今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年5月25日(水)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 住宅関連指標が良好だったことや、株高、金利高を材料にドル円は再び110円台を回復。110円13銭まで買われほぼこの日の高値圏で引ける。
  • 利上げ観測の高まりからドル買いユーロ売りが優勢に。ユーロドルは1.1133まで下落し、約2カ月ぶりの安値を記録。
  • 新築住宅販売の急増で株式市場は景気に対する楽観的な見方が広がり急反発。ダウは213ドル上昇し、主要指数も揃って反発。
  • 債券は利上げ観測の高まりから反落。長期金利は1.86%台まで上昇。
  • ドル高が進んだことから金は大幅に売られ1229ドル台に。原油は反発し48ドル台半ばに。

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    4月新築住宅販売件数 → 61.9万件
    5月リッチモンド連銀製造業指数 → −1
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    ドル/円 109.68 〜 110.13
    ユーロ/ドル 1.1133 〜 1.1176
    ユーロ/円 122.43 〜 122.73
    NYダウ +213.12 → 17,706.05ドル
    GOLD −22.30 → 1,229.20ドル
    WTI +0.54 → 48.62ドル
    米10年国債 +0.031 → 1.863%

    本日の注目イベント

    • 独  独5月IFO景況指数
    • 米  3月FHFA住宅価格指数
    • 米  カプラン・ダラス連銀総裁講演
    • 米  カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
    • 米  ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
    • 加  カナダ中銀政策金利発表

    4月の新築住宅販売件数は61.9万件で、先月の53.1万件から急増。約8年ぶりの高水準でした。高級物件を取り扱う米トール・ブラザーズの株価は3年ぶりに大幅高を演じるなど、住宅関連銘柄が大きく買われました。NYダウは200ドルを超える上昇をみせ、このところ高まっている利上げ観測を背景に売り込まれていた株式市場が久しぶりに盛況でした。利上げ観測の高まりは、株価にとっては重石となりますが、この日は米景気の先行き対する楽観的な見方が広がったことで、株高ドル高が同時に進行しました。

    ドル円は109円台半ばから切り返し、110円13銭まで買われました。昨日は動きの鈍いユーロドルでもユーロ安ドル高が進み、ユーロドルも1.11台前半まで下落したことが特徴的でした。6月利上げがかなり確実視されてきた証左だろうと思います。

    連日FOMCメンバーによる、6月利上げを正当化する発言が続いていますが、この日もフィラデルフィア連銀のハーカー総裁が、「年内2〜3回の利上げは適切」との発言を行っています。昨日も述べたように、あとは「本命」であるイエレン議長の発言待ちです。FRBとしても、中国や原油安など、外部環境のリスクが後退している今、確実に利上げを行っておきたいとの考えもあろうかと思います。6月利上げの可能性は相当高まったと思われ、あとは市場がどの程度織り込んでいくのかを見極めたいと思います。

    ドル円はNYでは110円台を回復してきましたが、果たして東京市場で110円台を維持できるのかどうかです。東京時間では輸出企業のドル売り予約が持ち込まれる傾向があることは、前回の110円台での攻防で確認済みです。本日も110円台では引き続きドル売り意欲はそれなりにあるものと思われ、110円台半ばを超えるのは東京時間では難しいのではないかと予想しています。あるとすれば、やはり海外市場ということになるでしょう。

    米国の株高を受けて、日本株がどこまで上昇できるのかも見ながら、本日のレンジは109円50銭〜110円50銭程度を予想します。ブルームバーグは、安倍首相は来年4月の消費増税を先送りする方向で、6月1日の今国会期末後にも表明すると伝えています。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    4/4 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「米景気が想定より強く、今後2年間の金融政策は先物市場が織り込んでいるよりも引き締め方向に向かう可能性がある」講演で。 ドルがやや反発。
    4/5 安倍首相 「通貨安競争は絶対さけなければならない。恣意的な為替市場への介入は慎まなければならない」WSJ紙とのインタビューで。 ドル売りに拍車。一時110円を割り込む
    4/7 カプラン・ダラス連銀総裁 「FRBは次の利上げ時期に近づいている」講演で。 --------
    4/7 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「米経済が現在見られるペースで雇用を生み続け、インフレが上向き続ければ、予測された形で金利を徐々に引き上げるべきであることは明白だ」フォックス・ビジネス・ネットワークとのインタビューで。 --------
    4/15 ルー・米財務長官 「最近の円高にもかかわらず、為替市場は秩序を保っている」G20後の会見で。 --------
    5/5 安倍首相 「為替の急激な変動は、例えばわが国の貿易関連企業に大きな影響を与えるなど望ましくはない」ロンドンで記者団に。 --------
    5/9 麻生財務大臣 「われわれとしては当然、介入する用意があるということを申し上げる」参院決算委員会で。 ややドル高に
    5/12 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「今後入手する経済データが労働市場の緩やかな改善を示すようであれば、金融当局は政策金利の緩やかなペースでの正常化の準備を整えるべきだ」講演で。 --------
    5/13 ルー・米財務長官 「通貨安競争は連鎖する。限られたパイを奪い合うだけで世界のためにはならない」講演で。 ドル円109円台半ばから108円台半ばへ
    5/13 黒田・日銀総裁 「(現在の政策の)効果がはっきりするまで待つことは全くない」講演で。 --------
    5/17 淺川・財務官 「人工的な為替介入による競争的な引き下げはしない」日経新聞とのインタビューで。 --------
    5/17 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「現在のところ私の想定では2回、場合によっては3回実施される可能性はある」講演で。 ドル円109円台半ばから109円割れに
    5/17 ロックハート・アトランタ連銀総裁 FOMC予測における「緩やかな、という表現は年2、3回の利上げを意味する」、「市場は確実に私よりも悲観的だ」講演で。 ドル円109円台半ばから109円割れに
    5/19 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「6月に金利を引き上げる根拠は非常に強いと考えられる」講演で。 --------
    5/23 ブラード・セントルイス連銀総裁 「投票で離脱が決定される可能性はこのところ低下しているようだが、FOMCの政策決定には影響しないと考えている」講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和