2016年7月21日(木) 「ドル円早朝に107円台半ばまで上昇」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 米株高を背景にドル円は一段と上昇し107円台に。一時は107円03銭と、6月初旬以来のドル高水準を記録。株高と、日本の景気対策への期待がドルの支援材料に。
- ユーロドルは小幅に続落。1.10を割り込むものの、勢いはなく、値幅も出なかった。
- 株式市場は続伸。企業の好決算が株価全体の上昇につながり、ダウは9日続伸の36ドル高で引ける。
- 債券相場は小幅に反落。株価の上昇が上値を抑え、価格は下落。長期金利は1.58%台まで上昇。
- 金は反落し、原油は在庫の減少傾向が鮮明になったことで反発。
ドル/円 106.46 〜 107.03 ユーロ/ドル 1.0992 〜 1.1030 ユーロ/円 117.07 〜 118.28 NYダウ +36.02 → 18,595.03ドル GOLD −13.00 → 1,319.30ドル WTI +0.29 → 44.94ドル 米10年国債 +0.027 → 1.580% 本日の注目イベント
- 欧 ECB政策金利発表
- 欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
- 英 英6月小売売上高
- 英 英6月財政収支
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 7月フィラデルフィア連銀景況指数
- 米 5月FHFA住宅価格指数
- 米 6月中古住宅販売件数
- 米 6月景気先行総合指数
- 米 企業決算 → ブラックストーン、スターバックス、VISA、GM
引き続きドル高が続き、ドル円はNY市場では107円台に乗せる場面もありました。ドル高を牽引したのはこの日も株価の上昇で、その株価は企業決算が好調だったことが全体を押し上げ、投資家心理を好転させていると見られます。
前日取引終了後に発表されたマイクロソフトの決算で、利益が予想を上回ったことが好感され、同社株は3カ月ぶりの高値まで買われ、これを手がかりにテクノロジー株が広く買われています。構成銘柄にハイテク株が多いナスダック指数は前日比53ポイントと、大幅な上昇を見せ、ダウも36ドル上昇し、これで9日続伸し実に3年4カ月ぶりの好調さです。米株高がドルを支える好循環が、足元のドル高の最大の要因と見られます。
原油価格は44−47ドルのボックス相場が続き、もみ合いに終始しています。また、米長期金利もさすがに株高が続いていることから一時の強さは見られず、1.5−1.6%台でこちらも、もみ合いです。株価が調整するようだと、再び1.4%台まで買われる可能性はあろうかと思いますが、こうして見ると株価だけが突出して「高パフォーマンス」を演じていることになります。世界的な金利低下の影響から米債券利回りが急低下し、株式の配当利回りの優位性が高まったことから株式市場に資金流入が続いていますが、株価の大幅な上昇は、当然ですが増配しない限り配当利回りの低下につながります。従って、このまま株価が上昇し続けることは考えにくいと思われます。
11月の米大統領選に向けて、共和党は全国大会を経てドナルド・トランプ氏を正式に大統領候補に指名しました。当初、大統領候補として名乗りを上げた時、誰がこの事態を予想できたでしょうか。これで、民主党のヒラリー・クリントン候補との一騎打ちが決まりました。トランプ氏は「圧勝する」と宣言していますが、今この時点でも、「まさかクリントン候補が負けるわけがない」といった見方が圧倒的です。
ただ、先月の英国のEUからの離脱の例もあります。ポピュリズムを味方にした方が勝つというのが今の風潮です。「二羽目のブラック・スワン」がいないとは誰にも言えません。仮にトランプ氏が次期大統領になるようだと、これは円高要因だと見られますが、氏が演説で度々口にしているように、在日駐留米軍の費用を日本が全て負担することになるかもしれません。もしそうなれば、消費増税を延期したばかりの日本にとって資金負担が増え、国債の増発につながることから「円売り材料」と見られることもあり得ます。大統領選まではまだ3カ月以上もありますが、いずれ為替市場の注目材料になる日が来るはずです。
ドル円は早朝に107円台半ばまで上昇しました。ドル高、米株高から今日の日本株も上昇するでしょう。ドル円のレンジは106円30銭から107円80銭程度を予想します。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 6/2 ドラギ・ECB総裁 「われわれは正しい道を進んでいるが、予断は許されない」ECB理事会後の記者会見で。 -------- 6/3 メスター・クリーブランド連銀総裁 「当局の金融政策目標を達成するためにフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の緩やかな上昇ペースが適切だと引き続き考えている」講演で。 -------- 6/6 菅・官房長官 「投機的な動きが継続することがないように、為替市場の動向を緊張感を持って注視し、必要な時にはしっかりと対応してもらいたい」記者会見で。 ドル円106円80銭近辺から109円19銭まで上昇 6/6 イエレン・FRB議長 「中長期的な物価安定と最大限の持続可能は雇用を確保するため、フェデラルファンド(FF)金利は時間をかけて緩やかに上昇しなくてはならないだろうと、私は引き続き考えている」講演で。 市場はドル高、株価で反応 6/15 イエレン・FRB議長 「われわれが議論した不確定要因の一つで、この日の決定において考慮された」「米経済見通しに影響を及ぼす可能性があり、その見通しは政策の適切な進路を判断する一因になるだろう」英国の国民投票に関して、FOMC後の記者会見で。 ドル円105円台後半から105円41銭近辺まで下落 6/21 ドラギ・ECB総裁 「英国のEU離脱を問う国民投票後のいかなる緊急事態にも備えている」欧州議会で。 ドル高株高に寄与 6/30 カーニー・BOE総裁 「景気見通しは悪化した。夏の間に何らかの金融緩和が必要になる公算が大きい」講演で。 ポンド急落、FTSEは大幅上昇 7/13 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「インフレ率が来年中には目標に戻ると確信している」「年内に最大2回の追加利上げが適切になる可能性があり、フェデラルファンド(FF)金利は2018年末までに3.0%に近づくと私は予想する」講演で。 --------



