今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年6月20日(月) 「EU残留支持派がややリード」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は今週の英国の国民投票を控え小動き。104円台前半でもみ合い、104円30−40銭で引ける。
  • ユーロドルも1.12台で小動きながら、1.13目前まで買われ、ややユーロ買い戻しが優勢に。
  • 株式市場は反落。ヘルスケア関連銘柄が売られ、エネルギー関連銘柄が買われた。ダウは57ドル下げ、他の主要指数も反落。
  • 債券相場は続落。英国のEU離脱を巡るキャンペーンが中止されたとで米国債への需要が後退。長期金利は1.6%台に上昇。
  • 金は売られ、原油価格は7営業日ぶりに反発。

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    5月住宅着工件数 → 116.4万件
    5月建設許可件数 → 113.8万件
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    ドル/円 104.10 〜 104.35
    ユーロ/ドル 1.1242 〜 1.1296
    ユーロ/円 117.12 〜 117.76
    NYダウ −57.94 → 17,675.16ドル
    GOLD −3.60 → 1,294.80ドル
    WTI +1.77 → 47.98ドル
    米10年国債 +0.029 → 1.608%

    本日の注目イベント

    • 日  5月貿易収支
    • 日  黒田日銀総裁講演
    • 独  独5月生産者物価指数
    • 米  カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演

    NY市場のドル円は終始104円台で小動きでした。今週23日に行われる英国の国民投票の結果が目先の最大の関心事であり、結果次第で相場展開が大きく変わることから、事前のポジションをどちらか一方には傾けにくいという状況です。昨日までに届いたニュースでは、「残留派」がやや勢いを取り戻し優勢に転じたと伝えられています。

    報道によると、英国のEUからの残留を支持するコックス下院議員の殺害後に実施された初の世論調査では、国民投票で残留を支持する回答が離脱派を上回ったとのことです。通信社プレス・アソシエーションが成人1001人を対象に行った調査では、残留支持派が45%で、離脱支持派は42%でした。(ブルームバーグ)国会議員の死亡で残留支持が増えたとの見方もありますが、一方でこれを疑問視する声もあります。いずれにしても、僅差であることには変わりはなく、おそらくこの傾向は投票日まで変わらないと思われます。結局、蓋を開けるまで結果は分からないということです。

    この報道を受けてか、週明けのオセアニア市場では円が主要通貨に対してやや売られて取引されています。「リスクオフ」がやや後退した格好ですが、世論調査の結果はまだ予断を許さず、23日までに調査結果が再び逆転する可能性もあると見られます。

    先週は円全面高の展開が続き、ドル円は103円55銭まで売られ、ユーロ円などクロス円も軒並み大きく下落しました。しかしその割には、当局からの「口先介入」は聞こえてきませんでした。菅官房長官の一般的な話はありましたが、5月3日に105円台半ばをつけた時の、「当然介入する」といったような、強固な発言は聞かれません。そのため今のところドルの戻りも限定的です。前回よりもさらに円高が進んだにも関わらず、円高をけん制する発言がないのは、米国を意識しているのか、あるいは、介入のタイミングを綿密に探っているのか見方は分かれますが、「100円」という水準が一つの目安になっていることは間違いないところだと思います。個人的には、その前の段階で実弾による介入もあり得ると予想していますが、23日の英国の国民投票の結果次第では、その可能性は早まります。

    今週は国民投票の結果が判明する週末までは動けない展開が続きます。結果が出る前にポジション調整による動きはあるかもしれませんが、それは悪までも調整にすぎません。結果がどう出ようと相場が動くことになるため、結果を確認してからでも遅くはないと思われます。本日は、上記世論調査の結果がどこまで「リスクオフ」を後退させるのかを見たいと思います。レンジは104円〜105円30銭程度を予想します。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    5/5 安倍首相 「為替の急激な変動は、例えばわが国の貿易関連企業に大きな影響を与えるなど望ましくはない」ロンドンで記者団に。 --------
    5/9 麻生財務大臣 「われわれとしては当然、介入する用意があるということを申し上げる」参院決算委員会で。 ややドル高に
    5/12 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「今後入手する経済データが労働市場の緩やかな改善を示すようであれば、金融当局は政策金利の緩やかなペースでの正常化の準備を整えるべきだ」講演で。 --------
    5/13 ルー・米財務長官 「通貨安競争は連鎖する。限られたパイを奪い合うだけで世界のためにはならない」講演で。 ドル円109円台半ばから108円台半ばへ
    5/13 黒田・日銀総裁 「(現在の政策の)効果がはっきりするまで待つことは全くない」講演で。 --------
    5/17 淺川・財務官 「人工的な為替介入による競争的な引き下げはしない」日経新聞とのインタビューで。 --------
    5/17 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「現在のところ私の想定では2回、場合によっては3回実施される可能性はある」講演で。 ドル円109円台半ばから109円割れに
    5/17 ロックハート・アトランタ連銀総裁 FOMC予測における「緩やかな、という表現は年2、3回の利上げを意味する」、「市場は確実に私よりも悲観的だ」講演で。 ドル円109円台半ばから109円割れに
    5/19 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「6月に金利を引き上げる根拠は非常に強いと考えられる」講演で。 --------
    5/23 ブラード・セントルイス連銀総裁 「投票で離脱が決定される可能性はこのところ低下しているようだが、FOMCの政策決定には影響しないと考えている」講演で。 --------
    5/27 イエレン・FRB議長 「政策今利の引き上げが恐らく数カ月内に適切になるだろう」講演で。 ドル円109円台半ばから110円台に乗せる
    6/2 ドラギ・ECB総裁 「われわれは正しい道を進んでいるが、予断は許されない」ECB理事会後の記者会見で。 --------
    6/3 メスター・クリーブランド連銀総裁 「当局の金融政策目標を達成するためにフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の緩やかな上昇ペースが適切だと引き続き考えている」講演で。 --------
    6/6 菅・官房長官 「投機的な動きが継続することがないように、為替市場の動向を緊張感を持って注視し、必要な時にはしっかりと対応してもらいたい」記者会見で。 ドル円106円80銭近辺から109円19銭まで上昇
    6/6 イエレン・FRB議長 「中長期的な物価安定と最大限の持続可能は雇用を確保するため、フェデラルファンド(FF)金利は時間をかけて緩やかに上昇しなくてはならないだろうと、私は引き続き考えている」講演で。 市場はドル高、株価で反応
    6/15 イエレン・FRB議長 「われわれが議論した不確定要因の一つで、この日の決定において考慮された」「米経済見通しに影響を及ぼす可能性があり、その見通しは政策の適切な進路を判断する一因になるだろう」英国の国民投票に関して、FOMC後の記者会見で。 ドル円105円台後半から105円41銭近辺まで下落
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和