2016年3月24日(木)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は112円90銭まで上昇。セントルイス連銀総裁が4月利上げの可能性に言及したことが背景。ただその後は米長期金利の低下や原油価格の下落にドル売りが優勢となり、112円34銭までドル安が進み、この日の安値圏で取引を終える。
- ドル高が進んだことでユーロドルも下落、1.12台を割り込み、1.11台半ばまでユーロ安が進行。
- 株式市場は続落。原油価格の下落がひびき、エネルギー株を中心に売られる。ダウは79ドル安く、その他の株価指数も揃って下落。
- 原油安、株安から債券相場は反発。価格は上昇し、利回りは1.87%台まで低下。
- 金は続伸。原油価格は輸入量が増え、在庫も増加していたことで大幅に下落。
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2月新築住宅販売件数 → 51.2万件
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ドル/円 112.34 〜 112.90 ユーロ/ドル 1.1160 〜 1.1196 ユーロ/円 125.59 〜 126.25 NYダウ −79.98 → 17,502.59ドル GOLD +2.76 → 1,222.02ドル WTI −1.66 → 39.79ドル 米10年国債 −0.061 → 1.879% 本日の注目イベント
- 欧 ユーロ圏3月総合PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏3月製造業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏3月サービス業PMI(速報値)
- 欧 ECB経済報告
- 英 英2月小売売上高
- 米 債券短縮取引
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 2月耐久財受注
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
昨日のNY市場ではドル円が112円90銭近辺まで買われ、約1週間ぶりの高値を付けています。FOMCメンバーによる4月利上げの可能性を示唆する発言が相次いでおり、市場に「もしかしたら」という見方が強まってきたことが背景です。昨日は、セントルイス連銀のブラード総裁の発言がきっけでした。
ブラード総裁はブルームバーグとのインタビューで、「雇用統計では力強い内容があらためて示され、労働市場は改善しつつあると見受けられる。4月利上げを支持する論拠といえそうだ」と述べています。また、「最終的にインフレ率は目標を上回り、失業率は自然失業率を下回りそうだ」、「FOMCはのちのち、より早いペースでの利上げを余儀なくされる可能性がある」とも述べています。
今週は、サンフランシスコ連銀総裁や、アトランタ連銀総裁も同様な発言を行っており、ハト派のシカゴ連銀総裁までもが、米景気の良好さに言及しています。4月のFOMCはイエレン議長の記者会見が予定されていないため、これまでの例では「政策変更」は実施されにくいことが分かっており、「無風」だと予想されていました。「今後の経済指標次第」との条件はつくものの、4月利上げの可能性がにわかに浮上してきました。
ドル円は113円目前の水準まで買われましたが、勢いは感じられません。4月利上げの可能性が浮上してきたとはいえ、まだ115円を試す展開でもありません。背景には、原油価格は下げたとはいえ40ドルを若干下回った水準で、2月に比べれば高水準です。米長期金利も1.7%台で推移していたころと比べ、足元では1.8%台後半です。ドル円の重石となっているのが、日経平均株価の低迷に一因があるように思えます。
もっとも、これは株式関係の人に言わせると、「ドル円が戻さないから株が上がらない」、「株価が上昇しないのは円高が原因だ」と声を揃えて言います。どちらが先なのかは判断が難しいところですが、両者が強い相関関係にあることは確かです。2013年からはアベノミクスで、ドル高株高が急速に進みましたが、そのアベノミクスにかつての輝きがなくなり、期待値も低下していることにも関係がありそうです。110ー115円のレンジがどちらも抜けきれない展開が続いています。
ユーロドルは今月10日にECBが追加緩和を実施し、その後のドラギ総裁の発言をきっかけに買い戻しが進み、1.13台半ばまで上昇しましたが、再びユーロがじわじわと下落に転じてきました。この動きは昨年12月のECB理事会後の動きと全く同じです。ドラギ総裁の口先介入でユーロ安が進み、ユーロショートがある程度積み上がったところでECB理事会を迎え、その後失望から急速に買い戻され、再び時間をかけながら下げて来るという展開です。これは長い目で見れば、昨年1年を通じても同じような展開だったと言えます。
ドル円は4月利上げの可能性が浮上したことで110円割れのリスクがやや後退したと見られますが、まだ確信は持てません。原油価格や中国のリスクは潜在的に残っており、こちらが大きく変動すれば110円を試しに行くことはそう難しいことでもありません。ここは、レンジ相場が続いていると認識し、レンジを外れた際にはその方向に追随するしかありません。本日の予想レンジは111円80銭〜113円程度とします。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 2/1 フィッシャー・FRB副議長 「最近の金融市場の混乱や中国を巡る不透明感が米経済にどの程度影響を及ぼすかの判断はあまりにも難しく、米金融政策当局は次の行動を決められない」講演で。 -------- 2/2 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「最近の金融混乱は予期されていたものであり、追加利上げを先延ばしする理由にはならない」講演で。 -------- 2/4 カプラン・ダラス連銀総裁 「不透明な世界見通しが米国の雇用やインフレにおよぼす影響を見極めている」講演で。 -------- 2/10 イエレン・FRB議長 「米経済は拡大が続く」「経済データ次第では利上げのぺースを減速させるのが適当」議会で。 ドル円急落。株安・債券高が急速に進む。 2/12 中曾・日銀副総裁 「必要があれば金融緩和の質・量をさらに拡大することも可能だ」NYでの講演で。 -------- 2/16 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「金融政策がどう展開していくか確実な筋道を示すことはできないが、インフレ関連のデータが力強さを増すまで2回目の利上げを待つことが賢明だと分かるかもしれない」講演で。 -------- 2/16 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「インフレ率目標への回復が遅れれば、金融政策の正常化は急ぐべきでない」講演で。 -------- 2/18 サマーズ・元財務長官 「米金融当局が早期の追加利上げを考え直すことが建設的だ」ブルーム・バーグとのインタビューで。 -------- 2/23 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「現時点では、見通しに基本的な変化があったことをデータが示唆しているとは言えない。3月利上げの可能性は議題に残すべきだ」ブルームバーグラジオとのインタビューで。 -------- 3/7 黒田・日銀総裁 「今すぐに何かをやるということは考えていない」講演で。 -------- 3/10 ドラギ・ECB総裁 「一段の利下げが必要だとは考えていない」政変変更後の記者会見で。 ユーロドル1.08台前半から1.12台まで急騰 3/16 FOMC声明文 「金融政策スタンスの漸進的調整により経済活動が緩やかなペースで拡大し、労働市場の指標は力強さを増し続けると見込んでいる。ただし、世界の経済・金融情勢が引き続きリスクをもたらしている」 ドル円113円80銭辺りから → 112円台前半に 3/16 スティグリッツ・コロンビア大学教授 「日銀の金融政策だけでは限界がある。次に財政政策をとることが重要だ」国際金融経済分析会合で。 -------- 3/21 ロックハ−ト・アトランタ連銀総裁 「早ければ4月末に予定されている会合も含め、今後の会合での追加措置を正当化するだけの勢いが景気にある。その勢いは経済データが裏付けている」講演で。 ドル円111円台半ばから後半へ 3/22 エバンス・シカゴ連銀総裁 「今年の米経済成長率を2−2.5%と予想し、ファンダメンタルズが非常に良好な状態にある」講演で。 ドル円111円台半ばから112円台半ばへ上昇 3/23 ブラード・セントルイス連銀総裁 「雇用統計では力強い内容があらためて示され、労働市場は改善しつつあると見受けられる。4月利上げを支持する論拠といえそうだ」ブルームバーグとのインタビューで。 ドル円112円台後半へ上昇



