2016年4月15日(金)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は熊本で発生した地震でドルが売られ、109円を割り込む場面もあったが、109円台前半から半ばで堅調に推移。
- ユーロドルは続落。1.13台を明確に割り込み、1.12台半ばから後半で取引されたが小動き。
- 株式市場はまちまちながら前日と変わらず。ダウは小幅ながら3日続伸し、ナスダックは1ポイント下落。
- 債券相場も小動きながら小幅に反落。長期金利は1.79%とやや上昇。
- ドル高株高が嫌気され、金は大きく下落。原油は在庫が増えていたことから小幅に続落。
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新規失業保険申請件数 → 25.3万人
3月消費者物価指数 → +0.1%
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ドル/円 108.90 〜 109.47 ユーロ/ドル 1.1248 〜 1.1295 ユーロ/円 122.73 〜 123.36 NYダウ +18.15 → 17,926.43ドル GOLD −21.80 → 1,226.50ドル WTI −0.26 → 41.50ドル 米10年国債 +0.028 → 1.792% 本日の注目イベント
- 豪 豪中銀、金融安定報告書を公表
- 中 中国 1−3月GDP
- 中 中国 3月鉱工業生産
- 中 中国 3月小売売上高
- 欧 ユーロ圏2月貿易収支
- 米 4月NY連銀製造業景気指数
- 米 3月鉱工業生産
- 米 4月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
- 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
- 米 企業決算 → シティーグループ
日本株が久しぶりに2日で1000円に迫る上昇を見せたことで、ドル円は109円55銭前後まで買われました。先週記録した107円63銭からは約2円戻したことになります。それでも株価の戻りや、原油価格の上昇に比べると「小幅」と言えます。昨日のNY市場でも109円台半ば超えはできず、109円台を維持しているとはいえ、依然として上値の重い展開は変わっていません。
ワシントンでのG20の行方と17日のカタールのドーハで開かれるサウジやロシアなどの会合を見極めたいとする雰囲気ですが、週明けの東京ではそれらの結果を踏まえて動きがあるかもしれません。日経平均株価は1万7000円に届く水準まで反発していますが、これは先物で売り込んでいた筋の買い戻しにすぎず、こちらもこの水準からさらに大きく上昇するイメージは持てません。
IMFの報告にもあったように、世界景気が低迷し、成長率の鈍化は避けられない状況です。比較的好調な景気を保っている米国だけでは世界景気回復のドライバーにはなれず、かといって中国もかつての力はありません。欧州はデフレリスクが強まっており、ギリシャやイギリス、あるいはテロのリスクを考えると、個人消費の伸びは期待できません。
日本については言うまでもなく、個人消費は冴えず、インフレマインドにはほど遠い状況で、日銀短観では法人の景況感も悪化しています。さらに2017年の消費税増税が実施されたら、来年4月以降の景気は一気に落ち込むことは必至です。加えて株価の低迷が個人投資家心理を悪化させており、再びデフレの入り口に立たされていると言えます。
このように見ると、アベノミクス景気は「風前のともしび」と言っていい状況です。世界の投資ファンドも「アベノミクスは終わった」と、日本株を大きく売りこしており、その影響から株安と円高が急速に進んでいます。かつてワシントンで「Buy my Abenomics」と安倍首相が自信に満ちた演説を行ったのが遠い昔のように思えるのは、筆者だけではないと思います。
来週にはECB理事会を皮切りに、日米でも重要な金融会合が相次ぎます。米利上げ観測が遠のく中、ここでの政策変更はまずないと思われます。FOMCメンバーでも、セントルイス連銀総裁は、「政策を正常に近づけるのが賢明」と、利上げには前向きですが、一方でアトランタ連銀総裁は「4月の利上げを支持しない」と、利上げに慎重な姿勢を見せており、足並みは揃っていません。
日銀会合にも急速に政策実施観測が高まっています。足元の急速な円高と株安に、今こそちゅちょうなく実施すべきとの意見が強まっています。「金利、量、質の3次元」で対応するとの見方ですが、1月末にマイナス金利を導入したばかりということもあり、個人的には見送りを予想していますが、「日銀の政策手詰まり観測」を払拭する意味では、可能性は低いながらも何らかの動きがあることは否定できません。本日のレンジは108円50銭〜109円80銭と、昨日と同じレベルを予想しています。やはり110円に乗せるには材料不足だと思われますが、中国のGDPには注意が必要です。
セブンアンドアイ・ホールディング会長兼最高経営責任者鈴木敏文氏。今株式市場をにぎわせていることはご承知の通りです。日本に初めてコンビニエンスストアを紹介し、今や世界で最も効率化が進んでいるシステムを作り上げた功績は他の追随を許しません。しかし役員人事を全て自分の思い通りにやろうとすることは、氏の功績とは別に不評です。かつても、三越の岡田氏、ダイエーの中内氏、あるいは西武の堤氏など、カリスマ経営者と独裁者は紙一重でした。天は二物を与えず。良い週末を・・・・・。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 3/7 黒田・日銀総裁 「今すぐに何かをやるということは考えていない」講演で。 -------- 3/10 ドラギ・ECB総裁 「一段の利下げが必要だとは考えていない」政変変更後の記者会見で。 ユーロドル1.08台前半から1.12台まで急騰 3/16 FOMC声明文 「金融政策スタンスの漸進的調整により経済活動が緩やかなペースで拡大し、労働市場の指標は力強さを増し続けると見込んでいる。ただし、世界の経済・金融情勢が引き続きリスクをもたらしている」 ドル円113円80銭辺りから → 112円台前半に 3/16 スティグリッツ・コロンビア大学教授 「日銀の金融政策だけでは限界がある。次に財政政策をとることが重要だ」国際金融経済分析会合で。 -------- 3/21 ロックハ−ト・アトランタ連銀総裁 「早ければ4月末に予定されている会合も含め、今後の会合での追加措置を正当化するだけの勢いが景気にある。その勢いは経済データが裏付けている」講演で。 ドル円111円台半ばから後半へ 3/22 エバンス・シカゴ連銀総裁 「今年の米経済成長率を2−2.5%と予想し、ファンダメンタルズが非常に良好な状態にある」講演で。 ドル円111円台半ばから112円台半ばへ上昇 3/23 ブラード・セントルイス連銀総裁 「雇用統計では力強い内容があらためて示され、労働市場は改善しつつあると見受けられる。4月利上げを支持する論拠といえそうだ」ブルームバーグとのインタビューで。 ドル円112円台後半へ上昇 3/29 イエレン・FRB議長 「FOMCは政策調整を慎重に進めるのが適切だと私は考えている」講演で。 ドル円急落。株安・債券高が急速に進む。 4/4 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「米景気が想定より強く、今後2年間の金融政策は先物市場が織り込んでいるよりも引き締め方向に向かう可能性がある」講演で。 ドルがやや反発。 4/5 安倍首相 「通貨安競争は絶対さけなければならない。恣意的な為替市場への介入は慎まなければならない」WSJ紙とのインタビューで。 ドル売りに拍車。一時110円を割り込む 4/7 カプラン・ダラス連銀総裁 「FRBは次の利上げ時期に近づいている」講演で。 -------- 4/7 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「米経済が現在見られるペースで雇用を生み続け、インフレが上向き続ければ、予測された形で金利を徐々に引き上げるべきであることは明白だ」フォックス・ビジネス・ネットワークとのインタビューで。 --------



