今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年3月25日(金)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は東京市場の夕方に113円まで買われる場面もあったが、NYでは経済指標の悪化に112円台前半まで押される。その後ドルは連銀総裁の発言に再び112円90銭まで反発し、高値圏で引ける。
  • ユーロドルは1.11台半ば近辺でのもみ合い。グッドフライデー前と言うこともあり取引は低調。
  • 株式市場はまちまちながら前日とほぼ同水準。ダウとナスダックは小幅に上昇し、S&P500は続落。
  • 債券相場は反落。4月利上げの可能性が浮上してきたことを材料に売られる。長期金利は1.90%に。
  • 金は小幅に上昇。原油は在庫増が引き続き材料視され続落。

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    新規失業保険申請件数 → 26.5万件
    2月耐久財受注  → −2.8%
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    ドル/円 112.37 〜 112.90
    ユーロ/ドル 1.1149 〜 1.1186
    ユーロ/円 125.38 〜 126.18
    NYダウ +13.14 → 17,515.73ドル
    GOLD +0.26 → 1,217.08ドル
    WTI −0.33 → 39.46ドル
    米10年国債 +0.021 → 1.900%

    本日の注目イベント

    • 日  2月消費者物価指数
    • 英  ロンドン市場休場(グッドフライデー)
    • 米  NY市場休場(グッドフライデー)
    • 米  10−12月GDP(確定値)

    ドル円は昨日の夕方113円まで上昇する場面がありましたが、今回も勢いはなく、NYでは耐久財受注が悪化していたこともあり、112円37銭まで落とされました。その後連銀総裁の発言や長期金利の上昇を手がかりに再び112円台後半までドル高が進んでいます。110円割れのリスクはやや後退しているものの、上値を追う展開でもありません。翌日は主要欧米市場が休みということもあり、ポジション調整に終始した印象です。

    このところ連銀総裁の「タカ派的」発言が相次いでいますが、昨日もセントルイス連銀のブラード総裁の発言を受けて市場は上下しました。ブラード総裁はNYの講演で「3月の経済予測での比較的小幅な下方修正は、景気動向が予想通りに展開した場合に次回利上げがはるか遠くではないことを示唆している」と発言し、4月のFOMCでの利上げもあり得るとの認識を示しました。

    同総裁はまた、見通しやデータに変化がない場合、「計画通りに行動を遂行しないのは金融政策当局としての信用を損なう恐れがある」とも述べています。(ブルームバーグ)これでサンフランシスコ連銀総裁に始まり、4地区連銀総裁が利上げに前向きな発言を行い、中にはハト派の代表格であるシカゴ連銀のエバンス総裁も含まれています。一連の発言は、市場の利上げに対する悲観的な見方を修正しようとしているように見られ、米景気に対する自信の表れととることもできそうです。

    ドル円は「日足」では5日連続で陽線を見せており、これは昨年11月以来のことです。依然として114円台半ばから115円にかけてはドル売り意欲が強いと思われます。短期的な動きを表す「4時間足」までは雲抜けを完成させてはいますが、現在は「8時間足」の雲の下限で上昇を抑えられている状況です。レンジ内での取引が続いており、まだ明確な方向性は見えません。従って下げたところを拾って、じっくり待つ相場展開でもありません。ここはレンジ相場だと割り切り、確実に利益を積み上げていくほかありません。

    本日は市場参加者が減少し、流動性が低下するなか、米GDP確報値が発表されます。大きな値動きにはならないと思いますが、注意は必要です。予想レンジは112円20銭〜113円20銭程度とみます。

    今年も世界中でM&Aが活発です。先週も米ホテル大手マリオットがシェラトンなどを傘下に持つスターウッドを買収したばかりです。米国には、この買収劇を読んで資金を投資するファンドがあります。ブリジストンが米ペップボーイを買収した時もそうでしたが、競争相手が表れると、どちらかが諦めるまで買収価格が上昇します。買収価格が最終的にいくらで決着するか、独自に予測し、被買収企業の株を買うのです。「M&Aアービトラージ」という手法だそうです。あらゆる商行為を投資対象にしてしまうファンドもすごいですが、そのファンドに投資する「ファンド・オブ・ファンズ」もあります。よい週末を・・・・・。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    2/1 フィッシャー・FRB副議長 「最近の金融市場の混乱や中国を巡る不透明感が米経済にどの程度影響を及ぼすかの判断はあまりにも難しく、米金融政策当局は次の行動を決められない」講演で。 --------
    2/2 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「最近の金融混乱は予期されていたものであり、追加利上げを先延ばしする理由にはならない」講演で。 --------
    2/4 カプラン・ダラス連銀総裁 「不透明な世界見通しが米国の雇用やインフレにおよぼす影響を見極めている」講演で。 --------
    2/10 イエレン・FRB議長 「米経済は拡大が続く」「経済データ次第では利上げのぺースを減速させるのが適当」議会で。 ドル円急落。株安・債券高が急速に進む。
    2/12 中曾・日銀副総裁 「必要があれば金融緩和の質・量をさらに拡大することも可能だ」NYでの講演で。 --------
    2/16 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「金融政策がどう展開していくか確実な筋道を示すことはできないが、インフレ関連のデータが力強さを増すまで2回目の利上げを待つことが賢明だと分かるかもしれない」講演で。 --------
    2/16 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「インフレ率目標への回復が遅れれば、金融政策の正常化は急ぐべきでない」講演で。 --------
    2/18 サマーズ・元財務長官 「米金融当局が早期の追加利上げを考え直すことが建設的だ」ブルーム・バーグとのインタビューで。 --------
    2/23 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「現時点では、見通しに基本的な変化があったことをデータが示唆しているとは言えない。3月利上げの可能性は議題に残すべきだ」ブルームバーグラジオとのインタビューで。 --------
    3/7 黒田・日銀総裁 「今すぐに何かをやるということは考えていない」講演で。 --------
    3/10 ドラギ・ECB総裁 「一段の利下げが必要だとは考えていない」政変変更後の記者会見で。 ユーロドル1.08台前半から1.12台まで急騰
    3/16 FOMC声明文 「金融政策スタンスの漸進的調整により経済活動が緩やかなペースで拡大し、労働市場の指標は力強さを増し続けると見込んでいる。ただし、世界の経済・金融情勢が引き続きリスクをもたらしている」 ドル円113円80銭辺りから → 112円台前半に
    3/16 スティグリッツ・コロンビア大学教授 「日銀の金融政策だけでは限界がある。次に財政政策をとることが重要だ」国際金融経済分析会合で。 --------
    3/21 ロックハ−ト・アトランタ連銀総裁 「早ければ4月末に予定されている会合も含め、今後の会合での追加措置を正当化するだけの勢いが景気にある。その勢いは経済データが裏付けている」講演で。 ドル円111円台半ばから後半へ
    3/22 エバンス・シカゴ連銀総裁 「今年の米経済成長率を2−2.5%と予想し、ファンダメンタルズが非常に良好な状態にある」講演で。 ドル円111円台半ばから112円台半ばへ上昇
    3/23 ブラード・セントルイス連銀総裁 「雇用統計では力強い内容があらためて示され、労働市場は改善しつつあると見受けられる。4月利上げを支持する論拠といえそうだ」ブルームバーグとのインタビューで。 ドル円112円台後半へ上昇
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和