今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年6月24日(金) 「投票結果を前に円乱高下」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • イギリスの国民投票で残留期待が高まったことから、ドル円は106円台まで上昇。今朝方には106円80銭台までさらに買われ、開票結果を見る前に「残留」を織り込む。
  • ユードルも買われ、2週間ぶりに1.14台までユーロ高が進む。ユーロは対円でも121円に迫る。
  • 株式市場は「残留」を織り込み大幅高で取引を終える。ダウは230ドル上昇し、他の主要株価指数も軒並み大幅高。
  • 債券市場は続落。「残留」が決まれば安全資産への需要が減少することで売りが優勢に。長期金利は1.74%台まで上昇。
  • 安全資産の金は続落し、原油は反発し50ドル台を回復。

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     新規失業保険申請件数  → 25.9万件
     5月景気先行指標総合指数 → −0.2%
     5月新築住宅販売件数  → 55.1万件
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    ドル/円 105.49 〜 106.18
    ユーロ/ドル 1.1340 〜 1.1405
    ユーロ/円 117.82 〜 120.92
    NYダウ +230.24 → 18,011.07ドル
    GOLD −6.90 → 1,263.10ドル
    WTI +0.98 → 50.11ドル
    米10年国債 +0.061 → 1.746%

    本日の注目イベント

    • 独  独6月IFO景況指数
    • 米  5月耐久財受注
    • 米  6月ミシガン大学消費者信頼感指数(確定値)

    注目のイギリス国民投票は今朝6時に締め切られ開票が始まっています。現時点(朝6時30分)では全ての金融市場で「残留」を前提にした動きになっています。昨日104円台半ばで東京市場の取引を終えたドル円は106円台に乗せ、今朝は106円台後半までドル高が進んでいます。NYダウは引け際に急伸し、前日比230ドルも上昇しました。また安全資産の米国債は売られ、金利は上昇し、さらに金も売られています。最初の開票結果が朝方8時過ぎには発表されるようで、最終結果は昼前後になる見込みです。

    昨日のロンドンの天候は大雨で、天候が悪かったら「離脱支持派」に有利だと見られていましたが、現時点では「残留期待」が勝っているようです。まだ投票率も発表されていません。悪天候なら投票率が低く、「離脱支持派」が有利だとの見立てのようです。調査会社ユーガブが発表した結果では「残留支持」が52%で、「離脱支持」は48%だったようです。

    ドル円は昨日の東京の水準よりも2円以上昇したことで、短期のテクニカルでは全て「ドル買い」を示しています。上値の目途は「8時間足」の雲の下限である106円95−00レベルと、雲の上限である108円台半ばです。「日足」では109円前後が雲の下限になっており、107円台から上値では相当のドル売りも予想されることから、それほど簡単には突破できないと見ていますが、「日足」のMACDはゴーデンクロスに近いシグナルを発しています。まだ完成はしていないものの、107円台に乗せるようだと完成すると思われ、一応注意は必要です。

    また、このまま開票を待つことになりますが、9時から取引を開始する東京株式市場では、NYダウの大幅高とドル高円安の影響から買いが優勢となり、こちらも久しぶりに大幅高になりそうです。もっとも、これはその前に取引きが始まるシンガポールの日経先物を見ればおよその水準は把握できます。もし日経平均株価が大幅な上昇を見せるようだと、ドル円は実需の売りが上値を抑えるものの、簡単には下げないかもしれません。

    まだ「残留」が決まったわけではありませんが、上で述べたように「残留」を取り込む形で市場は動いています。ないとは思いますが、万が一「離脱」にひっくり返るようなことになると、市場はパニックになることが予想されます。こちらにも注意をしながら開票結果を注視したいと思います。本日のレンジを予想することは難しく、また大きく異なれば意味もありません。既にこのレポートを書いている時点で、離脱が1ポイントリードとの報道に、瞬間103円割れまでドルが下落する場面もありました。非常に大きな値動きです。慎重に臨むに越したことはありません。

    イギリスのEU残留か離脱かはまだ分かりません。ところで、筆者が初めてロンドンを訪れたのは1986年11月でした。約1カ月間滞在しましたが、印象といえば暗い空と、おいしくない食事です。フィッシュ・アンド・チップスにド−バー・ソウル、これが名物だと言われて食べましたが、何度食べてもおいしいとは思いませんでした。仕方なく、それからは毎日のように市の中心部にある「日本食レストラン」へ通いましたが、こちらも値段の割には味が今いち。天候と食事、それにあの巻き舌の英語の発音には苦労しました。良い週末を・・・・・。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    5/5 安倍首相 「為替の急激な変動は、例えばわが国の貿易関連企業に大きな影響を与えるなど望ましくはない」ロンドンで記者団に。 --------
    5/9 麻生財務大臣 「われわれとしては当然、介入する用意があるということを申し上げる」参院決算委員会で。 ややドル高に
    5/12 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「今後入手する経済データが労働市場の緩やかな改善を示すようであれば、金融当局は政策金利の緩やかなペースでの正常化の準備を整えるべきだ」講演で。 --------
    5/13 ルー・米財務長官 「通貨安競争は連鎖する。限られたパイを奪い合うだけで世界のためにはならない」講演で。 ドル円109円台半ばから108円台半ばへ
    5/13 黒田・日銀総裁 「(現在の政策の)効果がはっきりするまで待つことは全くない」講演で。 --------
    5/17 淺川・財務官 「人工的な為替介入による競争的な引き下げはしない」日経新聞とのインタビューで。 --------
    5/17 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「現在のところ私の想定では2回、場合によっては3回実施される可能性はある」講演で。 ドル円109円台半ばから109円割れに
    5/17 ロックハート・アトランタ連銀総裁 FOMC予測における「緩やかな、という表現は年2、3回の利上げを意味する」、「市場は確実に私よりも悲観的だ」講演で。 ドル円109円台半ばから109円割れに
    5/19 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「6月に金利を引き上げる根拠は非常に強いと考えられる」講演で。 --------
    5/23 ブラード・セントルイス連銀総裁 「投票で離脱が決定される可能性はこのところ低下しているようだが、FOMCの政策決定には影響しないと考えている」講演で。 --------
    5/27 イエレン・FRB議長 「政策今利の引き上げが恐らく数カ月内に適切になるだろう」講演で。 ドル円109円台半ばから110円台に乗せる
    6/2 ドラギ・ECB総裁 「われわれは正しい道を進んでいるが、予断は許されない」ECB理事会後の記者会見で。 --------
    6/3 メスター・クリーブランド連銀総裁 「当局の金融政策目標を達成するためにフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の緩やかな上昇ペースが適切だと引き続き考えている」講演で。 --------
    6/6 菅・官房長官 「投機的な動きが継続することがないように、為替市場の動向を緊張感を持って注視し、必要な時にはしっかりと対応してもらいたい」記者会見で。 ドル円106円80銭近辺から109円19銭まで上昇
    6/6 イエレン・FRB議長 「中長期的な物価安定と最大限の持続可能は雇用を確保するため、フェデラルファンド(FF)金利は時間をかけて緩やかに上昇しなくてはならないだろうと、私は引き続き考えている」講演で。 市場はドル高、株価で反応
    6/15 イエレン・FRB議長 「われわれが議論した不確定要因の一つで、この日の決定において考慮された」「米経済見通しに影響を及ぼす可能性があり、その見通しは政策の適切な進路を判断する一因になるだろう」英国の国民投票に関して、FOMC後の記者会見で。 ドル円105円台後半から105円41銭近辺まで下落
    6/21 ドラギ・ECB総裁 「英国のEU離脱を問う国民投票後のいかなる緊急事態にも備えている」欧州議会で。 ドル高株高に寄与
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和