2016年4月7日(木)
本日のアナリストレポートは執筆者の都合により休載させて頂きます。
読者の皆様には申し訳ございませんが、ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
2016年4月6日(水)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 日米欧で株価が下落したことや、IMFが世界景気の見通しを下方修正したことからドル円は節目の110円を割り込む。一時は109円92銭まで円買いが進み、1年5カ月ぶりの円高水準を示現。
- ユーロドルはドイツの製造業受注が悪化していたが、ドル買いユーロ売りは限定的。1.13台前半まで売られたが底堅く推移。
- 株式市場は続落。世界的な成長鈍化を懸念し、銀行株を中心に大幅安。ダウは133ドル下落。
- 債券相場は続伸。世界景気の低迷を材料に買いが優勢となり、長期金利は1.72%台まで低下。
- ドル安が進んだことで金は上昇。原油は小幅に反発。
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2月貿易収支 → −471億ドル
3月ISM非製造業景況指数 → 54.5
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ドル/円 109.92 〜 110.72 ユーロ/ドル 1.1336 〜 1.1402 ユーロ/円 125.24 〜 125.84 NYダウ −133.68 → 17,603.32ドル GOLD +10.31 → 1,229.61ドル WTI +0.19 → 35.89ドル 米10年国債 −0.042 → 1.720% 本日の注目イベント
- 日 2月景気動向指数
- 中 中国 3月財新サービス業PMI
- 中 中国 3月財新コンポジットPMI
- 独 独2月鉱工業生産
- 米 FOMC議事録(3月15、16日分)
- 米 ロレッタ・クリーブランド連銀総裁講演
ドル円はついに節目の110円を割り込み、NYでは109円92銭までドル安が進みました。昨日もこの欄で「下値方向のリスクが高い」とコメントしましたが、昨日の朝方の111円30銭近辺から一気に110円割れまでドルが売られました。この水準は2014年10月末の日銀が追加緩和を発表し、市場に驚きが走った「サプライズ緩和」の水準です。これで昨年6月の125円86銭の高値からは、10カ月で約16円落ちたことになり、かなり急激な円高スピードだと言えます。
きっかけは株安から、リスク資産が売られたことでした。日本株が先導するような形で欧米の株価が下げ、世界景気の減速が懸念され、安全資産の債券が買われました。さらに、ウォ−ル・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙が安倍首相とのインタビュー記事を掲載し、この中で首相は「通貨安競争は絶対さけなければならない」「恣意的な為替市場への介入は慎まなければならない」と述べたことも円買いに安心感を与え、ドル売り円買いがさらに進んだと思われます。急激な円高が進んでも日銀は介入できないと、市場が受け止めたことになります。
ドル円は110円を割りこんだ後は110円台半ばまで値を戻していますが、これは達成感と、ひとまず利益を確保しようという動きに押し戻されたものです。再び株価が大きく下げるようだと110円割れをトライし、さらに大幅な円高水準を記録する状況になると、今度は110円が上値の抵抗線になることが予想されます。ちょうど2月の初旬以降、114円台後半まではドルが戻っても、115円には届かなかった状況と同様です。
輸出企業の多くは115−118円を「社内レート」に設定しており、110円を割り込むと、企業業績にも大きな影響を与えることになります。場合によっては業績見通しを下方修正するところも出てくるかもしれません。利益見通しを引き下げれば、株価は当然売られ、それが市場全体のセンチメントを悪化させ、株価の下落→円高と、悪循環に陥ることになります。その意味でも、本日の日本株の動きに注目が集まります。
ドル円の110円割れと、日経平均株価の15000円台は今後の日本の景気をとっては極めて厳しい状況を与えることになります。ちょうど、2017年4月からの消費税増税を予定通り実施すべきか、あるいは延期すべきかが議論されているところです。為替と株価の水準がこの議論に影響を与えることは言うまでもありませんが、ここから一段と円高が進んだ場合、日銀による市場介入があるのかどうかも重要なポイントになります。
上記、安倍首相の発言を考慮すれば円安誘導のための介入は難しそうですが、円高は物価を押し下げる効果があるため、2%の物価上昇を目指している日銀にとっては「逆風」です。円安誘導ではなく、2%の物価上昇という目標達成のための介入や、追加緩和なら「大儀名文」がたつのかもしれません。ただ110円を割り込んだからといって、直ぐに介入が見られるわけではありません。介入に対する過度の期待は避けるべきです。110円を再び割り込んだら、そのスピードが重要になろうかと思います。
本日のドル円は109円50銭〜110円80銭程度と予想しますが、依然として下値方向へのリスクが高いことには変わりありません。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 3/7 黒田・日銀総裁 「今すぐに何かをやるということは考えていない」講演で。 -------- 3/10 ドラギ・ECB総裁 「一段の利下げが必要だとは考えていない」政変変更後の記者会見で。 ユーロドル1.08台前半から1.12台まで急騰 3/16 FOMC声明文 「金融政策スタンスの漸進的調整により経済活動が緩やかなペースで拡大し、労働市場の指標は力強さを増し続けると見込んでいる。ただし、世界の経済・金融情勢が引き続きリスクをもたらしている」 ドル円113円80銭辺りから → 112円台前半に 3/16 スティグリッツ・コロンビア大学教授 「日銀の金融政策だけでは限界がある。次に財政政策をとることが重要だ」国際金融経済分析会合で。 -------- 3/21 ロックハ−ト・アトランタ連銀総裁 「早ければ4月末に予定されている会合も含め、今後の会合での追加措置を正当化するだけの勢いが景気にある。その勢いは経済データが裏付けている」講演で。 ドル円111円台半ばから後半へ 3/22 エバンス・シカゴ連銀総裁 「今年の米経済成長率を2−2.5%と予想し、ファンダメンタルズが非常に良好な状態にある」講演で。 ドル円111円台半ばから112円台半ばへ上昇 3/23 ブラード・セントルイス連銀総裁 「雇用統計では力強い内容があらためて示され、労働市場は改善しつつあると見受けられる。4月利上げを支持する論拠といえそうだ」ブルームバーグとのインタビューで。 ドル円112円台後半へ上昇 3/29 イエレン・FRB議長 「FOMCは政策調整を慎重に進めるのが適切だと私は考えている」講演で。 ドル円急落。株安・債券高が急速に進む。 4/4 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「米景気が想定より強く、今後2年間の金融政策は先物市場が織り込んでいるよりも引き締め方向に向かう可能性がある」講演で。 ドルがやや反発。 4/5 安倍首相 「通貨安競争は絶対さけなければならない。恣意的な為替市場への介入は慎まなければならない」WSJ紙とのインタビューで。 ドル売りに拍車。一時110円を割り込む



