今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年6月10日(金) 「ドル下落後反発し107円台に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は朝方106円24銭まで売られたが、失業保険申請件数が予想外に減少していたことでドルは反発。株価のマイナス幅の縮小もあり107円台までドルが上昇。
  • ユーロドルは反落。ドルが買われたことで1.13台前半まで売られる。
  • 株式市場は反落。ダウは1万8000ドル台ということもあり、利益確定の売りから4日ぶりに反落。
  • 債券相場は続伸。英国債も過去最高値まで買われたこともあり、米国債も買われ、長期金利は1.68%台まで低下し2月以来の低水準。
  • 金は続伸し1272ドル台に。原油は上昇が一服となり小幅に反落。

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    新規失業保険申請件数 → 26.4万件
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    ドル/円 106.24 〜 107.18
    ユーロ/ドル 1.1306 〜 1.1352
    ユーロ/円 120.32 〜 121.35
    NYダウ −19.86 → 17,985.15ドル
    GOLD +10.40 → 1,272.70ドル
    WTI −0.67 → 50.56ドル
    米10年国債 −0.015 → 1.687%

    本日の注目イベント

    • 米  6月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
    • 米  5月財政収支
    • 加  カナダ5月失業率

    ドル円は日本株の下落もあり上値の重い展開が続き、NY市場では朝方106円24銭までドル売りが進行しました。株価もマイナスで始まったことから、このまま105円台に入るのではとの雰囲気でしたが週間失業保険申請件数が26.4万件と、予想外の減少を見せたことからドルが買い戻され、107円18銭まで戻っています。来週の日米金融会合の結果を確認するまでは、105−110円のレンジ取引が続く可能性が高まってきたと見られます。

    失業保険申請件数は事前予想が27万件でしたが、26.4万件と、2週連続で26万件台で、減少傾向が見られます。先週末に発表された5月の雇用統計が衝撃的な数字だっただけに、今回の失業保険申請件数もこれまで以上に注目され、一部では予想よりも増加しているのではないかと見られていましたが、結果は雇用の大きな変調は確認できませんでした。

    米長期金利は2月以来となる1.68%台まで低下し、株価は軟調で、通常ならドルが買われる材料がなかったはずなのに、106円台前半から107円台に戻した原動力は、この失業保険申請件数だったと言えます。こうなると、先週末の数字は来月には上方修正される可能性が高く、さらに一時的だったことも考えられるため、ドル買いにつながったものと思われます。

    イギリスの国民投票が2週間後に迫ってきました。ポンドのボラティリティーは2008年のリーマンショック以来の高水準で推移しており、市場関係者が、残留でも離脱でも、相場は大きく動くと予想している表れです。個人投資家としては「様子見」に徹するのが賢明かと思います。

    今朝のブルームバーグの記事では、為替トレーダーは国民投票が行われる日の夜間の混乱に備え、コンピューター取引の時代になる前に確立された技術に頼る準備をしていると報じており、2015年1月に、スイス中銀が突然フラン対ユーロの上限を撤廃して大混乱し、一部の電子取引プラットホームが機能しなくなったことを教訓とするつもりだと伝えています。いずれにしてもリスクは高く、ポジションを保有しているのであれば、証拠金を十分に確保しておくなどの対策は必要です。

    本日はミシガン大学消費者マインドが注目されますが、107円台半ばから上値は重く、一方で106円近辺ではサポートされやすいことから、レンジは106円40銭〜107円40銭程度を予想します。

    「クレヨンしんちゃん」に「回転寿司」。どう考えても私的に使ったとしか思えない支出。今や東京都民だけではなく、全国民に注目されている舛添東京都知事ですが、都議会でも「せこすぎる」「厚顔無恥」という言葉で批判されていました。どんなに批判されようと、知事の地位に固執する枡添氏。知事というのは、それ程魅力のある地位なんでしょうか。「あつかましくて、恥知らずなこと」・・・「厚顔無恥」を辞書でひくとこんな意味だとあります。良い週末を・・・・・。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    5/5 安倍首相 「為替の急激な変動は、例えばわが国の貿易関連企業に大きな影響を与えるなど望ましくはない」ロンドンで記者団に。 --------
    5/9 麻生財務大臣 「われわれとしては当然、介入する用意があるということを申し上げる」参院決算委員会で。 ややドル高に
    5/12 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「今後入手する経済データが労働市場の緩やかな改善を示すようであれば、金融当局は政策金利の緩やかなペースでの正常化の準備を整えるべきだ」講演で。 --------
    5/13 ルー・米財務長官 「通貨安競争は連鎖する。限られたパイを奪い合うだけで世界のためにはならない」講演で。 ドル円109円台半ばから108円台半ばへ
    5/13 黒田・日銀総裁 「(現在の政策の)効果がはっきりするまで待つことは全くない」講演で。 --------
    5/17 淺川・財務官 「人工的な為替介入による競争的な引き下げはしない」日経新聞とのインタビューで。 --------
    5/17 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「現在のところ私の想定では2回、場合によっては3回実施される可能性はある」講演で。 ドル円109円台半ばから109円割れに
    5/17 ロックハート・アトランタ連銀総裁 FOMC予測における「緩やかな、という表現は年2、3回の利上げを意味する」、「市場は確実に私よりも悲観的だ」講演で。 ドル円109円台半ばから109円割れに
    5/19 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「6月に金利を引き上げる根拠は非常に強いと考えられる」講演で。 --------
    5/23 ブラード・セントルイス連銀総裁 「投票で離脱が決定される可能性はこのところ低下しているようだが、FOMCの政策決定には影響しないと考えている」講演で。 --------
    5/27 イエレン・FRB議長 「政策今利の引き上げが恐らく数カ月内に適切になるだろう」講演で。 ドル円109円台半ばから110円台に乗せる
    6/2 ドラギ・ECB総裁 「われわれは正しい道を進んでいるが、予断は許されない」ECB理事会後の記者会見で。 --------
    6/3 メスター・クリーブランド連銀総裁 「当局の金融政策目標を達成するためにフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の緩やかな上昇ペースが適切だと引き続き考えている」講演で。 --------
    6/6 菅・官房長官 「投機的な動きが継続することがないように、為替市場の動向を緊張感を持って注視し、必要な時にはしっかりと対応してもらいたい」記者会見で。 ドル円106円80銭近辺から109円19銭まで上昇
    6/6 イエレン・FRB議長 「中長期的な物価安定と最大限の持続可能は雇用を確保するため、フェデラルファンド(FF)金利は時間をかけて緩やかに上昇しなくてはならないだろうと、私は引き続き考えている」講演で。 市場はドル高、株価で反応
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和