今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年3月23日(水)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はベルギーの首都ブリュッセルで連続テロがあったことから円買いが進み、111円台前半までドルが売られる。その後は連銀総裁の利上げに前向きな発言が伝わったことから買い戻しが入り、112円49銭までドルが反発。
  • ベルギーのテロでユーロが続落。ユーロドルは1.12近辺まで売られる。EUからの離脱の機運がさらに高まるとの観測からポンドも下落。
  • 株式市場は8日ぶりに反落。ベルギーでのテロに米国でも警戒感が強まり、ダウは41ドル安。輸送関連株が大きく売られた。
  • 債券相場はハト派のシカゴ連銀総裁が、利上げに前向きな発言をしたことが逆風となり下落。長期金利は1.94%台まで上昇。
  • 金は小動き。原油も小幅に反落。

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    1月FHFA住宅価格指数   → +0.5%
    3月リッチモンド連銀製造業指数 → 22
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    ドル/円 111.55 〜 112.49
    ユーロ/ドル 1.1201 〜 1.1239
    ユーロ/円 125.02 〜 126.13
    NYダウ −41.30 → 17,582.57ドル
    GOLD +0.05 → 1,248.30ドル
    WTI −0.07 → 41.45ドル
    米10年国債 +0.024 → 1.940%

    本日の注目イベント

    • 欧  ユーロ圏3月消費者信頼感(速報値)
    • 米  2月新築住宅販売件数

    ベルギーの首都ブリュッセルで空港や地下鉄駅で爆発があり、30人以上の人が犠牲になりました。ブリュッセルは欧州の中心で、ハブ空港の役割もあり、EU本部など重要な国際機関も多くあります。イギリスや、フランス、それにベルギーやトルコなど、欧州のテロに対するリスクは相当高まっていると思われます。5月にサミットを開催する日本も例外ではなく、厳重なテロ対策が求められますが、自爆テロを事前に防ぐ手段はなかなか難しいようです。

    ドル円はテロの報道に、一時111円38銭まで円買いドル売りが進みました。ユーロが売られ、さらにテロの影響からEUからの離脱の可能性が高まるとの見方からポンドも売られました。ヨーロッパ全体の地政学的リスクが高まっていると言えます。

    ドル円は下値を試しましたが、その後は112円台半ばまで反発しています。ハト派で知られるシカゴ連銀のエバンス総裁は講演で、「今年の米経済成長率を2−2.5%と予想し、ファンダメンタルズが非常に良好な状態にある」と発言しました。また、労働市場の一層の改善や賃金のさらなる上昇で、インフレ率も当局が目標とする2%に向って加速するとの認識も示しました。(ブルームバーグ)

    先週のFOMCでは利上げが見送られましたが、その点に関しても「3月の金利変更見送りは、2016年の経済:金融リスクが利上げを開始した昨年12月よりも幾分高いように見えることが論拠だ」と指摘しています。サンフランシスコ連銀のウイリアムズ総裁、アトランタ連銀のロックハート総裁に続き、エバンス総裁も利上げに前向きな姿勢を見せたことで、これまでノーマークだった4月のFOMCが俄然注目を集める状況になってきました。

    このままでいくと米利上げは、「あっても年内1回」と予想している市場の見方はやや悲観的すぎるということになりますが、これら一連の発言で、今後の経済指標次第では「4月利上げ」が現実味を帯びてくることにもなります。それは、ドルにとっての追い風となり、115円に向ってドル円が上昇するきっかけにもなり得ます。今のところ連銀総裁の発言は、弱気すぎる市場の見方をけん制する意味合いもあると思われますが、110円を割り込むと円高が加速するという相場観が広がっている中で、ドルのサポート要因になるかもしれません。

    本日は材料的には特段相場を大きく動かすものはありませんが、欧州時間に入ったら一応注意が必要です。予想レンジは111円70銭〜112円70銭程度と、昨日と変わりません。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    2/1 フィッシャー・FRB副議長 「最近の金融市場の混乱や中国を巡る不透明感が米経済にどの程度影響を及ぼすかの判断はあまりにも難しく、米金融政策当局は次の行動を決められない」講演で。 --------
    2/2 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「最近の金融混乱は予期されていたものであり、追加利上げを先延ばしする理由にはならない」講演で。 --------
    2/4 カプラン・ダラス連銀総裁 「不透明な世界見通しが米国の雇用やインフレにおよぼす影響を見極めている」講演で。 --------
    2/10 イエレン・FRB議長 「米経済は拡大が続く」「経済データ次第では利上げのぺースを減速させるのが適当」議会で。 ドル円急落。株安・債券高が急速に進む。
    2/12 中曾・日銀副総裁 「必要があれば金融緩和の質・量をさらに拡大することも可能だ」NYでの講演で。 --------
    2/16 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「金融政策がどう展開していくか確実な筋道を示すことはできないが、インフレ関連のデータが力強さを増すまで2回目の利上げを待つことが賢明だと分かるかもしれない」講演で。 --------
    2/16 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「インフレ率目標への回復が遅れれば、金融政策の正常化は急ぐべきでない」講演で。 --------
    2/18 サマーズ・元財務長官 「米金融当局が早期の追加利上げを考え直すことが建設的だ」ブルーム・バーグとのインタビューで。 --------
    2/23 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「現時点では、見通しに基本的な変化があったことをデータが示唆しているとは言えない。3月利上げの可能性は議題に残すべきだ」ブルームバーグラジオとのインタビューで。 --------
    3/7 黒田・日銀総裁 「今すぐに何かをやるということは考えていない」講演で。 --------
    3/10 ドラギ・ECB総裁 「一段の利下げが必要だとは考えていない」政変変更後の記者会見で。 ユーロドル1.08台前半から1.12台まで急騰
    3/16 FOMC声明文 「金融政策スタンスの漸進的調整により経済活動が緩やかなペースで拡大し、労働市場の指標は力強さを増し続けると見込んでいる。ただし、世界の経済・金融情勢が引き続きリスクをもたらしている」 ドル円113円80銭辺りから → 112円台前半に
    3/16 スティグリッツ・コロンビア大学教授 「日銀の金融政策だけでは限界がある。次に財政政策をとることが重要だ」国際金融経済分析会合で。 --------
    3/21 ロックハ−ト・アトランタ連銀総裁 「早ければ4月末に予定されている会合も含め、今後の会合での追加措置を正当化するだけの勢いが景気にある。その勢いは経済データが裏付けている」講演で。 ドル円111円台半ばから後半へ
    3/22 エバンス・シカゴ連銀総裁 「今年の米経済成長率を2−2.5%と予想し、ファンダメンタルズが非常に良好な状態にある」講演で。 ドル円111円台半ばから112円台半ばへ上昇
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和