2016年4月4日(月)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 3月の雇用統計は好調で、その他の経済指標も良かった。ドル円は112円台半ばまで上昇したものの、利上げのペースを早めるほどのものではないとの見方が広がり、円買いが徐々に優勢に。一時は111円台半ばまでドルが売られ、ほぼこの日の安値圏で越週。
- ユーロドルは続伸し、1.1438まで買われる。米利上げペースは緩やかになるとの観測が背景。
- 株式市場は反発。原油価格は下げたものの、利上げペースが緩やかになるとの観測が相場を押し上げた。ダウは107ドル上昇し、4カ月ぶりの高値を更新。
- 債券相場は横ばい。株価が上昇したことから売られる場面もあったが、底堅く推移。長期金利は1.77%台と、前日とほぼ変わらず。
- 金は反落。原油も大幅に反落し36ドル台に。
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米 3月失業率 → 5.0%
米 3月非農業部門雇用者数 → 21.5万人
米 3月平均賃金 → +0.3%
米 3月ISM製造業景況指数 → 51.8
米 3月ミシガン大学消費者信頼感指数(確定値) → 91.0
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ドル/円 111.58 〜 112.46 ユーロ/ドル 1.1335 〜 1.1438 ユーロ/円 126.98 〜 128.13 NYダウ +107.60 → 17,792.75ドル GOLD −12.10 → 1,223.50ドル WTI −1.65 → 36.79ドル 米10年国債 +0.002 → 1.771% 本日の注目イベント
- 豪 豪2月小売売上高
- 豪 豪2月住宅建設許可
- 欧 ユーロ圏2月失業率
- 欧 ユーロ圏2月生産者物価指数
- 米 3月労働市場情勢指数(LMCI)
- 米 グアテマラ・ボストン連銀総裁講演
米3月の雇用統計は失業率こそ5.0%と、市場予想を上回ったものの、雇用者数は21.5万人で、平均賃金も予想の0.2%を僅かに上回り、+0.3%とまずまずの内容でした。またISM製造業も51.8と、節目の「50」超え、こちらも製造業の「回復」を印象付ける内容でした。
ただ、それでも米利上げのペースは緩やかなものになるとの見方は変わらず、緩和的な金融政策が続くことを基本にし、株が買われ、ドルが売られる流れが続いています。そして特徴的なのが、米国株が上昇しても、日本株は上昇せず、むしろ売られる流れが続いていることです。4月利上げはないといった見方がドルの上値を抑え、この流れが株価の上昇を抑える構図になっています。これまでのように、米国株高がそのまま日本株の上昇につながらなくなっている背景の一つには、ドル円は、いずれ110円を割り込むとの観測が根強いことが挙げられます。
米経済指標が好調だったにも関わらず、先週末は112円台を割り込んでいます。111円の半ばは3月22日以来ですが、今週にも110円割れをテストする可能性もあると予想していますが、好調な米国株が崩れてしまえば、日本株も一段と軟調となり「リスクオフ」が再び強まると思われます。
また、再び懸念材料になりそうなのが原油価格です。一時は41ドル台半ばまで反発したWTI原油価格は、先週末には36ドル台まで再び売られてきました。原油価格がもう一段下げると、さすがに米エネルギー株が売られ、それが株式市場全体の雰囲気を悪くし相場が崩れるパターンが考えられます。日本株の地合いが悪いだけに好調な米国株が崩れると、さらに地合いが悪くなることが懸念されます。
一方で、株安と円高がさらに進むと日銀の追加緩和と2017年の消費税増税先送りが実施されるとの期待が広がります。安倍首相は先週訪米した際も、リーマンショクや大震災のような事態がなければ予定通り実施すると語っていましたが、同時に党内にも先送り期待が強いこともあり、サミット前には決断すると述べています。
日銀のマイナス金利導入も効かず、2%の物価上昇も困難な状況になり、さらにアベノミクスそのものが問われる状況になっていることを考慮すると、選挙対策という意味ではなくとも消費税増税は難しいかと思われます。仮に消費税増税と大規模な財政出動が実施されれば、日本株には好材料となり、ドル高が見込まれます。イエレン議長のハト派的な発言からすれば、4月利上げの可能性はかなり低下したと考えられます。米利上げがしばらくないとすれば、上記消費税を巡る対応が、ドルサポートの砦になろうかと思います。
本日のレンジは111−112円30銭程度を予想しています。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 2/1 フィッシャー・FRB副議長 「最近の金融市場の混乱や中国を巡る不透明感が米経済にどの程度影響を及ぼすかの判断はあまりにも難しく、米金融政策当局は次の行動を決められない」講演で。 -------- 2/2 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「最近の金融混乱は予期されていたものであり、追加利上げを先延ばしする理由にはならない」講演で。 -------- 2/4 カプラン・ダラス連銀総裁 「不透明な世界見通しが米国の雇用やインフレにおよぼす影響を見極めている」講演で。 -------- 2/10 イエレン・FRB議長 「米経済は拡大が続く」「経済データ次第では利上げのぺースを減速させるのが適当」議会で。 ドル円急落。株安・債券高が急速に進む。 2/12 中曾・日銀副総裁 「必要があれば金融緩和の質・量をさらに拡大することも可能だ」NYでの講演で。 -------- 2/16 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「金融政策がどう展開していくか確実な筋道を示すことはできないが、インフレ関連のデータが力強さを増すまで2回目の利上げを待つことが賢明だと分かるかもしれない」講演で。 -------- 2/16 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「インフレ率目標への回復が遅れれば、金融政策の正常化は急ぐべきでない」講演で。 -------- 2/18 サマーズ・元財務長官 「米金融当局が早期の追加利上げを考え直すことが建設的だ」ブルーム・バーグとのインタビューで。 -------- 2/23 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 「現時点では、見通しに基本的な変化があったことをデータが示唆しているとは言えない。3月利上げの可能性は議題に残すべきだ」ブルームバーグラジオとのインタビューで。 -------- 3/7 黒田・日銀総裁 「今すぐに何かをやるということは考えていない」講演で。 -------- 3/10 ドラギ・ECB総裁 「一段の利下げが必要だとは考えていない」政変変更後の記者会見で。 ユーロドル1.08台前半から1.12台まで急騰 3/16 FOMC声明文 「金融政策スタンスの漸進的調整により経済活動が緩やかなペースで拡大し、労働市場の指標は力強さを増し続けると見込んでいる。ただし、世界の経済・金融情勢が引き続きリスクをもたらしている」 ドル円113円80銭辺りから → 112円台前半に 3/16 スティグリッツ・コロンビア大学教授 「日銀の金融政策だけでは限界がある。次に財政政策をとることが重要だ」国際金融経済分析会合で。 -------- 3/21 ロックハ−ト・アトランタ連銀総裁 「早ければ4月末に予定されている会合も含め、今後の会合での追加措置を正当化するだけの勢いが景気にある。その勢いは経済データが裏付けている」講演で。 ドル円111円台半ばから後半へ 3/22 エバンス・シカゴ連銀総裁 「今年の米経済成長率を2−2.5%と予想し、ファンダメンタルズが非常に良好な状態にある」講演で。 ドル円111円台半ばから112円台半ばへ上昇 3/23 ブラード・セントルイス連銀総裁 「雇用統計では力強い内容があらためて示され、労働市場は改善しつつあると見受けられる。4月利上げを支持する論拠といえそうだ」ブルームバーグとのインタビューで。 ドル円112円台後半へ上昇 3/29 イエレン・FRB議長 「FOMCは政策調整を慎重に進めるのが適切だと私は考えている」講演で。 ドル円急落。株安・債券高が急速に進む。



