2016年4月25日(月)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 日銀が金融機関への貸し出しにもマイナス金利を適用との報道からドル円は急騰。東京時間に110円台に乗せ、NYでは111円81銭まで円安が進む。
- ユーロドルでもドル買いユーロ売りが優勢に。1.12台前半までユーロ安が進む。ユーロ円は125円台半ばまで上昇。
- 株式市場は高安まちまち。ダウは21ドル上昇し1万8000ドルを回復したものの、ナスダックは39ポイント反落。
- 債券相場は続落。長期金利は1.88%台まで上昇。
- ドル高が進んだことから金は大幅安。原油価格は小反発。
ドル/円 110.75 〜 111.81 ユーロ/ドル 1.1218 〜 1.1270 ユーロ/円 124.74 〜 125.51 NYダウ +21.23 → 18,003.75ドル GOLD −20.30 → 1,230.00ドル WTI +0.55 → 43.73ドル 米10年国債 +0.027 → 1.888% 本日の注目イベント
- 独 独4月IFO景況指数
- 米 3月新築住宅販売件数
先週末の東京時間、日銀の政策変更に関する報道から急速に株高と円安が進み、ドル円は110円台に乗せ、NY市場では111円台後半まで一気にドルが買われました。現在日銀に預けている預金に対して、一定金額以上にはマイナス金利が適用されていますが、日銀が金融機関に貸し出しする分にもマイナス金利を適用しようという案が検討されているとの報道です。ブルームバーグによると、日銀は成長基盤強化と貸し出し増加に向けた取り組みを支援するため、貸出支援基金を設けて金融機関に対して現在0%で資金供給を行っています。
これが実現すれば、金融機関の収益にプラスに働くだけではなく、低金利の貸し出しが増えるとの見方から企業にとってもプラスで、株価の上昇と円安につながったようです。もっとも、ヘッジファンドなどの「円買い・ドル売り」ポジションは過去最高レベルに積みあがっており、このポジションの巻き戻しが相場を押し上げたと見ることもできます。まだ新規にドル買いポジションを構築する場面ではないと考えます。
今週27−28日の日銀金融政策決定会合では追加緩和期待が非常に高く、多くの専門家が、今回は政策変更があると予想しています。特に熊本地震の影響から景気の下振れリスクが高まっており、個人的には5月18日に発表される1−3月期GDPの発表を受けてからの政策変更を予想していましたが、実施の可能性は急速に高まっています。日本株の出遅れは鮮明でしたが、先週後半にかけては1万7500円台まで急回復しており、株価の戻りも円売りにつながっています。
今週は、もちろん上記決定会合の行方が最大の焦点になりますが、その前に米国では26日からFOMCが開催されます。今回のFOMCについては、政策変更はないとの見方が優勢で、この点は市場のコンセンサスになっています。問題はその後の利上げのペースを占う文言の内容です。市場は6月のFOMCでの利上げの可能性を探ることになりますが、ここでの利上げ観測が後退するような内容だと、ドルが再び売り込まれる可能性も出てきます。一方6月利上げの可能性が高まれば、「年内2回の利上げ」も意識され、ドル買い材料と見られることにもなります。声明文の内容に注目です。
テクニカルを観てみると、ローソク足は「8時間足」の120日線を上抜けしています。また、「日足」では[52日線」に差し掛かっている状況です。この上には「かなり厚い雲」が横たわっており、その雲の下限は112円台半ばということになります。先ずは、この雲の下限が相当意識される水準になろうかと思います。
今回のドルの上昇は、伏線として原油価格の安定があり、その影響から米国株が連日年初来高値を更新して来ました。同時に米利上げのペースが極めて緩やかになるとの観測も株価を押し上げて来ましたが、日本株だけは「蚊帳の外」で、これが円高と相まって低水準にとどまっていた理由だろうと思います。これが先週末の報道と今週の金融決定会合での政策変更観測から、ようやく水準訂正に動いたものと見られます。本日も金融政策変更の可能性と、株価の動きに注意しながら相場に対峙するしかありません。予想レンジは110円80銭〜112円程度と見ています。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 3/7 黒田・日銀総裁 「今すぐに何かをやるということは考えていない」講演で。 -------- 3/10 ドラギ・ECB総裁 「一段の利下げが必要だとは考えていない」政変変更後の記者会見で。 ユーロドル1.08台前半から1.12台まで急騰 3/16 FOMC声明文 「金融政策スタンスの漸進的調整により経済活動が緩やかなペースで拡大し、労働市場の指標は力強さを増し続けると見込んでいる。ただし、世界の経済・金融情勢が引き続きリスクをもたらしている」 ドル円113円80銭辺りから → 112円台前半に 3/16 スティグリッツ・コロンビア大学教授 「日銀の金融政策だけでは限界がある。次に財政政策をとることが重要だ」国際金融経済分析会合で。 -------- 3/21 ロックハ−ト・アトランタ連銀総裁 「早ければ4月末に予定されている会合も含め、今後の会合での追加措置を正当化するだけの勢いが景気にある。その勢いは経済データが裏付けている」講演で。 ドル円111円台半ばから後半へ 3/22 エバンス・シカゴ連銀総裁 「今年の米経済成長率を2−2.5%と予想し、ファンダメンタルズが非常に良好な状態にある」講演で。 ドル円111円台半ばから112円台半ばへ上昇 3/23 ブラード・セントルイス連銀総裁 「雇用統計では力強い内容があらためて示され、労働市場は改善しつつあると見受けられる。4月利上げを支持する論拠といえそうだ」ブルームバーグとのインタビューで。 ドル円112円台後半へ上昇 3/29 イエレン・FRB議長 「FOMCは政策調整を慎重に進めるのが適切だと私は考えている」講演で。 ドル円急落。株安・債券高が急速に進む。 4/4 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「米景気が想定より強く、今後2年間の金融政策は先物市場が織り込んでいるよりも引き締め方向に向かう可能性がある」講演で。 ドルがやや反発。 4/5 安倍首相 「通貨安競争は絶対さけなければならない。恣意的な為替市場への介入は慎まなければならない」WSJ紙とのインタビューで。 ドル売りに拍車。一時110円を割り込む 4/7 カプラン・ダラス連銀総裁 「FRBは次の利上げ時期に近づいている」講演で。 -------- 4/7 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「米経済が現在見られるペースで雇用を生み続け、インフレが上向き続ければ、予測された形で金利を徐々に引き上げるべきであることは明白だ」フォックス・ビジネス・ネットワークとのインタビューで。 -------- 4/15 ルー・米財務長官 「最近の円高にもかかわらず、為替市場は秩序を保っている」G20後の会見で。 --------



