2016年5月23日(月)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は住宅関連指標が良好だったことからドル買いが進んだがその後は急速に伸び悩み、前日とほぼ同水準で引ける。一時は110円59銭までドル高に振れたが、依然としてこの水準が重く、110円台前半まで押し戻される。
- ユーロドルは動意もなく小動き。1.12台前半でもみ合い、膠着が続く。
- 株価は揃って反発。連日の下げで値ごろ感から買い戻しが入りダウは65ドル上昇。
- 債券相場は小幅に続伸。長期金利は1.83%と、前日よりやや低下。
- 金は3日続落し、原油価格も続落。
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4月中古住宅販売件数 → 545万件
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ドル/円 110.28 〜 110.59 ユーロ/ドル 1.1204 〜 1.1238 ユーロ/円 123.48 〜 124.05 NYダウ +65.54 → 17,500.94ドル GOLD −1.90 → 1,252.90ドル WTI −0.41 → 47.75ドル 米10年国債 −0.011 → 1.838% 本日の注目イベント
- 日 4月貿易収支
- 独 独5月製造業PMI(速報値)
- 独 独5月サービス業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏5月総合PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏5月製造業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏5月サービス業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏5月消費者信頼感(速報値)
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
- 米 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
- 米 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演
注目された仙台でのG7は、為替相場に関する突っ込んだ議論はなかったようで、足並みは揃っていなかったという印象です。これまで通り、通貨安競争は避けるという点では合意しましたが、日本側が主張する「最近の円高は投機的」との意見は理解を得られず、どちらかと言えば米国の主張する「為替の動きは秩序的」とする意見に近い内容で押し切られた格好です。
麻生財務大臣は会見で「最近の為替市場の動向を踏まえて為替レートに安定が重要との認識をあらためてG7として再確認した」と述べましたが、やや歯切れが悪く、総括的でした。一方ルー財務長官は、日本側の為替認識に対して「無秩序な為替変動についてはハードルが高い」と述べ、これまでの考え方を変えていません。今後急激な円高が進行した際には市場介入できるのかどうかという点に関しては、イエスともノーとも言えず、触れられていません。結局、両国の為替に関する溝は埋まっていないということになります。
G7に続き、今週は伊勢志摩サミットがあります。ここでは為替は議題にはならず、もっぱらアベノミクスの推進に向け、財政出動や構造改革が議論されることになります。安倍首相はサミット後に消費税増税を予定通り実施するのか、あるいは延期するのかを決断すると言って来ました。サミットでの議論がこの決断に影響を与える可能性もあり、この点では注目されますが、主要国の儀礼的なイベントになりつつあるため、期待はできません。
ドル円は5月3日の105円55銭を底値に堅調な動きが続いています。先週末のNYでは110円59銭までドルが買われたため、底値からは約5円ドルが反発したことになります。この背景は6月のFOMCで利上げ観測が急速に高まってきたことが挙げられます。市場は6月利上げに対しては否定的でしたが、先週には多くの地区連銀総裁が「年内2〜3回の利上げが適切になるだろう」との認識を示したことで、市場の見方も修正を余儀なくされています。事実、先週発表された米国経済指標は概ね、これらの発言を正当化させるものでした。
110円台半ばまで上昇したドル円は、現在「雲の下限」と「52日線」にぶつかっています。ここからさらに上昇すれば「雲」に入ることになりますが、「雲」を抜け切るには112円台半ばまで上昇する必要があります。ただ、「雲」は徐々に右肩下がりを見せているので、あと10日もすれば110円台半ばでも「上抜け」を達成することができます。従ってこのまま110円台維持することができるのであれば雲を抜け、一段と上昇する可能性もありますが、それは今後のイベント次第ということになります。
今週も地区連銀総裁の講演が多く予定されています。最も注目しているのは、27日にハーバード大学で講演するイエレン議長の発言内容です。先週の地区連銀総裁と同じような内容になると、6月利上げが俄然強まりドルの支援材料になります。本日のレンジは109円50銭〜110円50銭と予想しますが、ドルが上昇した場合に110円台半ばをしっかりと抜けるかどうかにも注目しています。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 4/4 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「米景気が想定より強く、今後2年間の金融政策は先物市場が織り込んでいるよりも引き締め方向に向かう可能性がある」講演で。 ドルがやや反発。 4/5 安倍首相 「通貨安競争は絶対さけなければならない。恣意的な為替市場への介入は慎まなければならない」WSJ紙とのインタビューで。 ドル売りに拍車。一時110円を割り込む 4/7 カプラン・ダラス連銀総裁 「FRBは次の利上げ時期に近づいている」講演で。 -------- 4/7 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「米経済が現在見られるペースで雇用を生み続け、インフレが上向き続ければ、予測された形で金利を徐々に引き上げるべきであることは明白だ」フォックス・ビジネス・ネットワークとのインタビューで。 -------- 4/15 ルー・米財務長官 「最近の円高にもかかわらず、為替市場は秩序を保っている」G20後の会見で。 -------- 5/5 安倍首相 「為替の急激な変動は、例えばわが国の貿易関連企業に大きな影響を与えるなど望ましくはない」ロンドンで記者団に。 -------- 5/9 麻生財務大臣 「われわれとしては当然、介入する用意があるということを申し上げる」参院決算委員会で。 ややドル高に 5/12 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「今後入手する経済データが労働市場の緩やかな改善を示すようであれば、金融当局は政策金利の緩やかなペースでの正常化の準備を整えるべきだ」講演で。 -------- 5/13 ルー・米財務長官 「通貨安競争は連鎖する。限られたパイを奪い合うだけで世界のためにはならない」講演で。 ドル円109円台半ばから108円台半ばへ 5/13 黒田・日銀総裁 「(現在の政策の)効果がはっきりするまで待つことは全くない」講演で。 -------- 5/17 淺川・財務官 「人工的な為替介入による競争的な引き下げはしない」日経新聞とのインタビューで。 -------- 5/17 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「現在のところ私の想定では2回、場合によっては3回実施される可能性はある」講演で。 ドル円109円台半ばから109円割れに 5/17 ロックハート・アトランタ連銀総裁 FOMC予測における「緩やかな、という表現は年2、3回の利上げを意味する」、「市場は確実に私よりも悲観的だ」講演で。 ドル円109円台半ばから109円割れに 5/19 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「6月に金利を引き上げる根拠は非常に強いと考えられる」講演で。 --------



