2016年6月2日(木)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 111円を挟んでもみ合いが続いていたドル円は東京時間に110円を割り込み、NYでは1週間ぶりに109円05銭まで下げる。消費増税延期も既に織り込まれ日本株の大幅安に連れ、ドル売り円買いが加速した。
- ユーロドルは引き続き小動き。本日のECB理事会を控え、1.11台半ばから後半で推移。
- 株式市場は下落で始まったが徐々に下げ幅を埋め、結局主要3指数ともプラスで取引を終える。
- 債券市場は小幅に上昇。雇用関連指数の発表を控え小動き。10年債利回りは1.83%と小幅に低下。
- 金は反落。原油価格はOPEC総会を睨み神経質な動きを見せたが、23セント安。
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5月ISM製造業景況指数 → 51.3
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ドル/円 109.05 〜 109.70 ユーロ/ドル 1.1145 〜 1.1194 ユーロ/円 121.88 〜 122.63 NYダウ +2.47 → 17,789.67ドル GOLD −2.80 → 1,214.70ドル WTI −0.09 → 49.01ドル 米10年国債 −0.011 → 1.835% 本日の注目イベント
- 豪 豪4月貿易収支
- 豪 豪4月小売売上高
- 日 5月マネタリーベース
- 欧 ユーロ圏4月生産者物価指数
- 欧 ECB政策金利発表
- 欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
- 欧 OPEC総会(ウイーン)
- 米 5月ADP雇用者数
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 パウエル・FRB理事講演
- 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演
安倍首相は昨日の夕方記者会見で、正式に消費税増税を2019年10月まで延期することを発表しました。世界経済のリスクを前面に出し、それに備えるため増税はできないとの判断を示したわけです。「再延期はない」とした、2014年の自信の発言に対しても「批判は真摯に受け止める」とし、「7月の参院選で信を問う」と述べています。消費増税延期は、本来株価にとってはプラス材料で、株価の上昇がドル円を押し上げるとの予想もありましたが、既に市場に織り込まれていたことから、目先の材料出尽くしと受け止められ、市場の反応は「ドル売り、株売り」でした。タイミングが悪かったと言えるのでしょうか、これまで111円を挟んでもみ合いを続けていたドル円は急落し、1週間ぶりに109円台前半まで円が買われ、株価の上昇も6連騰でピリオドを打ちました。
109円近辺までドル売りが進んだことで、結局、一目均衡表の「雲」(日足)は抜け切れずに、上昇を止められた格好になっています。昨日も述べましたが、上記「雲」を抜け切ることができればもう一段の上昇も見込め、110−115円の新しいレンジを形成できた可能性もあります。一方、このまま109円を割り込むようだと、再び105−110円のレンジに戻ることも予想されます。
1カ月前に105円台半ばまで売り込まれたドル円はその後、後退していた米利上げ観測の高まりと、急激な円高に対する介入警戒感、さらには消費税先送りと景気刺激策などから、111円台半ばまで反発しました。111円台からさらに上昇して115円に向うには、日銀による援護射撃などの材料が必要だと考えていましたが、昨日のドルの急落を目にすると、まさにその通りでした。105−110円のレンジに戻ってしまえば、何かのきっかけで再び105円台を試すことも予想され、111円前後での推移は今後の動きを想定する上で「正念場」でした。
ただ今月はまだまだ材料があり、これでドルの天井を確認したかどうかはわかりません。本日はADP雇用者数の発表があり、明日は雇用統計です。先週末のイエレン発言では「数カ月内の利上げが適切になるだろう」との内容でした。上記雇用関連指標が大きく上振れするようだと、6月のFOMCでの利上げも考えられますが、個人的にはイギリスの国民投票の日程を考慮し、7月での利上げを予想しています。
ドル円は109円近辺まで急落したことで、「1時間足」はおろか、「日足」まで雲を下抜けしています。現時点では「MACD」でデッドクロスは点灯していないことと、依然として「プラス圏」で推移していることを考えると、109円前後で踏みとどまっていることができれば、まだ上昇の可能性は残されていると思います。
先ずは、本日のADP雇用者数やECB理事会での政策内容を見極めることと、OPEC総会の動きも重要になります。このコメントの冒頭での触れたように、安倍首相は再度アベノミクスの復活に全力を注ぎ、政策も総動員すると述べていました。この「総動員」の中に、日銀の追加緩和も意識されているのかどうか、興味のあるところです。正面切って日銀にプレッシャーを与えることはないでしょうが、4月会合での「ゼロ回答」の苦い経験もあります。あと2週間余りでその答えも出ます。本日のレンジは109円〜110円程度と予想します。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 5/5 安倍首相 「為替の急激な変動は、例えばわが国の貿易関連企業に大きな影響を与えるなど望ましくはない」ロンドンで記者団に。 -------- 5/9 麻生財務大臣 「われわれとしては当然、介入する用意があるということを申し上げる」参院決算委員会で。 ややドル高に 5/12 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「今後入手する経済データが労働市場の緩やかな改善を示すようであれば、金融当局は政策金利の緩やかなペースでの正常化の準備を整えるべきだ」講演で。 -------- 5/13 ルー・米財務長官 「通貨安競争は連鎖する。限られたパイを奪い合うだけで世界のためにはならない」講演で。 ドル円109円台半ばから108円台半ばへ 5/13 黒田・日銀総裁 「(現在の政策の)効果がはっきりするまで待つことは全くない」講演で。 -------- 5/17 淺川・財務官 「人工的な為替介入による競争的な引き下げはしない」日経新聞とのインタビューで。 -------- 5/17 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「現在のところ私の想定では2回、場合によっては3回実施される可能性はある」講演で。 ドル円109円台半ばから109円割れに 5/17 ロックハート・アトランタ連銀総裁 FOMC予測における「緩やかな、という表現は年2、3回の利上げを意味する」、「市場は確実に私よりも悲観的だ」講演で。 ドル円109円台半ばから109円割れに 5/19 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「6月に金利を引き上げる根拠は非常に強いと考えられる」講演で。 -------- 5/23 ブラード・セントルイス連銀総裁 「投票で離脱が決定される可能性はこのところ低下しているようだが、FOMCの政策決定には影響しないと考えている」講演で。 -------- 5/27 イエレン・FRB議長 「政策今利の引き上げが恐らく数カ月内に適切になるだろう」講演で。 ドル円109円台半ばから110円台に乗せる



