2016年7月11日(月) 「米雇用統計を受け円乱高下」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は雇用統計を受け乱高下。6月の雇用者数が予想を大きく上回ったことで、101円30銭まで上昇したが、5月の雇用者数がさらに下方修正されていたことで100円割れまでドル売りが加速。その後は落ち着きを取り戻し100円台半ばで越週。
- ユーロドルは1.1120まで上昇したが、その後はじり安に。1.10目前までユーロ売りが進む。
- 株式市場は6月の雇用者数が大きく伸びたことで、米労働市場に対する先行き不安が後退。ダウは250ドル上昇し、年初来高値を更新。S&P500も32ポイント上昇し史上最高値に接近。
- 債券相場は続伸。雇用者数が大きく伸びたものの債券に対する需要は旺盛で、10年、30年債の利回りは過去最低を更新。
- 金は小幅に続落し、原油は反発。
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6月失業率 → 4.9%
6月非農業部門雇用者数 → 28.7万人
5月消費者信用残高 → +185.5億ドル
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ドル/円 99.99 〜 101.30 ユーロ/ドル 1.1002 〜 1.1120 ユーロ/円 110.85 〜 111.43 NYダウ +250.86 → 18,146.74ドル GOLD −3.70 → 1,358.40ドル WTI +0.27 → 45.41ドル 米10年国債 −0.027 → 1.358% 本日の注目イベント
- 米 6月労働市場情勢指数(LMCI)
- 米 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演
- 加 カナダ6月住宅着工件数
米雇用統計は時々サプライズはありますが、先週末に発表された6月の雇用統計にも驚かされました。これで2カ月連続のサプライズでしたが、速報値のため「ぶれやすい」ことは理解できますが、それでも発表された数字に、全ての金融市場が反応するわけですから、なんとも「罪作りな指標です」。
6月の非農業部門雇用者数は、事前予想の18万人に対して28.7万人と、実に10万人以上も上振れしました。前回5月の時は、市場予想の16万人に対して3.8万人と、こちらは12万人以上も下振れし驚きましたが、2カ月連続でこれほど予想と食い違いを見せるのは極めて異例のことと思います。5月の雇用者数は、さらに下方修正され、3.8万人から1.1万人になっています。
この2カ月の大きな振れの原因が何かは、専門家の分析を待たなければなりませんが、2カ月で約15万人とみれば、これまで平均20万人と比較すると労働市場の減少は否めませんが、FRBとすれば「合格点」を与えられるレベルではないかと思われます。
この指標を受けてドル円は101円台に乗せはしたものの、その後100円割れまで落とされています。数字を見ればやむを得ない市場の反応かとは思いますが、仮に良好な内容であったとしても、ドルの売り場を模索していた市場のスタンスと大きな違いはありません。結局ドル円は100円台半ばで越週しており、先週金曜日の東京市場と同じ水準で帰ってきたことになります。
昨日は注目の参院選挙がありました。結果は世論調査通り、与党の圧勝でした。マスコミは「アベノミクスへの期待」と報じていますが、足元のドル円は100円割れすれすれで、日経平均は1万5100円台に沈んでいます。安倍首相は昨日の会見で、経済対策の検討を週内に行うと述べていますが、日本の金融市場が待ったなしの瀬戸際に追い詰められているのは事実です。出来るだけ早い時期に、出来るだけ効果のある対策が不可欠だと思います。
重要イベントが次々と終り、今後の焦点は上記景気刺激策の規模と中身です。そして、今月下旬の日米金融会合に焦点が移ります。上で述べたように、米労働市場の急ブレイキは一過性のものと見ることができそうですが、これで利上げ観測が高まったという兆しはみられません。今月のFOMCでの利上げの可能性はほぼゼロで、動きません。
そうなると注目は日銀が動くかどうかです。現在のところ、市場の見方は見送りが優勢とみられますが、問題はそれまで為替と、株が現在の水準を維持できるかどうかです。ドル円が100円を大きく下回り、日経平均株価が1万5000円を下回った水準にいるようだと緩和観測が急速に高まることも想定できます。円高株安の流れを変える方法がそれ以外に見つからないからです。
本日は、NYダウが年初来高値を更新し、自公が圧勝したことから株価は上昇すると見られます。ドル円のレンジは100円〜101円50銭程度と予想します。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 6/2 ドラギ・ECB総裁 「われわれは正しい道を進んでいるが、予断は許されない」ECB理事会後の記者会見で。 -------- 6/3 メスター・クリーブランド連銀総裁 「当局の金融政策目標を達成するためにフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の緩やかな上昇ペースが適切だと引き続き考えている」講演で。 -------- 6/6 菅・官房長官 「投機的な動きが継続することがないように、為替市場の動向を緊張感を持って注視し、必要な時にはしっかりと対応してもらいたい」記者会見で。 ドル円106円80銭近辺から109円19銭まで上昇 6/6 イエレン・FRB議長 「中長期的な物価安定と最大限の持続可能は雇用を確保するため、フェデラルファンド(FF)金利は時間をかけて緩やかに上昇しなくてはならないだろうと、私は引き続き考えている」講演で。 市場はドル高、株価で反応 6/15 イエレン・FRB議長 「われわれが議論した不確定要因の一つで、この日の決定において考慮された」「米経済見通しに影響を及ぼす可能性があり、その見通しは政策の適切な進路を判断する一因になるだろう」英国の国民投票に関して、FOMC後の記者会見で。 ドル円105円台後半から105円41銭近辺まで下落 6/21 ドラギ・ECB総裁 「英国のEU離脱を問う国民投票後のいかなる緊急事態にも備えている」欧州議会で。 ドル高株高に寄与 6/30 カーニー・BOE総裁 「景気見通しは悪化した。夏の間に何らかの金融緩和が必要になる公算が大きい」講演で。 ポンド急落、FTSEは大幅上昇



