今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年7月14日(木) 「ドル円105円は重いものの底堅く推移」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は104円を割り込む場面もあったが、底堅い動きを見せる。米長期金利が低下し、株価もまちまちではあったが104円台での取引に終始し、104円台半ばで引ける。
  • ユーロドルはレンジ内取引が続く。1.11を挟んでもみ合い、上値も下値を抜けきれない状況。
  • 株式市場はまちまち。ダウは4日続伸し高値を更新したが、ナスダックは17ポイント下落。
  • 債券相場は反発。30年債入札で、過去最低の落札利回りが記録され、10年債にも資金が向った。長期金利は1.47%台まで低下。
  • 金は6日ぶりに反発し、原油は反落。

    *****************
    6月財政収支→ +63億ドル
    *****************
    ドル/円 103.91 〜 104.68
    ユーロ/ドル 1.1067 〜 1.1120
    ユーロ/円 115.42 〜 116.08
    NYダウ +24.45 → 18,372.12ドル
    GOLD +8.30 → 1,343.60ドル
    WTI −2.05 → 44.75ドル
    米10年国債 −0.036 → 1.474%

    本日の注目イベント

    • 豪  豪6月雇用統計
    • 英  BOE金融政策発表
    • 英  BOE議事録
    • 米  6月生産者物価指数
    • 米  新規失業保険申請件数
    • 米  ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
    • 米  ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演
    • 米  カプラン・ダラス連銀総裁講演
    • 米  企業決算 → ブラックロック、JPモルガン

    連日上値を切り上げているドル円もさすがに上昇は一服で、昨日は日米の市場で104円を割り込む場面もありましたが深押しは観られず、底堅い動きでした。105円を試す機会はありませんでしたが、欧州市場でも104円82銭辺りまでドルが上昇する場面もあり、まだ短期的にはドル買い意欲はあるようですが、米10年債利回りも低下してきており、日本の輸出企業のドル売り注文も105円台では確実に持ち込まれると観られることから、上値はそれ程伸びないのではないかと予想しています。

    為替を取り巻く懸念材料が徐々に取り除かれている状況が、円の売り戻しを誘発していると見ていますが、投機筋のポジションも軽くなれば再び円買いを再開することも想定されます。米利上げ観測がなかなか盛り上がらず、基本的にはこの部分がドルの上値を抑えている状況ですが、昨日発表されたベージュブックでも、経済は緩慢なペースで成長しているものの、物価圧力は「わずか」で、個人消費も幾分軟化したと報告されていました。

    また、ベージュブックでは「小売売上高や製造業、不動産などの経済の広範囲な分野にわたって、見通しは概して前向きだった」と指摘しており、全体としては依然として多くの地区で緩やかな拡大が続いていると観られます。なだらかな経済成長が続いていることを背景に、昨日はフィラデルフィア連銀のハーカー総裁が講演で、年内2回の利上げに前向きな姿勢を見せました。

    ハーカー総裁は、「インフレ率が来年中には目標に戻ると確信している」とした上で、「年内に最大2回の追加利上げが適切になる可能性があり、フェデラルファンド(FF)金利は2018年末までに3.0%に近づくと私は予想する」と述べています。(ブルームバーグ)「年内に1回あるかないか」と予想する市場の見方とは依然として温度差が観られます。

    105円台からさらに続伸するにはそれなりの材料が必要で、そう簡単ではないと予想していますが、ここからの相場の行方を左右するのは、足もとでは堅調に推移している株価の行方です。NYダウは昨日も史上最高値を更新しており、ここから見る限り米利上げは当面ないという見方に支えられていると観られます。今週からは米企業の四半期決算が本格的に始まります。この決算でグローバルに展開している製造業がどの程度の内容の決算を出してくるのかが焦点です。年初からの円高が20円を超えるスピードで進んでおり、米企業には追い風です。この決算が失望に終わるようだと、堅調な株価にも売り圧力がかかることも想定され、株価の下落がリスクオフから、再び円買いに転換することもあるのではないかと思います。

    短期的な動きを表す「1時間足」では雲が順調に上昇してきており、現在104円の前半では雲の上限に支えられている状況です。この雲を下抜けすればドル円の下落に拍車がかかると観られますが、それには102円80銭辺りを明確に抜ける必要があります。日本サイドからの政策期待もあり、しばらくは103−104円台でのもみ合いかもしれません。予想レンジは103円50銭〜104円80銭程度と見ています。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    6/2 ドラギ・ECB総裁 「われわれは正しい道を進んでいるが、予断は許されない」ECB理事会後の記者会見で。 --------
    6/3 メスター・クリーブランド連銀総裁 「当局の金融政策目標を達成するためにフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の緩やかな上昇ペースが適切だと引き続き考えている」講演で。 --------
    6/6 菅・官房長官 「投機的な動きが継続することがないように、為替市場の動向を緊張感を持って注視し、必要な時にはしっかりと対応してもらいたい」記者会見で。 ドル円106円80銭近辺から109円19銭まで上昇
    6/6 イエレン・FRB議長 「中長期的な物価安定と最大限の持続可能は雇用を確保するため、フェデラルファンド(FF)金利は時間をかけて緩やかに上昇しなくてはならないだろうと、私は引き続き考えている」講演で。 市場はドル高、株価で反応
    6/15 イエレン・FRB議長 「われわれが議論した不確定要因の一つで、この日の決定において考慮された」「米経済見通しに影響を及ぼす可能性があり、その見通しは政策の適切な進路を判断する一因になるだろう」英国の国民投票に関して、FOMC後の記者会見で。 ドル円105円台後半から105円41銭近辺まで下落
    6/21 ドラギ・ECB総裁 「英国のEU離脱を問う国民投票後のいかなる緊急事態にも備えている」欧州議会で。 ドル高株高に寄与
    6/30 カーニー・BOE総裁 「景気見通しは悪化した。夏の間に何らかの金融緩和が必要になる公算が大きい」講演で。 ポンド急落、FTSEは大幅上昇
    7/13 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「インフレ率が来年中には目標に戻ると確信している」「年内に最大2回の追加利上げが適切になる可能性があり、フェデラルファンド(FF)金利は2018年末までに3.0%に近づくと私は予想する」講演で。 --------
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和