今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年7月6日(水) 「ドル円再び101円台に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は株安、金利低下を受けて下落。一時は101円45銭まで売られ、英国がEUからの離脱を決めた日以来の円高水準をつける。
  • ユーロドルは反落。ポンドが売られ、ユーロも連れ安となり1.10台半ばまで売られる。ポンドは対ドルで1.3012まで下落し、31年ぶりの安値を記録。
  • 株式市場は5日ぶりに反落。上昇が続いていたダウ平均株価も、原油安と英国の先行き不安が重石となり先週末比108ドル安で引ける。
  • 債券相場は続伸し、10年債利回りは一時1.35%まで低下し過去最低を更新。世界的な金利低下が続く中、米国債に割安感が出ていることが背景。
  • 金は続伸し1358ドルまで買われる。一方原油価格は世界景気の低迷や在庫が高水準であることから大幅に下落。前日比2ドル39セント下落し、46ドル台に。
    ドル/円 101.45 〜 101.91
    ユーロ/ドル 1.1063 〜 1.1167
    ユーロ/円 112.63 〜 113.60
    NYダウ −108.75 → 17,840.62
    GOLD +19.70 → 1,358.70ドル
    WTI −2.39 → 46.60ドル
    米10年国債 +0.002 → 1.375%

    本日の注目イベント

    • 米  5月貿易収支
    • 米  6月ISM非製造業景況指数
    • 米  タルーロ・FRB理事講演
    • 米  FOMC議事録(6月14、15日分)
    • 加  カナダ5月貿易収支

    英国の景気の先行き不安に加え政治的にも混迷が続くとし、ポンドは対ドルで1.30台まで売られ、実に31年ぶりの安値を記録しました。ユーロも対ドルでは売られ、ドルは円以外の主要通貨に対して上昇していますが、ドル円は昨日の水準よりも1円程下落しています。堅調に推移していた株価に一服感が出てきたことや、米長期金利が再び過去最低水準まで低下するなど、リスクオフがやや進んだことが背景です。

    ドル円の101円台半ばは、先月24日に英国の国民投票でドル円が急落して以来の円高水準です。102円台でもみ合っていたドル円が下放れした形を見せていますが、ここから再び100円割れを目指すのかどうかは、今週末の雇用統計次第ということになります。

    昨日もこの欄で、ドル円は下値リスクの方が高いと述べましたが、103円台半ばから上値が重く、さらに順調だった株価も、そろそろ上昇が一服すると予想したからです。昨日はそれに加え、原油価格が46ドル台まで急落したことも株価の下落につながり、円買いを誘発したと見られます。基本的には依然として100ー105円のレンジ内での推移と見ていますが、雇用統計前までにどこまで下値があるのかという状況です。

    昨日は二人の連銀総裁のコメントが紹介されています。NY連銀のダドリー総裁は、英国民投票がどのような結果をもたらすのか理解するには時期尚早だとしながらも、「英国だけにとどまれば、かなり小さい」と指摘し、「だが、金融市場に広範な影響があれば、EUの安定に対する大きな疑問につながり、より深刻な結果をもたらす公算がある」と語っています。(ブルームバーグ)

    またサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は、英国民投票でのEU離脱の選択で米経済が軌道から外れることはないだろうと、米景気に対する楽観的な見方を示しました。利上げについては、依然として失業率が今年4.5%に低下し、インフレ率が加速を続けると予想しているとし、「予想が現実になれば、今年の利上げが適切だ」と述べています。いずれの発言も市場には影響がなかったようですが、英国のEU離脱の影響を慎重に見極める必要があるようです。

    本日は日本株も軟調に推移しそうです。いつものように、株価の下落と円買いがセットになれば101円台前半までのドルの下落も想定できます。また、日経平均株価が300円を超えるようだと、101円割れをテストすることも考えられるかもしれません。日経平均株価とドル円の相関度は以前よりも低下してはいますが、株価の下落がドル円の上値を抑えることにはなりそうです。予想レンジは100.80円〜102円程度とみます。ここからは前回の急落でドルを買えていない市場参加者のドル買い意欲も、そこそこあるのではないかと予想しています。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    6/2 ドラギ・ECB総裁 「われわれは正しい道を進んでいるが、予断は許されない」ECB理事会後の記者会見で。 --------
    6/3 メスター・クリーブランド連銀総裁 「当局の金融政策目標を達成するためにフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の緩やかな上昇ペースが適切だと引き続き考えている」講演で。 --------
    6/6 菅・官房長官 「投機的な動きが継続することがないように、為替市場の動向を緊張感を持って注視し、必要な時にはしっかりと対応してもらいたい」記者会見で。 ドル円106円80銭近辺から109円19銭まで上昇
    6/6 イエレン・FRB議長 「中長期的な物価安定と最大限の持続可能は雇用を確保するため、フェデラルファンド(FF)金利は時間をかけて緩やかに上昇しなくてはならないだろうと、私は引き続き考えている」講演で。 市場はドル高、株価で反応
    6/15 イエレン・FRB議長 「われわれが議論した不確定要因の一つで、この日の決定において考慮された」「米経済見通しに影響を及ぼす可能性があり、その見通しは政策の適切な進路を判断する一因になるだろう」英国の国民投票に関して、FOMC後の記者会見で。 ドル円105円台後半から105円41銭近辺まで下落
    6/21 ドラギ・ECB総裁 「英国のEU離脱を問う国民投票後のいかなる緊急事態にも備えている」欧州議会で。 ドル高株高に寄与
    6/30 カーニー・BOE総裁 「景気見通しは悪化した。夏の間に何らかの金融緩和が必要になる公算が大きい」講演で。 ポンド急落、FTSEは大幅上昇
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和