今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年3月18日(金)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はFOMC後のドル売りの流れがさらに加速し、一時110円67銭を記録。急激な円高が進んだことで、日銀による「レートチェック」の噂も出て、112円近辺まで値を戻したが、再び売りに押され、111円30−40銭で引ける。
  • ドル安の流れが加速し、ユーロドルは1カ月ぶりに1.13台半ばまで買われ、ECBの追加緩和以前の水準に戻る。
  • 利上げ回数が減少するとの見方を背景に株価は大幅に続伸。ダウは155ドル上昇し、1万7481ドル台まで上昇。年初からの下げ幅を全て埋めた格好。
  • 債券相場も続伸。FOMCの声明文の効果もあり、長期金利は1.9%台を割り込む。
  • ドルが売られたことから、金は35ドルを超える大幅高。原油も大幅に続伸し、引け値で12月以来の40ドル台回復。

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    新規失業保険申請件数   → 26.5万件
    3月フィラデルフィア連銀景況指数→ 12.4
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    ドル/円 110.67 〜 112.00
    ユーロ/ドル 1.1277 〜 1.1347
    ユーロ/円 125.33 〜 126.50
    NYダウ +155.73 → 17,481.49ドル
    GOLD +35.20 → 1,265.00ドル
    WTI +1.74 → 40.20ドル
    米10年国債 −0.012 → 1.896%

    本日の注目イベント

    • 日  日銀金融政策決定会合、議事要旨(1月28日、29日分)
    • 独  独2月生産者物価指数
    • 米  3月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
    • 米  ダドリー・NY連銀総裁講演
    • 米  グアテマラ・ボストン連銀総裁講演
    • 米  ブラード・セントルイス連銀総裁講演
    • 加  カナダ1月小売売上高
    • 加  カナダ2月消費者物価指数

    FOMC声明文前には113円82銭まで上昇していたドル円は、米利上げの回数が下方修正されたことからドル売りが進み、昨日のNYではついに111円を割り込み、一時は110円67銭まで急落しました。ドルは、ユーロやポンドなど主要通貨に対しても下落しており、「ドル全面安」の展開です。

    一方で、金利は当面上がらないとの見方を背景に株価は大幅に上昇し、ダウは昨年12月の水準を回復しています。WTI原油価格が、今年初めて引け値で40ドル台を回復し、エネルギー株が急反発しています。加えて、足元ではドル安が進んでいることから、グローバル企業を中心に業績の急回復も想定され、これらが株価を押し上げている状況です。

    NY株式市場が年初来高値に沸いているにもかかわらず、日経平均株価は伸び悩んでいます。まだ昨年の最高値からは3000円以上も低い水準で推移しています。これは円高がネックになっていることは明らかです。株価上昇のためには、2017年4月からの消費税率引き上げを一旦「凍結」し、さらに大規模な景気刺激策の導入が不可欠です。

    ドル円の110円台半ばというのは、2014年10月下旬以来の水準です。2014年10月といえば、月末に日銀が「追加緩和」を決定し、市場に大きな「サプライズ」を与えた月です。つまり、昨日のドル円の水準は「追加緩和」直後の水準に戻ったことになります。株価の方はそこまで下げてはいませんが低迷しており、「アベノミクス」の終焉がささやかれる根拠になっています。

    昨日のNYでは110円67銭をつけたあと、112円ちょうどまで急速に反発しました。日銀が「レートチェックをしている」という噂が流れて、ドルの買い戻しを誘発したものですが、これが事実かどうかは分かっていません。ただ110円という水準は非常に重要な水準で、ここを下抜けするようだと一気に105円方向を目指す可能性があります。その水準までドル安が進むと、国内の多くの輸出企業の業績を下押しします。株価もさらに下がり、円高のため輸入物価が下がり、2%の物価上昇どころか再びデフレへと戻ることにもなります。日銀が「市場介入」という伝家の宝刀を抜かなければならなくなるのも頷けます。

    本日もドル円は海外の流れを受け、110円台を覗きに行く展開が予想されます。もしそうなった場合、果たして「レートチェック」があるのかどうか、見守りたいと思います。予想レンジは110円50銭〜112円程度にしたいと思います。

    世界有数の富豪で、著名投資家のウォーレン・バフェット氏は、投資する際の金額も大きいがさすがに、やることも大きいようです。愛読経済紙の「ウォール街・ラウンドアップ」が伝えるところによると、今、全米代表の68大学のバスケットチームがトーナメントを行い「全米NO.1」を競っているそうです。バフェットは自身が引きいるバークシャー・ハザウェーと、その関連会社の従業員約30万人を対象に、「ベスト16」を正確に当てたら賞金を出すそうです。その額、何と100万ドル(約1億1千万円)です。しかも、その額を終身出すとか・・・。やることが桁違いです。良い週末を・・・・・。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    2/1 フィッシャー・FRB副議長 「最近の金融市場の混乱や中国を巡る不透明感が米経済にどの程度影響を及ぼすかの判断はあまりにも難しく、米金融政策当局は次の行動を決められない」講演で。 --------
    2/2 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「最近の金融混乱は予期されていたものであり、追加利上げを先延ばしする理由にはならない」講演で。 --------
    2/4 カプラン・ダラス連銀総裁 「不透明な世界見通しが米国の雇用やインフレにおよぼす影響を見極めている」講演で。 --------
    2/10 イエレン・FRB議長 「米経済は拡大が続く」「経済データ次第では利上げのぺースを減速させるのが適当」議会で。 ドル円急落。株安・債券高が急速に進む。
    2/12 中曾・日銀副総裁 「必要があれば金融緩和の質・量をさらに拡大することも可能だ」NYでの講演で。 --------
    2/16 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「金融政策がどう展開していくか確実な筋道を示すことはできないが、インフレ関連のデータが力強さを増すまで2回目の利上げを待つことが賢明だと分かるかもしれない」講演で。 --------
    2/16 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「インフレ率目標への回復が遅れれば、金融政策の正常化は急ぐべきでない」講演で。 --------
    2/18 サマーズ・元財務長官 「米金融当局が早期の追加利上げを考え直すことが建設的だ」ブルーム・バーグとのインタビューで。 --------
    2/23 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「現時点では、見通しに基本的な変化があったことをデータが示唆しているとは言えない。3月利上げの可能性は議題に残すべきだ」ブルームバーグラジオとのインタビューで。 --------
    3/7 黒田・日銀総裁 「今すぐに何かをやるということは考えていない」講演で。 --------
    3/10 ドラギ・ECB総裁 「一段の利下げが必要だとは考えていない」政変変更後の記者会見で。 ユーロドル1.08台前半から1.12台まで急騰
    3/16 FOMC声明文 「金融政策スタンスの漸進的調整により経済活動が緩やかなペースで拡大し、労働市場の指標は力強さを増し続けると見込んでいる。ただし、世界の経済・金融情勢が引き続きリスクをもたらしている」 ドル円113円80銭辺りから → 112円台前半に
    3/16 スティグリッツ・コロンビア大学教授 「日銀の金融政策だけでは限界がある。次に財政政策をとることが重要だ」国際金融経済分析会合で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和