスクはやや後退しています。このように、全体を見渡せば極端な「リスクオフ」からは抜け出た印象です。マイナス金利導入後、イールドカーブは低下し、10年もの金利までマイナスに転じていることを考えると、もう少し円安に振れてもおかしくはない状況です。
黒田総裁も昨日の記者会見では「貸し出し金利や住宅金利が下がっており、金利面では効果が出ている」と、マイナス金利の効果をアピールしていましたが、もう一つ想定されていた、円安効果は見られません。円から大量の資金シフトが起こり、その資金が外貨や株式市場に流れ込むという現象は、今のところ見られません。このことについて総裁は「効果が表れるには時間がかかる」と述べ、いずれは資金シフトが起きるとの考えを維持しています。
ユーロドルは、先週のECBの追加緩和で一旦ユーロが買い戻されましたが、それでも上値は徐々に重くなっており、昨年12月の動きに似てきました。一方ドル円は膠着感を強め、112−114円台半ばでのレンジが定着しそうな雰囲気です。明日明け方のFOMCに期待したいところですが、ここが無風で終えるようだと、さらに膠着感が強まるおそれもあります。
そのFOMCは明け方3時に政策発表があり、その後にイエレン議長の記者会見が予定されています。利上げは見送られるとの予想が支配的ですが、極めて低い確率ですが、万が一に備えて利上げも頭の片隅には意識しておく必要はあります。利上げが見送られた後のイエレン議長の発言内容が注目されます。
議長は「米景気は底堅く推移しているものの、不安定な外部環境を考慮して利上げを見送った」という趣旨のコメントを残すのではないかと予想しています。予想レンジは112円50銭〜114円程度と見ています。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 2/1 フィッシャー・FRB副議長 「最近の金融市場の混乱や中国を巡る不透明感が米経済にどの程度影響を及ぼすかの判断はあまりにも難しく、米金融政策当局は次の行動を決められない」講演で。 -------- 2/2 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「最近の金融混乱は予期されていたものであり、追加利上げを先延ばしする理由にはならない」講演で。 -------- 2/4 カプラン・ダラス連銀総裁 「不透明な世界見通しが米国の雇用やインフレにおよぼす影響を見極めている」講演で。 -------- 2/10 イエレン・FRB議長 「米経済は拡大が続く」「経済データ次第では利上げのぺースを減速させるのが適当」議会で。 ドル円急落。株安・債券高が急速に進む。 2/12 中曾・日銀副総裁 「必要があれば金融緩和の質・量をさらに拡大することも可能だ」NYでの講演で。 -------- 2/16 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「金融政策がどう展開していくか確実な筋道を示すことはできないが、インフレ関連のデータが力強さを増すまで2回目の利上げを待つことが賢明だと分かるかもしれない」講演で。 -------- 2/16 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「インフレ率目標への回復が遅れれば、金融政策の正常化は急ぐべきでない」講演で。 -------- 2/18 サマーズ・元財務長官 「米金融当局が早期の追加利上げを考え直すことが建設的だ」ブルーム・バーグとのインタビューで。 -------- 2/23 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「現時点では、見通しに基本的な変化があったことをデータが示唆しているとは言えない。3月利上げの可能性は議題に残すべきだ」ブルームバーグラジオとのインタビューで。 -------- 3/7 黒田・日銀総裁 「今すぐに何かをやるということは考えていない」講演で。 -------- 3/10 ドラギ・ECB総裁 「一段の利下げが必要だとは考えていない」政変変更後の記者会見で。 ユーロドル1.08台前半から1.12台まで急騰



