今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年4月13日(水)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 原油高、株高を背景にドル円は上昇し、108円台後半まで買われた。長期金利も上昇しリスクオンの流れが強まったものの、上値は重く、109円台に乗せられるかどうか注目される。
  • ドルが買い戻されたことでユーロは売られる。1.13台半ばまで下げたものの、依然としてレンジ内で推移。
  • 株式市場は大幅に反発。企業決算は振るわなかったものの、原油価格が42ドル台まで上昇したことで、エネルギー株が上昇を牽引。ダウは164ドル高で取引を終える。
  • 債券相場は3日続落。原油価格が4ヶ月ぶりの高値を付けたことや、株価が大幅高だったことから売られる。長期金利は1.77%台まで上昇。
  • 金は4日続伸。原油価格はサウジとロシアが産油量据え置きで合意との観測から大幅高。引け値は4カ月ぶりとなる42ドル17セント。

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    3月財政収支 → −1080億ドル
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    ドル/円 108.22 〜 108.79
    ユーロ/ドル 1.1346 〜 1.1413
    ユーロ/円 123.20 〜 123.77
    NYダウ +164.84 → 17,721.25ドル
    GOLD +2.90 → 1,260.90ドル
    WTI +1.81 → 42.17ドル
    米10年国債 +0.041 → 1.776%

    本日の注目イベント

    • 日  黒田日銀総裁、コロンビア大学で講演
    • 中  中国3月貿易収支
    • 欧  ユーロ圏2月鉱工業生産
    • 米  3月小売売上高
    • 米  3月生産者物価指数
    • 米  ベージュブック(地区連銀経済報告)
    • 米  企業決算 → JPモルガン、サンディスク

    原油価格の上昇が引き金となり、NYでは株価が大幅に上昇し、長期金利も上昇。久しぶりのリスクオンということから、ドル円は続伸し、108円台後半まで買われました。それでも109円台には乗せられず、まだ上値が重い展開は変わりません。今日の東京市場でも株価は上昇すると見られ、その際ドルがどこまで買われるのかが注目されます。

    ブルームバーグによると、ロシア大統領府のペスコフ報道官がドーハ会合について、イランの姿勢にかかわらず、合意が成立する「希望はある」と述べたことで、サウジとロシアとの合意が近いとの観測が広がり、原油価格の上昇につながっています。

    WTI原油価格はこの報道に続伸し、一時は42ドル25セントまで買われ、昨年11月末以来の水準を回復しました。原油価格の上昇はエネルギー株の上昇につながり、NY株式市場ではエネルギーセクターが商いを伴って買われ、これが相場全体のセンチメントを好転させました。NYダウは164ドル上昇し、年初来高値を更新。昨年2月に記録した史上最高値にもあと、500ドルほどに迫って来ました。

    ドル円は108円台後半まで上昇しましたが、これは「1時間足」の120時間線に抑えられた格好です。まだ上値の重い展開は変わっていないと思われます。目先はNYでの高値の108円80銭辺りを抜けるかどうかと、さらに109円台に乗せたら、109円35−50銭あたりにある、4時間足の「雲の下限」が意識されます。

    それでも、105円割れのリスクはやや後退してきました。上で述べたように、原油価格が安定すれば株価には好影響となり、ドルにとっても安定材料になります。また、テクニカルでは8時間足までの短いチャートでは「MACD」がゴールデンクロスを見せており、短期的にはドルの上昇を示唆しています。ここは、ドルの戻りを売るスタンスを維持しながらも、慎重に臨むべきでしょう。

    IMFは12日、2016年の世界経済の見通しを発表し、成長率を今年1月時点の3.4%から3.2%に下方修正しました。新興国の景気減速が世界的な貿易や投資の鈍化につながり、日本についても、消費税を引き上げれば2017年はマイナス0.1%の成長になると指摘しています。IMFのこの見通しも、今後の消費税増税延期の議論に一石を投じることにもなると思います。

    本日は日経平均株価がどこまで買われるのかに注目しています。200円程度であれば109円に届くかどうかといったところでしょうが、300〜500円も上昇するようだと、上記109円台のレジスタンスを試しに行く可能性も考えられます。株式市場でも、ドル円と同じように、「戻りを売りたい」との姿勢が優勢と見られ、このスタンスが変わるには、日銀と政府の政策出動が不可欠かと思います。

    予想レンジは108.20円〜109.40円程度と見ています。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    3/7 黒田・日銀総裁 「今すぐに何かをやるということは考えていない」講演で。 --------
    3/10 ドラギ・ECB総裁 「一段の利下げが必要だとは考えていない」政変変更後の記者会見で。 ユーロドル1.08台前半から1.12台まで急騰
    3/16 FOMC声明文 「金融政策スタンスの漸進的調整により経済活動が緩やかなペースで拡大し、労働市場の指標は力強さを増し続けると見込んでいる。ただし、世界の経済・金融情勢が引き続きリスクをもたらしている」 ドル円113円80銭辺りから → 112円台前半に
    3/16 スティグリッツ・コロンビア大学教授 「日銀の金融政策だけでは限界がある。次に財政政策をとることが重要だ」国際金融経済分析会合で。 --------
    3/21 ロックハ−ト・アトランタ連銀総裁 「早ければ4月末に予定されている会合も含め、今後の会合での追加措置を正当化するだけの勢いが景気にある。その勢いは経済データが裏付けている」講演で。 ドル円111円台半ばから後半へ
    3/22 エバンス・シカゴ連銀総裁 「今年の米経済成長率を2−2.5%と予想し、ファンダメンタルズが非常に良好な状態にある」講演で。 ドル円111円台半ばから112円台半ばへ上昇
    3/23 ブラード・セントルイス連銀総裁 「雇用統計では力強い内容があらためて示され、労働市場は改善しつつあると見受けられる。4月利上げを支持する論拠といえそうだ」ブルームバーグとのインタビューで。 ドル円112円台後半へ上昇
    3/29 イエレン・FRB議長 「FOMCは政策調整を慎重に進めるのが適切だと私は考えている」講演で。 ドル円急落。株安・債券高が急速に進む。
    4/4 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「米景気が想定より強く、今後2年間の金融政策は先物市場が織り込んでいるよりも引き締め方向に向かう可能性がある」講演で。 ドルがやや反発。
    4/5 安倍首相 「通貨安競争は絶対さけなければならない。恣意的な為替市場への介入は慎まなければならない」WSJ紙とのインタビューで。 ドル売りに拍車。一時110円を割り込む
    4/7 カプラン・ダラス連銀総裁 「FRBは次の利上げ時期に近づいている」講演で。 --------
    4/7 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「米経済が現在見られるペースで雇用を生み続け、インフレが上向き続ければ、予測された形で金利を徐々に引き上げるべきであることは明白だ」フォックス・ビジネス・ネットワークとのインタビューで。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和