2016年6月15日(水) 「日米金融政策発表待ち」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- イギリスの国民投票に加え、FOMCも控えていることからドル円は106円を挟んで小動き。
- ユーロドルはイギリスのEUからの離脱支持が増えていることで売りが優勢に。1.1189までユーロ安が進んだが勢いはなく、FOMC待ち。
- 株式市場は4日続落。小売売上高が予想を上回ったものの、FOMCやイギリスの国民投票の不透明さが重しに。ダウは57ドル下げナスダック、S&P500も揃って下落。
- 債券相場はほぼ横ばい。このところの上昇スピードに警戒感も出て、上げは一服。長期金利は1.613%近辺で取引を終える。
- 金は小幅ながら5日続伸。原油は今後も需給の改善が見込めないとの見通しから続落。
*******************
5月小売売上高 → +0.5%
*******************
ドル/円 105.86 〜 106.18 ユーロ/ドル 1.1189 〜 1.1241 ユーロ/円 118.63 〜 119.09 NYダウ −57.66 → 17,674.82ドル GOLD +1.20 → 1,288.10ドル WTI −0.39 → 48.49ドル 米10年国債 +0.003 → 1.613% 本日の注目イベント
- 英 英5月雇用統計
- 米 5月生産者物価指数
- 米 6月NY連銀製造業景気指数
- 米 5月鉱工業生産
- 米 FOMC 政策金利発表
- 米 イエレン議長記者会見
連日イギリスの国民投票に関する情報が伝えられていますが、離脱支持派の勢いが増しており現時点では、その可能性は決して低くはありません。TSNが英国の成人2497人を対象に今月7−13日に実施したオンライン調査では、EU離脱支持は47%、残留支持が40%だったと発表しました。ブルームバーグは、これで直近24時間では「離脱支持優勢」を伝える調査は5つ目になると報じており、離脱派勝利の確率は「きわめて高い」とフランス、アクサのCEOの発言も載せています。
世論調査の結果は確かに離脱派有利ですが、かつてスコットランドがイギリスからの独立を問う国民投票でも、事前の世論調査と結果が全く逆だったことが思い起こされ、まだ離脱を前提としたポジションを取るわけにはいきません。態度を保留している票がどちらに流れるかで、僅差で離脱か残留かが決まりそうです。
昨日ブルームバーが緊急の「Brexit」問題のセミナーを開催し、参加してきました。多くのイギリスの専門家は、イギリスがEUから離脱すれば短期的な「ショック」であると同時に長期的な「リスク」になると予想していました。特に2017年以降はイギリスに与える経済的な影響や、資本がイギリスから流出し現在の経常赤字を維持できなくなるリスクが指摘されていました。いずれにしても、イギリスの将来にとっても重要な分岐点になることは間違いないようです。
イギリスの不透明さを背景に、ポンドは主要通貨に対して全面安の動きを見せています。対円でも昨日は149円台前半まで売られ、2013年8月以来の安値を記録しました。もし離脱が決まれば、ポンドとユーロが売られ、ドルと円が受け皿になりそうです。ドル円はもちろん、クロス円も大きく下げる可能性があります。ただ、上で述べたように実際のところ、どちらにころぶかは蓋を開けるまで分からないため、ここで大きなリスクを取るわけには行きません。
明日朝の3時にはFOMCの結果が発表され、3時半からはイエレン議長の記者会見があります。今回のFOMCではまず利上げはないと予想されており、焦点は7月のFOMCでその可能性があるのかどうかを探り出すという点です。上記、イギリスのEUからの離脱が決まれば、FRBの利上げスタンスにも影響を与えます。国民投票は来週23日で、7月のFOMCは26−27日なので当然、国民投票結果は判明しています。米利上げがさら先送りになるようだと、ドル円も一段と下値を試すことになります。 ただここで注意したいことは、筆者もそうですが、多くの専門家が離脱の影響に焦点を当てたコメントをしています。世論調査の結果が示すように、離脱支持が勢いを増していることで、ポンド売りや、ドル円でもショートが徐々に積みあがってきているはずです。もし残留が決まった場合には、ショートカバーが急速に進み、急反転するリスクも意識しておくべきでしょう。本日のドル円は105円50銭〜106円50銭程度としますが、明日未明から昼にかけては、日米の金融政策の発表があり、リスクは下方にあると思われます。FRBが動かず、日銀も動かないとしたら、ドルの上値は限定的と見る方が妥当ですが、日銀に対する期待は捨ててはいません。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 5/5 安倍首相 「為替の急激な変動は、例えばわが国の貿易関連企業に大きな影響を与えるなど望ましくはない」ロンドンで記者団に。 -------- 5/9 麻生財務大臣 「われわれとしては当然、介入する用意があるということを申し上げる」参院決算委員会で。 ややドル高に 5/12 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「今後入手する経済データが労働市場の緩やかな改善を示すようであれば、金融当局は政策金利の緩やかなペースでの正常化の準備を整えるべきだ」講演で。 -------- 5/13 ルー・米財務長官 「通貨安競争は連鎖する。限られたパイを奪い合うだけで世界のためにはならない」講演で。 ドル円109円台半ばから108円台半ばへ 5/13 黒田・日銀総裁 「(現在の政策の)効果がはっきりするまで待つことは全くない」講演で。 -------- 5/17 淺川・財務官 「人工的な為替介入による競争的な引き下げはしない」日経新聞とのインタビューで。 -------- 5/17 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「現在のところ私の想定では2回、場合によっては3回実施される可能性はある」講演で。 ドル円109円台半ばから109円割れに 5/17 ロックハート・アトランタ連銀総裁 FOMC予測における「緩やかな、という表現は年2、3回の利上げを意味する」、「市場は確実に私よりも悲観的だ」講演で。 ドル円109円台半ばから109円割れに 5/19 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「6月に金利を引き上げる根拠は非常に強いと考えられる」講演で。 -------- 5/23 ブラード・セントルイス連銀総裁 「投票で離脱が決定される可能性はこのところ低下しているようだが、FOMCの政策決定には影響しないと考えている」講演で。 -------- 5/27 イエレン・FRB議長 「政策今利の引き上げが恐らく数カ月内に適切になるだろう」講演で。 ドル円109円台半ばから110円台に乗せる 6/2 ドラギ・ECB総裁 「われわれは正しい道を進んでいるが、予断は許されない」ECB理事会後の記者会見で。 -------- 6/3 メスター・クリーブランド連銀総裁 「当局の金融政策目標を達成するためにフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の緩やかな上昇ペースが適切だと引き続き考えている」講演で。 -------- 6/6 菅・官房長官 「投機的な動きが継続することがないように、為替市場の動向を緊張感を持って注視し、必要な時にはしっかりと対応してもらいたい」記者会見で。 ドル円106円80銭近辺から109円19銭まで上昇 6/6 イエレン・FRB議長 「中長期的な物価安定と最大限の持続可能は雇用を確保するため、フェデラルファンド(FF)金利は時間をかけて緩やかに上昇しなくてはならないだろうと、私は引き続き考えている」講演で。 市場はドル高、株価で反応



