2016年5月17日(火)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は108円台から再び109円台まで上昇。株高に加え、米長期金利の上昇もドルの支えに。109円09銭までドル高が進み、ほぼ高値圏で引ける。
- ユーロドルは1.13台前半で小動き、膠着状態が続き、この日も値幅は30ポイント程度。
- 原油高を好感し株価は急反発。アップル株が急伸したことも市場のセンチメントを明るくし、ダウは175ドル高。
- 株価の大幅高から債券は下落。この日は大手米銀が債券相場に強気の見方を発表したが反落。長期金利は1.75%台まで上昇。
- 金は小幅に続伸。原油価格は半年ぶりに47ドル台まで上昇。
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5月NY連銀製造業景気指数 → −9.02
5月NAHB住宅市場指数 → 58
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ドル/円 108.73 〜 109.09 ユーロ/ドル 1.1314 〜 1.1342 ユーロ/円 123.21 〜 123.51 NYダウ +175.39 → 17,710.71ドル GOLD +1.50 → 1,274.20ドル WTI +1.51 → 47.72ドル 米10年国債 +0.053 → 1.753% 本日の注目イベント
- 日 3月鉱工業生産(確報値)
- 豪 RBA議事録
- 欧 ユーロ圏3月貿易収支
- 英 英4月物価統計
- 米 4月住宅着工件数
- 米 4月建設許可件数
- 米 4月消費者物価指数
- 米 4月鉱工業生産
- 米 サンフランシスコ連銀総裁、アトランタ連銀総裁がイベントで発言
- 米 カプラン・ダラス連銀総裁会合で質疑応答
G7を控えていることもあり、為替市場は動きが小幅になってきました。特にユーロドルではレンジ相場が続いていることもあり、この日のNY市場での値幅はわずか28ポイントと、この通貨ペアとしては極めて異例です。ドル円も109円台に乗せたとはいえ勢いはなく、「嵐の前の静けさ」といった雰囲気です。
米国株が連日値幅を伴って上下していることにドル円も振り回されていますが、昨日もNYダウは一時200ドルを超える上昇をみせ、引け値でも175ドル高だったことでドル円は109円台を回復しました。株価は、投資家ウォーレンバフェットが低迷しているアップル株を購入したことが判明し、同株が大幅高になったことが影響しています。バフェットは、もともとIT株への投資は少なく、保有銘柄もIBMのみでした。
しかも同氏の投資スタンスは「バイ・アンド・ホールド」を基本とし、一旦買ったら長期保有が原則です。そのバフェットがアップル株を大量に買ったことが判明したことで、アップルの将来性を買っているとの観測が広がったようです。それにしても、おん歳85歳の「投資の神様」バフェットの神通力はまだまだ健在のようです。
ドルが買われて円が売られた背景には、政府日銀による市場介入への警戒感が背景にありますが、この日も為替介入の最高指揮者である淺川財務官の言葉が伝えられ、円が売られたとの報道もありますが、今朝の新聞に掲載されている同氏とのインタビューでは、その種の言葉は見当たりません。「人工的な為替介入による競争的な引き下げはしない」と述べており、むしろ介入には慎重な姿勢をにじませているように受け取れます。
個人的にはむしろ黒田日銀総裁の微妙な言葉の変化に気をとめています。総裁は13日の講演で、これまでの「必要ならちゅうちょなく行動する」という「定型文」に加え、「(現在の政策の)効果がはっきりするまで待つことは全くない」と、一歩踏み込んだ発言をしています。4月の金融決定会合では、日銀が動かなかったことにより為替市場や株式市場が大混乱をし、短期間でドル円は6円以上も円高が進みました。「日銀ショック」とも言うべき事態を再度引き起こすわけにはいきません。6月の決定会合での緩和観測が市場で再び高まれば高まるほど、「今度は期待を裏切らない」という見方が強まります。6月会合までにはまだ1カ月ほどありますが、ドル円や株価の水準次第では今度こそ「動く」と、個人的には予想しています。
金融政策の変更は状況によっては可能だとは思いますが、市場で直接ドルを買って円を売る介入はそれほど簡単ではないと思います。G7である程度の理解が得られる必要があります。そのあたりを、今週末のG7で根回しできるのかどうかにもかかってきます。
本日のドル円は108円60銭〜109円50銭程度を予想します。日本株が大幅に上昇するようだと、109円台半ばを再びテストすることもあるかもしれません。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 4/4 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「米景気が想定より強く、今後2年間の金融政策は先物市場が織り込んでいるよりも引き締め方向に向かう可能性がある」講演で。 ドルがやや反発。 4/5 安倍首相 「通貨安競争は絶対さけなければならない。恣意的な為替市場への介入は慎まなければならない」WSJ紙とのインタビューで。 ドル売りに拍車。一時110円を割り込む 4/7 カプラン・ダラス連銀総裁 「FRBは次の利上げ時期に近づいている」講演で。 -------- 4/7 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「米経済が現在見られるペースで雇用を生み続け、インフレが上向き続ければ、予測された形で金利を徐々に引き上げるべきであることは明白だ」フォックス・ビジネス・ネットワークとのインタビューで。 -------- 4/15 ルー・米財務長官 「最近の円高にもかかわらず、為替市場は秩序を保っている」G20後の会見で。 -------- 5/5 安倍首相 「為替の急激な変動は、例えばわが国の貿易関連企業に大きな影響を与えるなど望ましくはない」ロンドンで記者団に。 -------- 5/9 麻生財務大臣 「われわれとしては当然、介入する用意があるということを申し上げる」参院決算委員会で。 ややドル高に 5/12 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「今後入手する経済データが労働市場の緩やかな改善を示すようであれば、金融当局は政策金利の緩やかなペースでの正常化の準備を整えるべきだ」講演で。 -------- 5/13 ルー・米財務長官 「通貨安競争は連鎖する。限られたパイを奪い合うだけで世界のためにはならない」講演で。 ドル円109円台半ばから108円台半ばへ 5/13 黒田・日銀総裁 「(現在の政策の)効果がはっきりするまで待つことは全くない」講演で。 -------- 5/17 淺川・財務官 「人工的な為替介入による競争的な引き下げはしない」日経新聞とのインタビューで。 --------



