2016年6月30日(木) 「欧米の株価上昇で円とドル売られる」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は引き続き堅調に推移。英国の混乱が後退していることが株高、原油高につながり、ドル円は102円94銭まで買われる。
- ユードルは小幅に上昇。市場全体では大きく売られたポンドとユーロが買い戻され、一方買われていた円やドルが売られた。ユーロドルは1.1131まで上昇。
- 株式市場は大幅に続伸。英国のEU離脱を巡る懸念が和らいだことが株価を押し上げる。ダウは284ドル上昇し、2日間で550ドルの上昇を見せる。
- 債券相場は続落。市場の混乱が治まったことで利益を確定する流れに押された。長期金利は1.51%台まで上昇。
- 金は反発。原油は在庫が予想外に減少していたことで続伸し、49ドル台に乗せる。
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5月個人所得 → +0.2%
5月個人支出 → +0.4%
5月PCEコアデフレーター → +1.6%
5月中古住宅販売成約指数 → −3.7%
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ドル/円 102.49 〜 102.94 ユーロ/ドル 1.1074 〜 1.1131 ユーロ/円 113.86 〜 114.59 NYダウ +284.96 → 17,694.68ドル GOLD +9.00 → 1,326.90ドル WTI +2.03 → 49.88ドル 米10年国債 +0.050 → 1.516% 本日の注目イベント
- 日 5月鉱工業生産
- 独 独6月雇用統計
- 欧 ユーロ圏6月消費者物価指数
- 英 英1−3月期GDP(確定値)
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 6月シカゴ購買部協会景気指数
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
- 加 カナダ4月期GDP
英国のまさかのEU離脱からまもなく1週間が過ぎます。あのパニック的な動きから市場は徐々に落ち着きを取り戻し、株価が上昇し、原油価格もほぼ元の水準に戻り、ドル円も103円に迫る水準まで反発して来ました。国民投票前のドル円の水準は106円台後半で、まだそのレベルには戻っていませんが、100円割れのリスクがやや後退したと見られます。英国のEU離脱の影響が直ぐに出てくるものでもなく、完全にEUを去るのは2年ほどかかるとの見方もあります。
それでも今回の英国民の判断は他のEU諸国に影響を与えています。EUへの残留を選択したスコットランドでは、英国からの独立を求める声がさらに高まり、欧州委員会のユンケル委員長は、「スコットランドはEUに対して独自の立場を訴える権利がある」と述べ、スコットランド自治政府の首相と会談する予定です。これに対して同じく独立を目指すカタルーニア州を国内に抱えるスペインのラホイ首相は直ちに反論していますが、この動きはオランダやフランスにも波及する恐れもあり、欧州全体にとってもまだまだ余波は続きそうです。
Brexit問題はピークを過ぎたことは間違いなく、そのため徐々に落ち着きを取り戻しています。今後は7月のFOMCで米国の利上げが再び見送られるのかという点と、7月末の日銀金融会合で追加緩和があるのかどうかという点に視点が移ります。FOMCについては既に「利上げはない」との見方が優勢で、一部には「利下げも必要」といった意見もあるようです。ただ、これは来週発表される6月の雇用統計を確認するまでは流動的です。イエレン議長は、米国の雇用に自信を示す発言もしており、仮に6月の雇用統計で15万人を超えるような雇用者増があれば、7月利上げ観測が一気に高まることも予想されます。
日銀会合についても、英国がEUからの離脱を決め、マーケットがパニックに陥った翌日の政府会合で安倍首相は、「政策を総動員する」と述べていました。追加緩和の可能性について黒田総裁はコメントを避けていましたが、何らかの政策発動があってもおかしくはありません。また来週日曜日は参院選挙があります。追加緩和期待は徐々に盛り上がってくると思われます。
ドル円は今朝方103円台に乗せる場面もありました。先週24日のドル円の急落後の戻り高値は103円30銭前後です。この水準を抜けるかどうかに注目していますが、「1時間足」ではMACDも、一目均衡表の雲も短期的なドルの上昇を示唆しています。日本株の上昇がどこまでドル円を押し上げるのかといったところですが、株価とドル円の相関度が低下しているのも事実です。予想レンジは102円30銭〜103円30銭程度でしょうか。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 5/5 安倍首相 「為替の急激な変動は、例えばわが国の貿易関連企業に大きな影響を与えるなど望ましくはない」ロンドンで記者団に。 -------- 5/9 麻生財務大臣 「われわれとしては当然、介入する用意があるということを申し上げる」参院決算委員会で。 ややドル高に 5/12 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「今後入手する経済データが労働市場の緩やかな改善を示すようであれば、金融当局は政策金利の緩やかなペースでの正常化の準備を整えるべきだ」講演で。 -------- 5/13 ルー・米財務長官 「通貨安競争は連鎖する。限られたパイを奪い合うだけで世界のためにはならない」講演で。 ドル円109円台半ばから108円台半ばへ 5/13 黒田・日銀総裁 「(現在の政策の)効果がはっきりするまで待つことは全くない」講演で。 -------- 5/17 淺川・財務官 「人工的な為替介入による競争的な引き下げはしない」日経新聞とのインタビューで。 -------- 5/17 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「現在のところ私の想定では2回、場合によっては3回実施される可能性はある」講演で。 ドル円109円台半ばから109円割れに 5/17 ロックハート・アトランタ連銀総裁 FOMC予測における「緩やかな、という表現は年2、3回の利上げを意味する」、「市場は確実に私よりも悲観的だ」講演で。 ドル円109円台半ばから109円割れに 5/19 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「6月に金利を引き上げる根拠は非常に強いと考えられる」講演で。 -------- 5/23 ブラード・セントルイス連銀総裁 「投票で離脱が決定される可能性はこのところ低下しているようだが、FOMCの政策決定には影響しないと考えている」講演で。 -------- 5/27 イエレン・FRB議長 「政策今利の引き上げが恐らく数カ月内に適切になるだろう」講演で。 ドル円109円台半ばから110円台に乗せる 6/2 ドラギ・ECB総裁 「われわれは正しい道を進んでいるが、予断は許されない」ECB理事会後の記者会見で。 -------- 6/3 メスター・クリーブランド連銀総裁 「当局の金融政策目標を達成するためにフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の緩やかな上昇ペースが適切だと引き続き考えている」講演で。 -------- 6/6 菅・官房長官 「投機的な動きが継続することがないように、為替市場の動向を緊張感を持って注視し、必要な時にはしっかりと対応してもらいたい」記者会見で。 ドル円106円80銭近辺から109円19銭まで上昇 6/6 イエレン・FRB議長 「中長期的な物価安定と最大限の持続可能は雇用を確保するため、フェデラルファンド(FF)金利は時間をかけて緩やかに上昇しなくてはならないだろうと、私は引き続き考えている」講演で。 市場はドル高、株価で反応 6/15 イエレン・FRB議長 「われわれが議論した不確定要因の一つで、この日の決定において考慮された」「米経済見通しに影響を及ぼす可能性があり、その見通しは政策の適切な進路を判断する一因になるだろう」英国の国民投票に関して、FOMC後の記者会見で。 ドル円105円台後半から105円41銭近辺まで下落 6/21 ドラギ・ECB総裁 「英国のEU離脱を問う国民投票後のいかなる緊急事態にも備えている」欧州議会で。 ドル高株高に寄与



