2016年4月18日(月)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 経済指標の悪化や産油国会合を控え、ドル円は上値の重い展開。株価が反落し、長期金利も低下したことから109円を割り込み108円台半ばまでドルが売られる。
- 1.12台半ばまで売られたユーロは反発。ドルが売られたことで1.13台に乗せたが、ECB理事会を控え動きは緩慢。
- 株式市場は続落。原油価格が大きく下落したことからエネルギー株を中心に売られ、ダウは28ドル安。ダウ指数は高値圏でのもみ合い。
- 債券相場は続伸。ミシガン大学消費者マインドが予想を下回ったことや株安が背景。長期金利は1.75%台まで低下。
- ドル安が進んだことから金は反発。原油価格はドーハの産油国会合を前に続落し、40ドル台前半まで下げる。
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4月NY連銀製造業景気指数 → 9.56
3月鉱工業生産 → −0.6%
4月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値) → 89.7
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ドル/円 108.60 〜 109.05 ユーロ/ドル 1.1272 〜 1.1317 ユーロ/円 122.53 〜 123.05 NYダウ −28.97 → 17,897.46ドル GOLD +8.10 → 1,234.60ドル WTI −1.14 → 40.36ドル 米10年国債 −0.040 → 1.752% 本日の注目イベント
- 米 4月NAHB住宅市場指数
- 米 企業決算 →モルガン・スタンレー
- 米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
- 米 ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
週明けのオセアニアは市場では円が買われて、一時は108円を割り込むレベルまでドル安が進んでいます。先週末のNYでは108円60銭近辺で取り引きを終えているため、「窓明け」を示現しています。
理由は幾つかあろうかと思います。先ずは、熊本地震の影響です。14日夜に発生した熊本地震は、その後も震度7を記録するなど、大きな揺れが継続的に発生しており、まだ被害が広がる可能性もあります。東日本大震災の時もそうでしたが、地震発生は円買いドル売りにつながる傾向があります。
またワシントンで行われたG20では、日米で為替の水準を巡る認識が異なり、これが円高につながっています。麻生財務大臣は「最近の為替市場での一方的に偏った動きに強い懸念を持っている」と発言したのに対して、ルー米財務長官は「最近の円高にもかかわらず、為替市場は秩序を保っている」と発言し、日本の円安誘導をけん制した発言と受け止められています。また同長官は、日本が輸出だけではなく内需押し上げに重点的に取る組むことが必要だとの認識も示しています。この発言を受けて日銀は、介入しにくくなるのではないかとの観測が市場に広がっています。
さらに、注目されていたドーハでの産油国会合ではイランが欠席したことで、増産凍結で合意できませんでした。ブルームバーグによれば、17日の会合は当初の予定時間を大幅に超え、最終合意がないまま終了したようです。サウジアラビアなど湾岸諸国が、イランを含む全OPEC加盟国が参加しない合意には動意しない姿勢を示し、協議は暗礁に乗り上げた。(ロシアのエネルギー相)と伝えています。サウジのサルマン副皇太子は「全ての主要産油国が足並みを揃えない限り、われわれも増産凍結に踏み切らない」と発言し、「凍結しない場合は、あらゆる機会を捉えて原油を売ることになろう」と語っています。これにより週明けの原油市場で再び原油価格が大きく下げる可能性も指摘され、これが引き金となり、株安、円高が進むと見られます。
先週は107円台半ばまで進んだ円高も一服し、株価の方も日経平均株価は3日で1000円を超える上昇を見せるなど、やや下値リスクが後退したかに見えましたが、今週は上記「悪材料」が重なったことで、再び円高と株安が進行する可能性が高まったと思われます。この状況で、政府日銀がどのような対応策を講じてくるのかも注目されます。
熊本地震が発生したことで、2017年4月からの消費税増税は延期される可能性が高まってきたように思います。また来週27−28には日銀金融政策決定会合が開催され、ここでの追加緩和策実施の可能性もやや高まってきたと考えます。仮に急速に円高と株安が進んだ場合に政府日銀が動きを見せないようだと、市場は安心感を持って投機的な取引を拡大することも予想されます。本日のドル円レンジは107円50銭〜108円80銭程度を予想します。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 3/7 黒田・日銀総裁 「今すぐに何かをやるということは考えていない」講演で。 -------- 3/10 ドラギ・ECB総裁 「一段の利下げが必要だとは考えていない」政変変更後の記者会見で。 ユーロドル1.08台前半から1.12台まで急騰 3/16 FOMC声明文 「金融政策スタンスの漸進的調整により経済活動が緩やかなペースで拡大し、労働市場の指標は力強さを増し続けると見込んでいる。ただし、世界の経済・金融情勢が引き続きリスクをもたらしている」 ドル円113円80銭辺りから → 112円台前半に 3/16 スティグリッツ・コロンビア大学教授 「日銀の金融政策だけでは限界がある。次に財政政策をとることが重要だ」国際金融経済分析会合で。 -------- 3/21 ロックハ−ト・アトランタ連銀総裁 「早ければ4月末に予定されている会合も含め、今後の会合での追加措置を正当化するだけの勢いが景気にある。その勢いは経済データが裏付けている」講演で。 ドル円111円台半ばから後半へ 3/22 エバンス・シカゴ連銀総裁 「今年の米経済成長率を2−2.5%と予想し、ファンダメンタルズが非常に良好な状態にある」講演で。 ドル円111円台半ばから112円台半ばへ上昇 3/23 ブラード・セントルイス連銀総裁 「雇用統計では力強い内容があらためて示され、労働市場は改善しつつあると見受けられる。4月利上げを支持する論拠といえそうだ」ブルームバーグとのインタビューで。 ドル円112円台後半へ上昇 3/29 イエレン・FRB議長 「FOMCは政策調整を慎重に進めるのが適切だと私は考えている」講演で。 ドル円急落。株安・債券高が急速に進む。 4/4 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「米景気が想定より強く、今後2年間の金融政策は先物市場が織り込んでいるよりも引き締め方向に向かう可能性がある」講演で。 ドルがやや反発。 4/5 安倍首相 「通貨安競争は絶対さけなければならない。恣意的な為替市場への介入は慎まなければならない」WSJ紙とのインタビューで。 ドル売りに拍車。一時110円を割り込む 4/7 カプラン・ダラス連銀総裁 「FRBは次の利上げ時期に近づいている」講演で。 -------- 4/7 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「米経済が現在見られるペースで雇用を生み続け、インフレが上向き続ければ、予測された形で金利を徐々に引き上げるべきであることは明白だ」フォックス・ビジネス・ネットワークとのインタビューで。 -------- 4/15 ルー・米財務長官 「最近の円高にもかかわらず、為替市場は秩序を保っている」G20後の会見で。 --------



