2016年5月24日(火)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 110円を挟んでもみ合っていたドル円は、米利上げ観測が高まり、株価も軟調だったことからトレンドラインを割り込み下落。109円12銭までドル安が進んだが、109円台は維持。
- ユーロドルは1.12を中心に推移。ドル安が進んだ割にはユーロは買われず、ユーロ円は122円台前半まで下落。
- 先週に引き続き連銀総裁の利上げ発言が相次いだことから株価は続落。大型のM&Aがサポート材料にはなったものの、ダウは8ドル安。
- 債券相場はほぼ横ばい。利上げを織り込む動きもあったが、価格は小幅に上昇。
- 金は続落。原油価格もカナダの操業再開の動きが上値を抑え、小幅に続落。
ドル/円 109.12 〜 109.57 ユーロ/ドル 1.1188 〜 1.1231 ユーロ/円 122.38 〜 122.79 NYダウ −8.01 → 17,482.93ドル GOLD −1.41 → 1,251.50ドル WTI −0.33 → 48.08ドル 米10年国債 −0.003 → 1.835% 本日の注目イベント
- 独 独5月ZEW景況感指数
- 独 独1−3月期GDP(確報値)
- 欧 ユーロ圏財務相会合
- 英 英4月財政収支
- 米 4月新築住宅販売件数
- 米 5月リッチモンド連銀製造業指数
ドル円は先週まで110円を挟むもみ合いを見せていましたが、やや下値を試す動きに変わっています。先週末のNY市場では110円59銭までドルが上昇する場面もありましたが、結局110円台半ばをしっかり抜けなかったことで、今度は下方をテストしている状況になったと見られます。背景はやはり利上げ観測が高まっていることが挙げられます。
サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は先週に引き続き利上げには前向きな発言をし、年内に2〜3回の利上げ、さらに来年は3〜4回の利上げの可能性に言及しました。またセントルイス連銀のブラード総裁は、6月に実施されるイギリスのEUからの離脱を問う国民投票について、FOMC会合には影響しないとの認識を示しました。同総裁は「投票で離脱が決定される可能性はこのところ低下しているようだが、FOMCの政策決定には影響しないと考えている」と述べています。(ブルームバーグ)
連日利上げを容認する発言が相次いでいることから、株式と債券が軟調になり、これがドル円を押し下げている面もあります。利上げそのものはドルにとっては上昇材料になりますが、株価の下落が「リスクオフ」につながり、これが円買いを連想させている状況です。
ここまでFOMCメンバーである連銀総裁が利上げが適切であるとの発言を繰り返すと、あとはイエレン議長が同じような認識を持っているのかどうかに市場の関心が集まります。そのイエレン議長の講演は週末の27日にあり、さらに6月初旬にも予定されています。議長が利上げに前向きだとすれば、次回6月のFOMCでの追加利上げの可能性がさらに高まり、ドルのサポート要因になりますが、その際上でも述べたように、株価の動きと債券相場がどのような反応を見せるのかは不透明です。
結局チャートを見るとドル円は日足の「雲」に上昇を抑えられ、押し返された格好になっています。今度はどこまで下落するかに注目が集まりますが、「4時間足」の雲の上限と、さらに「8時足」の雲の上限が108円70銭〜109円近辺にあることから、このあたりが目先の下値のメドと見ています。仮にさらに下落した場合には108円07銭が、今回の上昇幅の「半値戻し」の水準になります。
6月利上げの可能性が徐々に強まり、市場はこれを織り込む形で110円台半ばまでドル高が進みました。そうだとすれば、この次は「年内に何回利上げがあるのか」に焦点が移ってきます。6月に今年最初の利上げが実施され、さらに9月か12月にも利上げがあるようだと、ドル円はそれ程下がらない可能性もあります。この先まだまだ材料には事欠かないことから、神経質な展開が続くと見るべきでしょう。サミット、イエレン議長の講演、消費税増税の行方、さらに6月に入ると雇用統計と日米の金融会合が続きます。
本日のドル円は108円70銭〜109円70銭程度と予想します。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 4/4 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「米景気が想定より強く、今後2年間の金融政策は先物市場が織り込んでいるよりも引き締め方向に向かう可能性がある」講演で。 ドルがやや反発。 4/5 安倍首相 「通貨安競争は絶対さけなければならない。恣意的な為替市場への介入は慎まなければならない」WSJ紙とのインタビューで。 ドル売りに拍車。一時110円を割り込む 4/7 カプラン・ダラス連銀総裁 「FRBは次の利上げ時期に近づいている」講演で。 -------- 4/7 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「米経済が現在見られるペースで雇用を生み続け、インフレが上向き続ければ、予測された形で金利を徐々に引き上げるべきであることは明白だ」フォックス・ビジネス・ネットワークとのインタビューで。 -------- 4/15 ルー・米財務長官 「最近の円高にもかかわらず、為替市場は秩序を保っている」G20後の会見で。 -------- 5/5 安倍首相 「為替の急激な変動は、例えばわが国の貿易関連企業に大きな影響を与えるなど望ましくはない」ロンドンで記者団に。 -------- 5/9 麻生財務大臣 「われわれとしては当然、介入する用意があるということを申し上げる」参院決算委員会で。 ややドル高に 5/12 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「今後入手する経済データが労働市場の緩やかな改善を示すようであれば、金融当局は政策金利の緩やかなペースでの正常化の準備を整えるべきだ」講演で。 -------- 5/13 ルー・米財務長官 「通貨安競争は連鎖する。限られたパイを奪い合うだけで世界のためにはならない」講演で。 ドル円109円台半ばから108円台半ばへ 5/13 黒田・日銀総裁 「(現在の政策の)効果がはっきりするまで待つことは全くない」講演で。 -------- 5/17 淺川・財務官 「人工的な為替介入による競争的な引き下げはしない」日経新聞とのインタビューで。 -------- 5/17 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「現在のところ私の想定では2回、場合によっては3回実施される可能性はある」講演で。 ドル円109円台半ばから109円割れに 5/17 ロックハート・アトランタ連銀総裁 FOMC予測における「緩やかな、という表現は年2、3回の利上げを意味する」、「市場は確実に私よりも悲観的だ」講演で。 ドル円109円台半ばから109円割れに 5/19 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「6月に金利を引き上げる根拠は非常に強いと考えられる」講演で。 -------- 5/23 ブラード・セントルイス連銀総裁 「投票で離脱が決定される可能性はこのところ低下しているようだが、FOMCの政策決定には影響しないと考えている」講演で。 --------



