今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年4月14日(木)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 日本株が大きく上昇し、米国株も大幅に続伸したことからドル円は109円台に乗せ、一時は109円40銭まで買われた。
  • ユーロドルは続落。ドル高が進んだことで、1.12台半ばまでユーロが売られ、約2週間ぶりの安値を付ける。
  • 株式市場は大幅に続伸。中国の景気見通しが改善したことや、企業決算が良好だったことを好感し、ダウは187ドル高と、1万8000ドルが視野に。
  • 債券相場は小幅高。10年債入札が好調だったことから、買い物を集める。長期金利は1.76%台へ小幅に低下。
  • 金は5日ぶりに反落。原油は42ドル台半ばまで買われたものの、このところの急激な上昇に、利益確定の売りも出て小幅に反落。

    ********************
    3月小売売上高  → −0.3%
    3月生産者物価指数 → −0.1%
    ********************
    ドル/円 109.02 〜 109.40
    ユーロ/ドル 1.1268 〜 1.1326
    ユーロ/円 123.01 〜 123.63
    NYダウ +187.07 → 17,908.28ドル
    GOLD −12.60 → 1,248.30ドル
    WTI −0.41 → 41.76ドル
    米10年国債 −0.012 → 1.764%

    本日の注目イベント

    • 豪  豪3月雇用統計
    • 欧  ユーロ圏3月消費者物価指数(改定値)
    • 英  BOE金融政策発表
    • 米  新規失業保険申請件数
    • 米  3月消費者物価指数
    • 米  ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
    • 米  パウエル・FRB理事議会証言
    • 米  G20(ワシントン)

    ドル円は昨日、日本株が久しぶりに大幅高を演じたことで109円まで買われ、NYでもダウなど主要株価指数が大幅に続伸したことから、109円40銭までドル高円安が進行しました。ただ昨日のこの欄でも指摘したように、4時間足の「雲の下限」で上昇を抑えられた形になっており、NYダウが2日で350ドルを超える上昇を見せた割には上昇は鈍く、ドルが買われはしたものの、上値の重い印象を残す結果になっています。

    それにしても米国株の上昇にはやや驚きです。もちろん背景には利上げのペースが緩やかになるとの見通しがあることは理解できますが、昨日の大手米銀の決算は市場予想ほど悪化していなかったというだけで、決して好調というわけではありません。ダウは1万7900ドル台まで続伸しており、昨年2月の史上最高値に300ドル程度で届く水準を回復してきました。原油価格が安定し、中国景気にも安心感が出てきたとはいえ、米国株はややバブルではないかと懸念しています。足元の日本株とドル円は、米国の好材料に反応は鈍く、悪材料には直ぐに反応を示すだけに、今後米国株が崩れた際の影響が心配です。

    17日にはカタールのドーハでサウジやロシアなどが石油の生産調整を巡って会合を開きます。ロシア側はイランが生産調整に応じなくても合意には達するとの見方を示していますが、昨日はイランの石油相が出席するかどうかをめぐり、情報が錯綜していました。この会合で、増産凍結が合意ができるかどうかが焦点ですが、それは取りも直さず、WTI原油価格が40ドル台を底固めできるのかどうか、あるいは再び下落基調に戻り30ドルを目指すのかどうかという意味で、重要な会合になります。週明け18日の東京市場にも影響がありそうです。

    ドル円は米国株の堅調な動きに支えられて109円台半ばまでは反発して来ました。ここまでは想定内の動きと言えます。110円を割り込んでからは急速に円高が進んだことから、株価が戻ったことでドルの買い戻しを誘発したものと思われます。問題はここからです。さらに株価が上昇し安全資産の債券が売られ、米長期金利が上昇すれば「リスクオン」が強まり、ドル円もをもう一段押し上げ、110円台もあるかもしれません。

    ただ、それでも足元の「ドル先安観」を変えるまでには至らないと考えます。仮に110円台までドルが戻れば、予約を取り遅れている輸出企業は確実にドル売り注文を持ち込んでくると予想します。輸出企業が慌ててドル売り注文を出さないようになり、ドルショートを積み上げている投機筋が慌てて買い戻しに出るような状況になれば、市場のセンチメントも変わってくると思われますが、それには、日銀や政府の政策出動が不可欠です。

    本日もNYでの株高を好感し、日経平均株価も上昇するでしょう。だだし昨日450円もの上昇を見せただけに、同じような大幅高は難しいと予想しています。ドル円の上値が重いように、日本株の上値も重く、センチメントも似たりよったりです。つまり戻りを売りたいという人が多いということです。予想レンジは108円50銭〜109円80銭程度と見ていますが、上記日本株が昨日のようなサプライズを見せるようだと110円が見られるかもしれません。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    3/7 黒田・日銀総裁 「今すぐに何かをやるということは考えていない」講演で。 --------
    3/10 ドラギ・ECB総裁 「一段の利下げが必要だとは考えていない」政変変更後の記者会見で。 ユーロドル1.08台前半から1.12台まで急騰
    3/16 FOMC声明文 「金融政策スタンスの漸進的調整により経済活動が緩やかなペースで拡大し、労働市場の指標は力強さを増し続けると見込んでいる。ただし、世界の経済・金融情勢が引き続きリスクをもたらしている」 ドル円113円80銭辺りから → 112円台前半に
    3/16 スティグリッツ・コロンビア大学教授 「日銀の金融政策だけでは限界がある。次に財政政策をとることが重要だ」国際金融経済分析会合で。 --------
    3/21 ロックハ−ト・アトランタ連銀総裁 「早ければ4月末に予定されている会合も含め、今後の会合での追加措置を正当化するだけの勢いが景気にある。その勢いは経済データが裏付けている」講演で。 ドル円111円台半ばから後半へ
    3/22 エバンス・シカゴ連銀総裁 「今年の米経済成長率を2−2.5%と予想し、ファンダメンタルズが非常に良好な状態にある」講演で。 ドル円111円台半ばから112円台半ばへ上昇
    3/23 ブラード・セントルイス連銀総裁 「雇用統計では力強い内容があらためて示され、労働市場は改善しつつあると見受けられる。4月利上げを支持する論拠といえそうだ」ブルームバーグとのインタビューで。 ドル円112円台後半へ上昇
    3/29 イエレン・FRB議長 「FOMCは政策調整を慎重に進めるのが適切だと私は考えている」講演で。 ドル円急落。株安・債券高が急速に進む。
    4/4 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「米景気が想定より強く、今後2年間の金融政策は先物市場が織り込んでいるよりも引き締め方向に向かう可能性がある」講演で。 ドルがやや反発。
    4/5 安倍首相 「通貨安競争は絶対さけなければならない。恣意的な為替市場への介入は慎まなければならない」WSJ紙とのインタビューで。 ドル売りに拍車。一時110円を割り込む
    4/7 カプラン・ダラス連銀総裁 「FRBは次の利上げ時期に近づいている」講演で。 --------
    4/7 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「米経済が現在見られるペースで雇用を生み続け、インフレが上向き続ければ、予測された形で金利を徐々に引き上げるべきであることは明白だ」フォックス・ビジネス・ネットワークとのインタビューで。 --------
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和