今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年7月15日(金) 「ドル円一時106円に迫る」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は一段と上昇し、欧州時間には105円93銭までドルが買われる。世界的に株価が上昇し、イギリスが利下げを行わなかったことも影響。ただ、NYではドルの上値は重く、105円台前半まで下げる場面も。
  • ユーロドルは続伸。ポンドが上昇したこともあり、1.1165までユーロ高が進む。ユーロ円も一段高を演じ、118円台まで続伸。
  • 株式市場は続伸。世界的に金融緩和が拡大するとの見方に加え、業績期待への楽観的な見方も株価を押し上げた。ダウは134ドル高と4日続伸。
  • 債券相場は続落、株価の上昇が重しとなり、売りが優勢となった。長期金利は1.53%台へ上昇。
  • ドル高から金は続落。原油は反発し一進一退。

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    6月生産者物価指数     → +0.5%
    新規失業保険申請件数   → 25.4万件
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    ドル/円 105.26 〜 105.90
    ユーロ/ドル 1.1098 〜 1.1165
    ユーロ/円 116.93 〜 118.03
    NYダウ +134.29 → 18,506.41ドル
    GOLD −11.40  → 1,332.20ドル
    WTI +0.93  →  45.68ドル
    米10年国債 +0.061 → 1.536%

    本日の注目イベント

    • 中   中国 4−6月GDP
    • 中   中国 6月小売売上高
    • 中   中国 6月鉱工業生産
    • 欧   ユーロ圏6月消費者物価指数(改定値)
    • 欧   ユーロ圏5月貿易収支
    • 米   6月小売売上高
    • 米   6月消費者物価指数
    • 米   7月NY連銀製造業景気指数
    • 米   6月鉱工業生産
    • 米   7月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
    • 米   企業決算 → ウェルズ・ファーゴ、シティーグループ、USバンコープ
    • 米   カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
    • 米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演

    ドル円は昨日の欧州市場で105円93銭まで上昇し、これで先週末の99円99銭の底値から約6円もドル高に振れたことになります。急激に進んだ円高の揺り戻しとしては、かなり異例なことかと思いますが、予想外の展開で、見通しも見事に外れています。「谷深ければ、山高し」といったところでしょうか。ただ、そろそろ短期な天井圏を形成しているという見方は維持しています。

    やはりドライバーとなったのは株価の上昇でした。昨日も、東京株式市場の引け際に株価が上げ幅を拡大し、ドル円も105円台に乗せて来ました。株を買うと同時に、ドル円を買っている状況です。これで6月24日の英国のEU離脱のショックからほぼ抜け出たと考えられ、急落したドル円の9割ほどを埋めたことにもなります。もう一度振り出しに戻ったとも言えます。ここからドル円がどちらに振れるのかが次の課題です。

    米利上げ観測の後退を背景に、NYダウやS&P500は連日高値を更新しています。考えてみれば当然かもしれません。世界的な金利低下から、日独の長期債はマイナス金利に沈み、行き場のない資金は米国債に向かいました。当時はまだ1.8%ほどの利回りを確保でき、相対的な魅力から資金流入が続き価格が急騰し、利回りも一時1.35%程まで低下しました。米国債の利回り低下は、株価の配当利回りと比較すると魅力が薄れ、今度は資金が株式に流れたという構図です。

    米国では自社株買いが非常に盛んで、もともと配当利回りが高水準のところに自社株買いが株価を支える流れが出来ていました。配当利回りと、キャピタルゲインを求めて資金が集まるのも頷けます。もっとも日本ではこのロジックが機能しないところに、日米の株価の違いが端的に表れていると言えます。

    本日も米株高に、日本株も上昇が見込まれます。日経平均株価は1万6500円台を回復すると見られますが、はたして維持できるかどうかが焦点です。ドル円も堅調な株価に支えられ105円台で推移するでしょうが、105円半ばから上値ではキャップされると予想します。昨日の欧州市場では106円に迫る水準までドル高が進みましたが、今日の東京では106円台に乗せる力はないと予想します。

    本日も株価次第というところはありますが、104円50銭から106.00銭程度を予想します。

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    都知事選がおもしろくなってきました。鳥越氏が立候補してから俄然興味が出てきて、その行方に注目しています。氏の記者会見はさわやかでした。記者の質問にも一つ一つ丁寧に答えており、分からないものは「分かりません」と、正直に答えていた姿が印象的でした。「経験不足では?」という質問に対しても、「何事も最初は経験などありません」と答え、質問した記者の方がたじたじでした。小池氏以外は急遽立候補を決め「後出しジャンケン」だと批判されてはいますが、これまでになく興味深い都知事選であることは間違いありません。

    良い週末を・・・・・。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    6/2 ドラギ・ECB総裁 「われわれは正しい道を進んでいるが、予断は許されない」ECB理事会後の記者会見で。 --------
    6/3 メスター・クリーブランド連銀総裁 「当局の金融政策目標を達成するためにフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の緩やかな上昇ペースが適切だと引き続き考えている」講演で。 --------
    6/6 菅・官房長官 「投機的な動きが継続することがないように、為替市場の動向を緊張感を持って注視し、必要な時にはしっかりと対応してもらいたい」記者会見で。 ドル円106円80銭近辺から109円19銭まで上昇
    6/6 イエレン・FRB議長 「中長期的な物価安定と最大限の持続可能は雇用を確保するため、フェデラルファンド(FF)金利は時間をかけて緩やかに上昇しなくてはならないだろうと、私は引き続き考えている」講演で。 市場はドル高、株価で反応
    6/15 イエレン・FRB議長 「われわれが議論した不確定要因の一つで、この日の決定において考慮された」「米経済見通しに影響を及ぼす可能性があり、その見通しは政策の適切な進路を判断する一因になるだろう」英国の国民投票に関して、FOMC後の記者会見で。 ドル円105円台後半から105円41銭近辺まで下落
    6/21 ドラギ・ECB総裁 「英国のEU離脱を問う国民投票後のいかなる緊急事態にも備えている」欧州議会で。 ドル高株高に寄与
    6/30 カーニー・BOE総裁 「景気見通しは悪化した。夏の間に何らかの金融緩和が必要になる公算が大きい」講演で。 ポンド急落、FTSEは大幅上昇
    7/13 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「インフレ率が来年中には目標に戻ると確信している」「年内に最大2回の追加利上げが適切になる可能性があり、フェデラルファンド(FF)金利は2018年末までに3.0%に近づくと私は予想する」講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和