2016年6月3日(金)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は東京市場の流れを受けて続落。日本株の大幅安などを材料に円買いが優勢となり、108円53銭まで下落し108円80−90銭で引ける。
- ECBが理事会で政策金利据え置きを決めたが、ユーロドルはややユーロ買いが優った。1.12台前半まで買われたが方向感は定まらず。
- 株式市場は続伸。ADP雇用者数が好調だったことで、S&P500は7カ月ぶりに高値を付ける。
- 債券相場も続伸。10年債利回りは低下し、2週間ぶりに1.80%台を割り込む。
- 金は続落。原油価格はOPEC総会で生産上限設定で合意に至らず一旦売られたが、在庫統計で減少が確認されるとプラスに転じる。
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5月ADP雇用者数 → 17.3万人
新規失業保険申請件数 → 26.7万人
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ドル/円 108.53 〜 109.06 ユーロ/ドル 1.1146 〜 1.1217 ユーロ/円 121.06 〜 122.09 NYダウ +48.89 → 17,838.56ドル GOLD −2.10 → 1,212.60ドル WTI +0.16 → 49.17ドル 米10年国債 −0.036 → 1.799% 本日の注目イベント
- 中 中国 5月財新サービス業PMI
- 中 中国 5月財新コンポジットPMI
- 欧 ユーロ圏4月小売売上高
- 英 英月サービス業PMI
- 米 5月雇用統計
- 米 4月貿易収支
- 米 5月ISM非製造業景況指数
- 米 ブレイナード・FRB理事講演
- 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演(ロンドン)
- 加 カナダ4月貿易収支
注目のOPEC総会では、加盟国は新たな生産上限設定で合意できず、任意の生産を容認する方針を継続することになりました。この決定を受けてWTI原油価格は一時48ドルを割り込む水準まで売り込まれましたが、その後発表された原油在庫が減少していたことが確認されると反発。結局前日比16セント高の、49ドル17セントで取引を終えています。「生産目標設定」では合意できなかったものの、大きな混乱もなく終えています。
ECBは政策金利据え置きを決め、今回の理事会ではサプライズもなく平穏でした。ドラギ総裁は記者会見で「われわれは正しい道を進んでいるが、予断は許されない」と語り、政策変更はなかったものの、「これまでそうしてきたように、使命の範囲内で利用可能なあらゆる手段を駆使し、行動する」と述べ、今後の追加緩和の余地は残していました。
OPEC総会とECB理事会を終え、市場の関心は今夜の雇用統計と週明け7日のイエレン議長の講演に移ります。今夜の雇用統計では、非農業部門雇用者数を16万人と予想しています。前回4月の雇用者数と同水準ですが、事前予想が低めなので、ここを大きく下回ると、足元で盛り上がった利上げ観測に水を差すことにもなりかねません。前回の16万人という数字は、昨年9月以来となる低水準で、ややサプライズでしたが、今後この傾向が定着するのか、あるいは前回が一時的なものだったのかを見極める手がかりになりそうです。個人的には米労働市場の増加傾向は緩やかに低減していくと予想しています。
そして、来週に再びイエレン議長の講演が予定されています。先週末のハーバード大学での講演では、予想以上に「タカ派的」で、ややサプライズでした。今回は2回目ということもあり、仮に同じ発言だとしたら、市場への影響は限定的でしょう。注目は、前回の講演で利上げは「数カ月内に」という言い回しだったものが、より具体的に6月、あるいは7月という言い回しに変わるのかどうかという点です。
ドル円は108円台半ばまで下げたことで、105−110円のレンジに戻った印象もあります。ここで定着するかどうかはまだ分かりませんが、これで上値の重かった111円台半ばが、110円程度にシフトして来た可能性はあります。111円台で推移していた時には、105円はやや遠のいた印象もありましたが、105−110円のレンジ内に収まっているようだと、105円はそれほど遠い距離ではありません。特にここ数日で観られたように、下げ相場のスピードは予想以上のものがあります。本日のレンジは荒れる雇用統計を考慮して、108円〜109円50銭程度とします。
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批判を承知の上で「消費税増税」を先送りした安倍首相。何としても、アベノミクスの復活を図りたい考えのようです。かつてワシントンで、「 Buy my Abenomics 」と、誇らしげに演説を行ったこともありました。今や、海外ではアベノミクスは終わったとして、「 Bi bi Abenomics 」と揶揄されているとか。
良い週末を・・・・・。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 5/5 安倍首相 「為替の急激な変動は、例えばわが国の貿易関連企業に大きな影響を与えるなど望ましくはない」ロンドンで記者団に。 -------- 5/9 麻生財務大臣 「われわれとしては当然、介入する用意があるということを申し上げる」参院決算委員会で。 ややドル高に 5/12 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「今後入手する経済データが労働市場の緩やかな改善を示すようであれば、金融当局は政策金利の緩やかなペースでの正常化の準備を整えるべきだ」講演で。 -------- 5/13 ルー・米財務長官 「通貨安競争は連鎖する。限られたパイを奪い合うだけで世界のためにはならない」講演で。 ドル円109円台半ばから108円台半ばへ 5/13 黒田・日銀総裁 「(現在の政策の)効果がはっきりするまで待つことは全くない」講演で。 -------- 5/17 淺川・財務官 「人工的な為替介入による競争的な引き下げはしない」日経新聞とのインタビューで。 -------- 5/17 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「現在のところ私の想定では2回、場合によっては3回実施される可能性はある」講演で。 ドル円109円台半ばから109円割れに 5/17 ロックハート・アトランタ連銀総裁 FOMC予測における「緩やかな、という表現は年2、3回の利上げを意味する」、「市場は確実に私よりも悲観的だ」講演で。 ドル円109円台半ばから109円割れに 5/19 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「6月に金利を引き上げる根拠は非常に強いと考えられる」講演で。 -------- 5/23 ブラード・セントルイス連銀総裁 「投票で離脱が決定される可能性はこのところ低下しているようだが、FOMCの政策決定には影響しないと考えている」講演で。 -------- 5/27 イエレン・FRB議長 「政策今利の引き上げが恐らく数カ月内に適切になるだろう」講演で。 ドル円109円台半ばから110円台に乗せる 6/2 ドラギ・ECB総裁 「われわれは正しい道を進んでいるが、予断は許されない」ECB理事会後の記者会見で。 --------



