今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年4月21日(木)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は原油高や株高に引っ張られ109円88銭まで買われる。NYダウが続伸し、長期金利の上昇もドル上昇を支える。
  • ユーロドルはECBのドラギ総裁が追加緩和を示唆したことで下落。ドル高が進んだこともあり1.13を割り込む。
  • 株式市場は原油高を好感し続伸。金融株などが買われ、ダウは42ドル上昇し、3日続伸。
  • 原油高からインフレ懸念が広がり、さらに株価も上昇したことで債券は続落。長期金利は約3週間ぶりに1.84%台まで上昇。
  • 金は小幅ながら4日続伸。原油価格は米国の生産量が減少していたことから続伸し、ほぼ5カ月ぶりに42ドル台半ばへ。

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    3月中古住宅販売件数 → 533万件
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    ドル/円 109.13 〜 109.88
    ユーロ/ドル 1.1290 〜 1.1388
    ユーロ/円 123.72 〜 124.34
    NYダウ +42.67 → 18,096.27ドル
    GOLD +0.1 → 1,254.40ドル
    WTI +1.55 → 42.63ドル
    米10年国債 +0.060 → 1.845%

    本日の注目イベント

    • 欧  ユーロ圏5月消費者信頼感(速報値)
    • 欧  ECB政策金利発表
    • 欧  ドラギ・ECB記者会見
    • 英  英3月小売売上高
    • 英  英3月財政収支
    • 米  新規失業保険申請件数
    • 米  3月景気先行指数
    • 米  4月フィラデルフィア連銀景況指数

    やはり足元の相場のドライバーになっているのは原油価格です。クウェート石油施設でのストライキが収束したことでWTI原油価格は一旦は売られましたが、そこから切りかえし、結局前日比1ドル55セント上昇し、42ドル63セントで取引を終えています。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間統計で米国の生産減少が明らかになり、買い戻しが加速しました。またイラクのニマ副石油相が、5月にはロシアで生産量据え置きを目指した産油国会合が開かれると述べたことも上昇に働いたと思われます。

    原油価格の上昇に、NYダウは後場に入ると上昇の勢いを増し、引けにかけては上げ幅を縮小したものの3日続伸し、1万8100ドルに迫る水準まで上昇しています。これで、昨年記録した史上最高値に200ドル程度と迫り、原油価格次第では最高値更新も視野に入った形になりました。今後の米利上げペースは極めて緩やかになることに加え、一時は26ドルを割り込んだ原油価格が戻り基調を見せたことで、米株式市場には資金流入が続いています。

    一方で原油高と株高は将来のインフレ率を押し上げるとの観測が広がり、債券は売られ、長期金利が上昇して来ました。この結果、投資家のリスク許容度が高まり、本来は円安が進み易いのですが、ドル円ではそれほど円安には振れていません。これは、昨日も述べましたが、110円に近い水準では多くのドル売りが集中していることが理由かと思われます。それでもドル円以外の通貨に対しては昨日よりも幾分円安が進んでいるのが見て取れます。

    日経平均株価は依然として1万7000円に届いておらず、一方NYダウは最高値が視野に入ってきており、両者の違いは歴然としています。ただ、このまま日本株だけが置き去りにされることはなく、さらにその差が開けば日本株に「割安感」が出てきて、資金が日本株に向うことも想定されます。今年に入ってからの株式市場の動きとドル円の動きを見ると、米国株との相関性はかなり薄れてきていますが、日本株とのそれはまだ維持されています。

    このように考えると、ドル円の上値が重いのは事実ですが、そろそろ日本株も「割安感」が出てもおかしくはありません。今日あたりは、ダウが上昇して円安が進んだことから、日本株の出直りのきっかけになるかもしれません。そうなるとドル円も110円をテストする可能性は十分あろうかと思います。110円台でもドル売り意欲は強いと思われ、110円台に乗せたからといってそこから一気に上昇速度を増すとも思えませんが、110円台には「ストップロスのドル買い」があることにも注意が必要です。日本株の上昇幅と、今夜のECBの政策発表に注目し、ECBがサプライズの追加緩和に動けば、ドル高ユーロ安が進み、これがドル円でもドル高円安を誘発させることも考えられます。

    本日の予想レンジは109円10銭〜110円30銭程度と見ています。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    3/7 黒田・日銀総裁 「今すぐに何かをやるということは考えていない」講演で。 --------
    3/10 ドラギ・ECB総裁 「一段の利下げが必要だとは考えていない」政変変更後の記者会見で。 ユーロドル1.08台前半から1.12台まで急騰
    3/16 FOMC声明文 「金融政策スタンスの漸進的調整により経済活動が緩やかなペースで拡大し、労働市場の指標は力強さを増し続けると見込んでいる。ただし、世界の経済・金融情勢が引き続きリスクをもたらしている」 ドル円113円80銭辺りから → 112円台前半に
    3/16 スティグリッツ・コロンビア大学教授 「日銀の金融政策だけでは限界がある。次に財政政策をとることが重要だ」国際金融経済分析会合で。 --------
    3/21 ロックハ−ト・アトランタ連銀総裁 「早ければ4月末に予定されている会合も含め、今後の会合での追加措置を正当化するだけの勢いが景気にある。その勢いは経済データが裏付けている」講演で。 ドル円111円台半ばから後半へ
    3/22 エバンス・シカゴ連銀総裁 「今年の米経済成長率を2−2.5%と予想し、ファンダメンタルズが非常に良好な状態にある」講演で。 ドル円111円台半ばから112円台半ばへ上昇
    3/23 ブラード・セントルイス連銀総裁 「雇用統計では力強い内容があらためて示され、労働市場は改善しつつあると見受けられる。4月利上げを支持する論拠といえそうだ」ブルームバーグとのインタビューで。 ドル円112円台後半へ上昇
    3/29 イエレン・FRB議長 「FOMCは政策調整を慎重に進めるのが適切だと私は考えている」講演で。 ドル円急落。株安・債券高が急速に進む。
    4/4 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「米景気が想定より強く、今後2年間の金融政策は先物市場が織り込んでいるよりも引き締め方向に向かう可能性がある」講演で。 ドルがやや反発。
    4/5 安倍首相 「通貨安競争は絶対さけなければならない。恣意的な為替市場への介入は慎まなければならない」WSJ紙とのインタビューで。 ドル売りに拍車。一時110円を割り込む
    4/7 カプラン・ダラス連銀総裁 「FRBは次の利上げ時期に近づいている」講演で。 --------
    4/7 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「米経済が現在見られるペースで雇用を生み続け、インフレが上向き続ければ、予測された形で金利を徐々に引き上げるべきであることは明白だ」フォックス・ビジネス・ネットワークとのインタビューで。 --------
    4/15 ルー・米財務長官 「最近の円高にもかかわらず、為替市場は秩序を保っている」G20後の会見で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和