2016年6月16日(木) 「FOMC利上げ見送り」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はFOMC声明文発表直後に105円41銭まで下落。利上げのペースがさらに緩やかになるとの見方が広がりドル売りにつながったが、引けにかけては106円近辺まで値を戻す。
- ユーロドルは1.12台から1.13にかけてドル売りが強まったが、来週の英国の国民投票が重石となりユーロ買いは続かず。
- 株式市場は揃って5日続落。低調な成長見通しやEU離脱問題が懸念材料となり売りが優勢に。ダウは34ドル下げる。
- 債券相場は続伸。FOMC声明文を受け、緩やかな利上げ観測を背景に買われる。日独の長期債がマイナス金利であることも、米国債に資金が集まった理由と見られる。
- 金は6日続伸。原油価格は続落し48ドル割れ目前に。
************************
5月生産者物価指数→ +0.4%
6月NY連銀製造業景気指数 → +6.01
5月鉱工業生産 → −0.4%
************************
ドル/円 105.41 〜 106.23 ユーロ/ドル 1.1210 〜 1.1299 ユーロ/円 118.84 〜 119.49 NYダウ −34.65 → 17,640.17ドル GOLD +0.20 → 1,288.30ドル WTI −0.48 → 48.01ドル 米10年国債 −0.038 → 1.572% 本日の注目イベント
- 豪 豪5月雇用統計
- 日 日銀金融政策決定会合
- 日 黒田日銀総裁記者会見
- 欧 ユーロ圏5月消費者物価指数(改定値)
- 欧 ECB経済報告
- 英 BOE金融政策発表
- 英 BOE議事録
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 5月消費者物価指数
- 米 6月NAHB住宅市場指数
今朝方発表されたFOMC声明文では、予想通り利上げは見送られ、その後のイエレン議長の発言からは7月に利上げがあるのかないのかのヒントは見つけられませんでした。直後に、ドル円は105円41銭までドル売りが進んだものの、NYの最後には106円近辺に戻っています。105円台半ばを割り込めば、一気に105円割れを試すのではないかと見ていましたが、予想外に底堅さを見せたドル円でした。これは、あと4時間もすれば、今度は日銀の金融政策決定会合の結果が発表されることも理由の一つではないかと見られます。
7月の利上げに関しては、イエレン議長は言質を与えてはくれませんでしたが、今後も緩やかな利上げスタンスが維持されるという点では前回会合と変わってはいません。年内2回の利上げを見込んでいる点も同じでしたが、ただ、中身は変わっていました。年内の利上げを1回と予想しているメンバーが前回は1人しか居ませんでしたが、今回は6人に増えています。年内2回利上げを予測するメンバーの数が減ったことが明らかになりました。
イエレン議長は声明文発表後の記者会見で、23日に行われる英国の国民投票に触れ、「われわれが議論した不確定要因の一つで、この日の決定において考慮された」と言明しました。利上げを見送った理由の一つが英国の国民投票であり、リスクとして意識されていることが分かりました。議長はさらに英国のEUからの離脱が決まれば、「米経済見通しに影響を及ぼす可能性があり、その見通しは政策の適切な進路を判断する一因になるだろう」とも語っています。
もし、来週23日の国民投票で離脱が決まれば、「7月のFOMCでも利上げが見送られることも十分あり得る」と受け止めることもできますが、一方で議長は「労働市場の指標は力強さを増す」と、雇用回復にも自信を示しています。(ブルームバーグ)また、今後の金利見通しについては「緩やかな」ペースで上昇する可能性が高いとの見方を改めて示しながらも利上げの時期については言及しませんでした。結局、市場予想通り利上げが見送られ、7月利上げに関するヒントを得ることも出来ませんでしたが、これまで通り今後の経済指標次第ということで、7月8日に発表される雇用統計が一段と重要度を増してきたと言えます。
FOMCメンバーでもある、クリ−ブランド連銀のブラード総裁は先日の講演では、英国の国民投票に関して楽観的な見方を示していましたが、このところの世論調査の結果が全て「離脱支持派」の優勢を伝えたことで、今回のFOMCの会合でも大きなリスクになる可能性が議論されたと思われます。
本日は世界中の目が米国から日本に移ります。早ければ11時半ごろには金融政策決定会合の結果が発表されるからです。ブルームバーグの事前調査では、エコノミスト40人を対象に実施したところ、今会合での追加緩和予想は11人(28%)で、次回7月会合が22人(55%)と、本日日銀が行動を起こすと予想する人は少数になっています。今朝のFOMCでの決定と同じように、23日の英国国民投票前には動けないだろうという見方が優勢です。個人的には少数派に属しますが、本日の会合で追加緩和があるのではないかと予想しています。本日もし日銀が前回同様に「ゼロ回答」であったら、ドル円は105円を目指す可能性があり、株価も1万5000円割れを試すことにもなりかねません。これらはある意味「アベノミクスの終焉」にもつながり、安倍首相の消費増税延期の「決断」とも整合しないと考えるからです。
本日は決定内容次第で相場は大きく揺れ動くと予想されます。レンジは105円〜106円50程度と予想しますが、どちらにも外れる可能性もあります。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 5/5 安倍首相 「為替の急激な変動は、例えばわが国の貿易関連企業に大きな影響を与えるなど望ましくはない」ロンドンで記者団に。 -------- 5/9 麻生財務大臣 「われわれとしては当然、介入する用意があるということを申し上げる」参院決算委員会で。 ややドル高に 5/12 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「今後入手する経済データが労働市場の緩やかな改善を示すようであれば、金融当局は政策金利の緩やかなペースでの正常化の準備を整えるべきだ」講演で。 -------- 5/13 ルー・米財務長官 「通貨安競争は連鎖する。限られたパイを奪い合うだけで世界のためにはならない」講演で。 ドル円109円台半ばから108円台半ばへ 5/13 黒田・日銀総裁 「(現在の政策の)効果がはっきりするまで待つことは全くない」講演で。 -------- 5/17 淺川・財務官 「人工的な為替介入による競争的な引き下げはしない」日経新聞とのインタビューで。 -------- 5/17 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「現在のところ私の想定では2回、場合によっては3回実施される可能性はある」講演で。 ドル円109円台半ばから109円割れに 5/17 ロックハート・アトランタ連銀総裁 FOMC予測における「緩やかな、という表現は年2、3回の利上げを意味する」、「市場は確実に私よりも悲観的だ」講演で。 ドル円109円台半ばから109円割れに 5/19 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「6月に金利を引き上げる根拠は非常に強いと考えられる」講演で。 -------- 5/23 ブラード・セントルイス連銀総裁 「投票で離脱が決定される可能性はこのところ低下しているようだが、FOMCの政策決定には影響しないと考えている」講演で。 -------- 5/27 イエレン・FRB議長 「政策今利の引き上げが恐らく数カ月内に適切になるだろう」講演で。 ドル円109円台半ばから110円台に乗せる 6/2 ドラギ・ECB総裁 「われわれは正しい道を進んでいるが、予断は許されない」ECB理事会後の記者会見で。 -------- 6/3 メスター・クリーブランド連銀総裁 「当局の金融政策目標を達成するためにフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の緩やかな上昇ペースが適切だと引き続き考えている」講演で。 -------- 6/6 菅・官房長官 「投機的な動きが継続することがないように、為替市場の動向を緊張感を持って注視し、必要な時にはしっかりと対応してもらいたい」記者会見で。 ドル円106円80銭近辺から109円19銭まで上昇 6/6 イエレン・FRB議長 「中長期的な物価安定と最大限の持続可能は雇用を確保するため、フェデラルファンド(FF)金利は時間をかけて緩やかに上昇しなくてはならないだろうと、私は引き続き考えている」講演で。 市場はドル高、株価で反応 6/15 イエレン・FRB議長 「われわれが議論した不確定要因の一つで、この日の決定において考慮された」「米経済見通しに影響を及ぼす可能性があり、その見通しは政策の適切な進路を判断する一因になるだろう」英国の国民投票に関して、FOMC後の記者会見で。 ドル円105円台後半から105円41銭近辺まで下落



