2016年4月8日(金)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は円買いの勢いが止まらず、NYでは107円67銭までドル安が進む。ユーロ円など、クロス円の売りも活発で、円高が進んでも介入は難しいとの見方も背景に。引け値では108円台前半まで戻す。
- ユーロドルは続落。ECBが追加緩和を示唆したことからユーロ売りが優勢となり、1.1338まで下落。ユーロ円は122円台半ばまで売られる。
- 株式市場は大幅に反落。明確な売り材料がない中、ダウは一時230ドル下げる場面も。結局174ドル安で取引を終え、主要指標も大幅安。
- 株価が大きく下げたことから債券は買われる。長期金利は約2カ月ぶりとなる1.68%台まで低下。
- ドルが下落したことで金は反発。原油価格は小幅に反落。
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新規失業保険申請件数 → 26.7万件
2月消費者信用残高 → +172.17億ドル
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ドル/円 107.67 〜 108.54 ユーロ/ドル 1.1338 〜 1.1399 ユーロ/円 122.53 〜 123.39 NYダウ −174.09 → 17,541.96ドル GOLD +13.70 → 1,237.50ドル WTI −0.49 → 37.26ドル 米10年国債 −0.061 → 1.689% 本日の注目イベント
- 日 2月国際収支
- 日 3月景気ウオッチャ調査
- 独 独2月貿易収支
- 独 独2月経常収支
- 英 英2月貿易収支
- 加 カナダ3月住宅着工件数
- 加 カナダ3月失業率
- 加 カナダ3月就業者数
ドル円は連日大台を切り下げ、昨日のNYでは107円台半ばまで円買いが進み、110円を割り込んでからはドル下落の勢いが加速しています。110円を割り込むと106円近辺までは目立ったサポートがないため、下落のスピードが早まると予想していましたが、そのような展開になっています。昨日はドル円で円買いが進んだだけではなく、ユーロ円などのクロス円でも急速に円買いが進み、円が全面高の様相でした。
投機筋も円買いのポジションを膨らませ、これまで下がればドルを買っていた個人投資家も、戻りを売るスタンスに変わっているようで、急速に円の先高観が台頭してきました。急激な円高は、企業収益にも影響を与え、輸出企業の株が先行する形で売られ、その株価の下落がさらに円買いを促がす「悪循環」に陥っています。
急激な円高が進んだ背景は、米利上げのペースが極めて緩やかになるとの観測が強まったことと、急激な円高が進んだ場合政府日銀の介入などが、適切な対応をするとの見方が後退してきたことが挙げられます。昨日も財務省幹部が「場合によっては必要な措置を取る」と発言したことが伝えられ、一時ドルが買い戻される場面がありましたが、長くは続かずその後ドルは大きく売られました。5月に伊勢・志摩サミットを控え、積極的には円安につながる政策を取りにくいとの見方が広がっています。先日米紙とのインタビューで、安倍首相は「恣意的な介入は慎まなければならない」と発言したことも効いています。(参照:下記 What's going on )
ただ、今週に入っての円の上昇は急激で、投機的な動きとも取れます。このまま105円割れを放置しておくと勢いがさらに加速することも考えられ、その前に、ある程度強い姿勢を見せる必要があります。105円を割り込む前に「レートチェック」など、介入を示唆する動きがあるかもしれません。また、今月27−28日には金融政策決定会合が開催されますが、ここで「量・質・金利」いずれかの政策変更が行われる可能性も高まっていると予想しています。
さらに米利上げ観測の後退ですが、こちらもイエレン議長の「ハト派発言」に余りにも反応しすぎているところがあります。昨日もダラス連銀やサンフランシスコ連銀総裁は、利上げはそれ程遠くないとの認識を示しています。FOMCで政策変更を行う際には、イエレン議長といえども1票で、他のメンバーと同様です、もちろん、副議長や理事などはイエレン議長に足並みを揃えると考えられますが、4名の投票権を持つ地区連銀総裁の存在も大きく、その多くが今年2回の利上げを主張しています。市場はやや利上げ観測の後退をはやし過ぎている感があります。
ただそうは言っても、足元の円高の流れは鮮明です。円高のスピードが速すぎることから、警戒感は必要ですが、ドルの戻りを売るスタンスは継続でしょう。月足の「200ヶ月線」がある、105円85銭前後が一つのサポーになるかもしれません。本日も日経平均株価はかなりの下げが見込まれます。日経平均先物を売ると同時にドルを売る展開が想定されます。予想レンジは107円50銭〜109円程度と見ますが、要人発言にも注意が必要です。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 3/7 黒田・日銀総裁 「今すぐに何かをやるということは考えていない」講演で。 -------- 3/10 ドラギ・ECB総裁 「一段の利下げが必要だとは考えていない」政変変更後の記者会見で。 ユーロドル1.08台前半から1.12台まで急騰 3/16 FOMC声明文 「金融政策スタンスの漸進的調整により経済活動が緩やかなペースで拡大し、労働市場の指標は力強さを増し続けると見込んでいる。ただし、世界の経済・金融情勢が引き続きリスクをもたらしている」 ドル円113円80銭辺りから → 112円台前半に 3/16 スティグリッツ・コロンビア大学教授 「日銀の金融政策だけでは限界がある。次に財政政策をとることが重要だ」国際金融経済分析会合で。 -------- 3/21 ロックハ−ト・アトランタ連銀総裁 「早ければ4月末に予定されている会合も含め、今後の会合での追加措置を正当化するだけの勢いが景気にある。その勢いは経済データが裏付けている」講演で。 ドル円111円台半ばから後半へ 3/22 エバンス・シカゴ連銀総裁 「今年の米経済成長率を2−2.5%と予想し、ファンダメンタルズが非常に良好な状態にある」講演で。 ドル円111円台半ばから112円台半ばへ上昇 3/23 ブラード・セントルイス連銀総裁 「雇用統計では力強い内容があらためて示され、労働市場は改善しつつあると見受けられる。4月利上げを支持する論拠といえそうだ」ブルームバーグとのインタビューで。 ドル円112円台後半へ上昇 3/29 イエレン・FRB議長 「FOMCは政策調整を慎重に進めるのが適切だと私は考えている」講演で。 ドル円急落。株安・債券高が急速に進む。 4/4 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「米景気が想定より強く、今後2年間の金融政策は先物市場が織り込んでいるよりも引き締め方向に向かう可能性がある」講演で。 ドルがやや反発。 4/5 安倍首相 「通貨安競争は絶対さけなければならない。恣意的な為替市場への介入は慎まなければならない」WSJ紙とのインタビューで。 ドル売りに拍車。一時110円を割り込む 4/7 カプラン・ダラス連銀総裁 「FRBは次の利上げ時期に近づいている」講演で。 -------- 4/7 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「米経済が現在見られるペースで雇用を生み続け、インフレが上向き続ければ、予測された形で金利を徐々に引き上げるべきであることは明白だ」フォックス・ビジネス・ネットワークとのインタビューで。 --------



