2016年3月31日(木)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 前日のイエレン発言の影響が残り、ドル円は夕方には112円近辺まで下落。NYでは112円前半から半ばで推移し、動意に乏しかった。
- ユーロドルは続伸。米利上げペースがさらに遅くなるとの見方からドル売り、ユーロ買いが優勢となり1.1365まで上昇。
- 株式市場は続伸。4月利上げの可能性が低下し、株式には買い安心感が広がる。ダウは4日続伸し、1万7700ドル台を回復。
- 債券相場は30年債を中心に反落。明日の雇用統計を前に、取引は盛り上がらず。長期金利は小幅に上昇し1.82%台に。
- 金は反落。原油は朝方は売られたが小幅に反発して引ける。
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3月ADP雇用者数 → 20.0万人
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ドル/円 112.35 〜 112.67 ユーロ/ドル 1.1301 〜 1.1365 ユーロ/円 127.31 〜 127.82 NYダウ +83.55 → 17,716.66ドル GOLD −8.90 → 1,228.60ドル WTI +0.04 → 38.32ドル 米10年国債 +0.023 → 1.827% 本日の注目イベント
- 独 独2月小売売上高
- 独 独3月雇用統計
- 欧 ユーロ圏3月消費者物価指数(速報値)
- 英 英10−12月期GDP(確報値)
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 3月シカゴ購買部協会景気指数
- 米 ダドリー・NY連銀総裁講演
前日のイエレン議長の発言を材料に、引き続き株価は上昇しドルが売られる展開です。ドル円は昨日の夕方には112円近辺まで売られ、下値を試す流れになっています。米利上げのペースがゆっくりとしたものになるとの見方が優勢となり、NYダウは4日続伸。1月から2月にかけて見られた株式離れが、まるでうそのような展開です。ダウは昨年11月に記録した史上最高値に100ドル余りの水準まで買われ、日経平均株価との違いを鮮明にしています。
先週急速に高まった4月利上げ観測が、イエレン議長の利上げに関する慎重な発言で一気に後退し、ドルは主要通貨に対して下落しました。ドル円は1週間ぶりに112円前後まで売られ、ユーロドルも「目先の上限」に近い1.130−50水準を再び試す展開です。ユーロドルは2月11日と3月17日にもこの水準をテストし、いずれも押し戻されています。この水準を上抜けできれば、1.15辺りまで上昇する可能性も出てきそうです。
米追加利上げが4月なのか、あるいは6月にずれ込むのかが、為替の水準を決めているような動きになっていますが、昨日は「ハト派」の重鎮であるシカゴ連銀のエバンス総裁が講演で、「例えばFOMCが3月に発表した予測中央値で示されたように、向こう3年間の金融正常化は非常に低い軌道をたどるのが最も適切だろう」と述べています。(ブルームバーグ)
また同総裁は年内2回の利上げは十分可能だとしながらも、4月利上げには否定的な考えを示し、早くても6月との見方を示しています。昨年12月の初回利上げの際には、米景気の堅調さを強調し、FOMCメンバーのドットチャートでは今年4回の利上げが見込まれましたが、その後の原油安や、中国景気の減速で、利上げのギアを下方にシフトした印象があります。
ただ米景気の実態は、そのころと大きな変化はありません。昨日のADP雇用者数も20万人と、僅かですが市場予想を上回り、明日の雇用統計に期待をつなげた格好です。鈍化が懸念される製造業についても、米大手投資銀行は「底入れの兆し」があるとのレポートを発表しています。
事実、NY連銀製造業景況指数やフィラデルフィア連銀指数など、多くの製造業指数が急速に回復しています。そのため、今後の経済指標次第では再び4月利上げ観測が高まることも、ないとはいえません。110−115円のレンジが抜けるとすれば、110円の可能性の方が高いと、個人的には予想していますが、まだ確信をもてる程のものではありません。
本日は昨日と同水準で推移している上、雇用統計を明日に控え動きにくい展開が想定されます。112−113円程度を予想します。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 2/1 フィッシャー・FRB副議長 「最近の金融市場の混乱や中国を巡る不透明感が米経済にどの程度影響を及ぼすかの判断はあまりにも難しく、米金融政策当局は次の行動を決められない」講演で。 -------- 2/2 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「最近の金融混乱は予期されていたものであり、追加利上げを先延ばしする理由にはならない」講演で。 -------- 2/4 カプラン・ダラス連銀総裁 「不透明な世界見通しが米国の雇用やインフレにおよぼす影響を見極めている」講演で。 -------- 2/10 イエレン・FRB議長 「米経済は拡大が続く」「経済データ次第では利上げのぺースを減速させるのが適当」議会で。 ドル円急落。株安・債券高が急速に進む。 2/12 中曾・日銀副総裁 「必要があれば金融緩和の質・量をさらに拡大することも可能だ」NYでの講演で。 -------- 2/16 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「金融政策がどう展開していくか確実な筋道を示すことはできないが、インフレ関連のデータが力強さを増すまで2回目の利上げを待つことが賢明だと分かるかもしれない」講演で。 -------- 2/16 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「インフレ率目標への回復が遅れれば、金融政策の正常化は急ぐべきでない」講演で。 -------- 2/18 サマーズ・元財務長官 「米金融当局が早期の追加利上げを考え直すことが建設的だ」ブルーム・バーグとのインタビューで。 -------- 2/23 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「現時点では、見通しに基本的な変化があったことをデータが示唆しているとは言えない。3月利上げの可能性は議題に残すべきだ」ブルームバーグラジオとのインタビューで。 -------- 3/7 黒田・日銀総裁 「今すぐに何かをやるということは考えていない」講演で。 -------- 3/10 ドラギ・ECB総裁 「一段の利下げが必要だとは考えていない」政変変更後の記者会見で。 ユーロドル1.08台前半から1.12台まで急騰 3/16 FOMC声明文 「金融政策スタンスの漸進的調整により経済活動が緩やかなペースで拡大し、労働市場の指標は力強さを増し続けると見込んでいる。ただし、世界の経済・金融情勢が引き続きリスクをもたらしている」 ドル円113円80銭辺りから → 112円台前半に 3/16 スティグリッツ・コロンビア大学教授 「日銀の金融政策だけでは限界がある。次に財政政策をとることが重要だ」国際金融経済分析会合で。 -------- 3/21 ロックハ−ト・アトランタ連銀総裁 「早ければ4月末に予定されている会合も含め、今後の会合での追加措置を正当化するだけの勢いが景気にある。その勢いは経済データが裏付けている」講演で。 ドル円111円台半ばから後半へ 3/22 エバンス・シカゴ連銀総裁 「今年の米経済成長率を2−2.5%と予想し、ファンダメンタルズが非常に良好な状態にある」講演で。 ドル円111円台半ばから112円台半ばへ上昇 3/23 ブラード・セントルイス連銀総裁 「雇用統計では力強い内容があらためて示され、労働市場は改善しつつあると見受けられる。4月利上げを支持する論拠といえそうだ」ブルームバーグとのインタビューで。 ドル円112円台後半へ上昇 3/29 イエレン・FRB議長 「FOMCは政策調整を慎重に進めるのが適切だと私は考えている」講演で。 ドル円急落。株安・債券高が急速に進む。



