今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年6月23日(木) 「英国国民投票の結果が全て」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 英国の国民投票を前に市場は様子見ムードが漂いドル円は小動き。104円台半ばを中心にもみ合う。
  • ユーロドルはややユーロの買い戻しが優勢となり1.13を挟んだ取引に。
  • 株式市場は3日ぶりに反落。イエレン議長の議会証言にも反応はなく、英国の国民投票を前にポジション調整に終始。ダウは48ドル下落し、ナスダック指数なども揃って反落。
  • 債券相場は反発。米財務省はこの日3本の入札を実施し、好調だったことも買い安心感につながる。
  • 金と原油はともに続落。

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     5月中古住宅販売件数  → 553万件
     4月FHFA住宅価格指数 → +0.2%
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    ドル/円 104.35 〜 104.77
    ユーロ/ドル 1.1269 〜 1.1338
    ユーロ/円 117.82 〜 119.04
    NYダウ −48.90 → 17,780.83ドル
    GOLD −2.50 → 1,270.00ドル
    WTI −0.72 → 49.13ドル
    米10年国債 −0.021 → 1.685%

    本日の注目イベント

    • 独  独6月製造業PMI(速報値)
    • 独  独6月サービス業PMI(速報値)
    • 欧  ユーロ圏6月総合PMI(速報値)
    • 欧  ユーロ圏6月製造業PMI(速報値)
    • 欧  ユーロ圏6月サービス業PMI(速報値)
    • 英  英国民投票
    • 米  新規失業保険申請件数
    • 米  5月景気先行指標総合指数
    • 米  5月新築住宅販売件数
    • 米  カプラン・ダラス連銀総裁講演
    • 米  FRB、ストレステストの結果発表

    「英国民投票でEU残留支持48%、離脱42%−コムレス世論調査」、今朝のブルームバーグニュースはこのように伝えています。いよいよ本日は英国で国民投票が実施され、英国民にとっては、EUから離脱し独自の経済運営を目指し英国の新しい未来を描くのか、あるいはEUに留まり、欧州の一員として独仏などと伴に歩みを進めるのかを決断しなければならない「運命の日」です。

    今朝は新聞、テレビでもこの話題で持ちきりです。英国がこれほど世界中の耳目を集めたことはこれまでにあったでしょうか。あのジョージ・ソロスがバンク・オブ・イングランドを負かした時でさえも、これほどの注目を集めなかったと記憶しています。筆者も、現役為替ディーラーとして、ポンドを売りまくっていた頃を思い起こします。

    残留支持が優勢のようですが、他の調査機関では残留が51%で、離脱が49%との報道もあります。分かっていることは、依然としてその差は僅かで、態度を保留している票がどちらに流れるかで、どちらも過半数を獲得する可能性があるということです。結果が判明するまで、これから24時間以上も待たなければなりません。その間、様々な情報が飛び交うことになると思いますが、ここからあえて「国民投票に向けて」ポジションを取るのは危険です。特に予想と異なった場合の「ストップロス」は、指定したレートで約定されないリスクが高いと思われ、想定以上の損出が発生する可能性もあります。ここは結果が出てからの出動でも遅くはないと考え、まずは「高見の見物」をお勧めします。

    昨日もイエレン議長の議会証言がありましが注目度は低く、上記英国の後じんを拝しています。議長は前回の雇用統計で雇用者数が激減したことに触れ、これは一時的な現象であると指摘し、景気が回復すれば緩やかに利上げを行うと述べています。また利上げは、株価には必ずしもマイナスではないとの見方も示していました。さらにIMFのラガルド専務理事は、米国の緩やかな利上げの道筋を支持するとのコメントも発表しています。

    昨日の為替市場は「残留支持」が優勢だったこともあり、ポンドが買い戻されてはいますが、取引はそれほど活発ではなく、「嵐の前の静けさ」といった状況でした。この状況は本日も続くと見られますが、国民投票に関するニュースが配信されるたびに、神経質な動きを見せるかもしれません。G7の通貨当局も臨戦態勢をしいており、場合によっては「協調介入で臨む」といった、強いメッセージを市場に送ってくる可能性もあります。

    本日は国民投票に関する報道次第というところですが、104円〜105円50銭程度を予想しています。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    5/5 安倍首相 「為替の急激な変動は、例えばわが国の貿易関連企業に大きな影響を与えるなど望ましくはない」ロンドンで記者団に。 --------
    5/9 麻生財務大臣 「われわれとしては当然、介入する用意があるということを申し上げる」参院決算委員会で。 ややドル高に
    5/12 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「今後入手する経済データが労働市場の緩やかな改善を示すようであれば、金融当局は政策金利の緩やかなペースでの正常化の準備を整えるべきだ」講演で。 --------
    5/13 ルー・米財務長官 「通貨安競争は連鎖する。限られたパイを奪い合うだけで世界のためにはならない」講演で。 ドル円109円台半ばから108円台半ばへ
    5/13 黒田・日銀総裁 「(現在の政策の)効果がはっきりするまで待つことは全くない」講演で。 --------
    5/17 淺川・財務官 「人工的な為替介入による競争的な引き下げはしない」日経新聞とのインタビューで。 --------
    5/17 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「現在のところ私の想定では2回、場合によっては3回実施される可能性はある」講演で。 ドル円109円台半ばから109円割れに
    5/17 ロックハート・アトランタ連銀総裁 FOMC予測における「緩やかな、という表現は年2、3回の利上げを意味する」、「市場は確実に私よりも悲観的だ」講演で。 ドル円109円台半ばから109円割れに
    5/19 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「6月に金利を引き上げる根拠は非常に強いと考えられる」講演で。 --------
    5/23 ブラード・セントルイス連銀総裁 「投票で離脱が決定される可能性はこのところ低下しているようだが、FOMCの政策決定には影響しないと考えている」講演で。 --------
    5/27 イエレン・FRB議長 「政策今利の引き上げが恐らく数カ月内に適切になるだろう」講演で。 ドル円109円台半ばから110円台に乗せる
    6/2 ドラギ・ECB総裁 「われわれは正しい道を進んでいるが、予断は許されない」ECB理事会後の記者会見で。 --------
    6/3 メスター・クリーブランド連銀総裁 「当局の金融政策目標を達成するためにフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の緩やかな上昇ペースが適切だと引き続き考えている」講演で。 --------
    6/6 菅・官房長官 「投機的な動きが継続することがないように、為替市場の動向を緊張感を持って注視し、必要な時にはしっかりと対応してもらいたい」記者会見で。 ドル円106円80銭近辺から109円19銭まで上昇
    6/6 イエレン・FRB議長 「中長期的な物価安定と最大限の持続可能は雇用を確保するため、フェデラルファンド(FF)金利は時間をかけて緩やかに上昇しなくてはならないだろうと、私は引き続き考えている」講演で。 市場はドル高、株価で反応
    6/15 イエレン・FRB議長 「われわれが議論した不確定要因の一つで、この日の決定において考慮された」「米経済見通しに影響を及ぼす可能性があり、その見通しは政策の適切な進路を判断する一因になるだろう」英国の国民投票に関して、FOMC後の記者会見で。 ドル円105円台後半から105円41銭近辺まで下落
    6/21 ドラギ・ECB総裁 「英国のEU離脱を問う国民投票後のいかなる緊急事態にも備えている」欧州議会で。 ドル高株高に寄与
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和