今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年7月22日(金) 「ドル高、株高も一服」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 107円台で推移していたドル円は、欧州市場で黒田日銀総裁の発言が伝えられ急落。一時は105円台半ばまでドルが売られたがNYでは106円を挟んだ動きに終始。
  • ユーロドルは前日と同じ動きで、上値は限定的ながら1.10を割り込むと底堅い。ECBは追加緩和を見送った。
  • 株式市場は反落。上昇を続けていたNYダウも10日ぶりに77ドル反落。その他主要指標も揃って売られる。
  • 債券市場は反発。株価が下げたことで債券が買われ、長期金利は小幅に低下。
  • 金は11ドル反発。原油価格は1ドル下げ44ドル台に。

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     新規失業保険申請件数    → 25.3万件
     7月フィラデルフィア連銀景況指数 → −2.9
     5月FHFA住宅価格指数   → +0.2%
     6月中古住宅販売件数    → 557万件
     6月景気先行総合指数    → 0.3%
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    ドル/円 105.65 〜 106.49
    ユーロ/ドル 1.0980 〜 1.1060
    ユーロ/円 116.35 〜 117.49
    NYダウ −77.80 → 18,517.23ドル
    GOLD +11.70 → 1,331.00ドル
    WTI −1.00 → 44.75ドル
    米10年国債 −0.024 → 1.556%

    本日の注目イベント

    • 独  独7月製造業PMI(速報値)
    • 独  独7月サービス業PMI(速報値)
    • 欧  ユーロ圏7月総合PMI(速報値)
    • 欧  ユーロ圏7月製造業PMI(速報値)
    • 欧  ユーロ圏7月サービス業PMI(速報値)
    • 加  カナダ6月消費者物価指数
    • 加  カナダ5月小売売上高

    7月8日の雇用統計発表を底値にドル高、株高が続いていましたが、週末を前にようやく一服といったところです。ドル円は昨日の東京時間に107円台半ばまで上昇し、依然として底堅い動きを見せてはいましたが、欧州時間にイギリスBBCラジオの番組で、黒田総裁が「現段階で、ヘリコプター・マネーは必要性も可能性もない」と語ったことが伝えられると、ドル円は一気に106円を割り込み、105円41銭近辺まで下落しました。それ程強いドル売り材料ではないと考えられましたが、市場のセンチメントがドル高に傾いていたことや、ポジションもドルロングに傾注していたことで、予想以上にドルの下落が進んだものと思われます。

    100円割れからほぼ一直線に上昇してきたドル円でしたが、これで105−110円のレンジ形成には至らず、105円中心の取引になるのではないかと予想します。107円台半ばまで上昇したドル円のドライバーは株高が主因でしたが、昨日に限って言えば、これから発表される経済対策の事業規模が予想を超えるという一部の報道でした。

    今朝の報道によれば事業規模は20〜30兆円になると見られ、その規模の大きさから株価が上昇し、それに伴ってドル買い円売りが進んだと見られます。一方で、たとえ規模が膨らんだとしても、経済効果という点では疑問視する声も出ているようです。結局、財政出動期待で上昇したドル円は、「ヘリコプター・マネー不要発言」で相殺された格好になりましたが、ドルの上昇基調が依然として維持されているのかどうかが焦点です。

    株高に伴って上昇基調を強めたドル円でしたが、この上昇は予想を超えるものでした。相場をある程度経験している投資家であれば、105円以上の水準では売り上がっている人も多いのではないかと思います。ドルの急落を目の前で見ると、どうしても戻りを売り、次の急落で利益を取りたいと思うのが通常の考え方です。ただそれでも今回のような予想外の反発があると「つかまって」しまいます。ここは基本に返り、テクニカルを中心に「順張り」で対処するしかありません。軽い気持ちで作ったポジションが、のちのち大きな損につながる事態だけは避けなければなりません。足元の動きも、来週の日銀金融会合の結果を見極めるまでは判断できません。言えることは、依然として値幅が大きく、値が飛びやすいということです。

    本日のレンジは105円〜106円50銭程度を予想します。日本株の下げがドル円をどこまで押し下げるかに注意です。


    ソフトバンクの孫正義社長、やはり大規模なM&Aに打ってでました。保有株式を売却するなどして手元資金を集めていたことから、M&Aをするのではとの噂がありましたが、英国の半導体設計会社アーム・ホールディングスを240億ポンド(約3兆3千億円)で買収することを発表しました。日本企業による買収劇では過去最大規模だそうです。しかし、もしBREXIT前にこの買収を行っていたら、さらに5000億円も余分に資金が必要だったことになります。孫さん、英国のEU離脱を深読みしていたのでしょうか?良い週末を・・・・・。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    6/2 ドラギ・ECB総裁 「われわれは正しい道を進んでいるが、予断は許されない」ECB理事会後の記者会見で。 --------
    6/3 メスター・クリーブランド連銀総裁 「当局の金融政策目標を達成するためにフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の緩やかな上昇ペースが適切だと引き続き考えている」講演で。 --------
    6/6 菅・官房長官 「投機的な動きが継続することがないように、為替市場の動向を緊張感を持って注視し、必要な時にはしっかりと対応してもらいたい」記者会見で。 ドル円106円80銭近辺から109円19銭まで上昇
    6/6 イエレン・FRB議長 「中長期的な物価安定と最大限の持続可能は雇用を確保するため、フェデラルファンド(FF)金利は時間をかけて緩やかに上昇しなくてはならないだろうと、私は引き続き考えている」講演で。 市場はドル高、株価で反応
    6/15 イエレン・FRB議長 「われわれが議論した不確定要因の一つで、この日の決定において考慮された」「米経済見通しに影響を及ぼす可能性があり、その見通しは政策の適切な進路を判断する一因になるだろう」英国の国民投票に関して、FOMC後の記者会見で。 ドル円105円台後半から105円41銭近辺まで下落
    6/21 ドラギ・ECB総裁 「英国のEU離脱を問う国民投票後のいかなる緊急事態にも備えている」欧州議会で。 ドル高株高に寄与
    6/30 カーニー・BOE総裁 「景気見通しは悪化した。夏の間に何らかの金融緩和が必要になる公算が大きい」講演で。 ポンド急落、FTSEは大幅上昇
    7/13 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「インフレ率が来年中には目標に戻ると確信している」「年内に最大2回の追加利上げが適切になる可能性があり、フェデラルファンド(FF)金利は2018年末までに3.0%に近づくと私は予想する」講演で。 --------
    7/19 IMFチーフ・エコノミスト 「IMFとしては介入は、必要もしくは有効な手段とはみていない」「円相場の状況については無秩序とはみていない」ワシントンでの記者会見で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和