今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年7月26日(火) 「WTI原油価格一時42ドル台に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は106円を挟む動きとなり、やや上値の重さが意識され始める。株価の下げ、原油価格が一時42ドル台まで下げたことで105円台に。
  • ユーロドルは緩やかにユーロ安が進む。この日は終始1.10以下のレベルで推移し、1.09台半ばまで売られる。
  • 株式市場は反落。高値警戒感に加え、原油価格が3カ月ぶりに42ドル台まで売られたことでエネルギーセクターが軟調に。ダウは77ドル下げる。
  • 債券相場は横ばい。2年債の入札が低調だったこともあり長期金利は小幅に上昇。
  • 金は続落。原油価格は在庫が増加しているとの報道に売られ、一時は42ドル台まで売られる。引け値は43ドル13セント。
    ドル/円 105.74 〜 106.22
    ユーロ/ドル 1.0968 〜 1.0998
    ユーロ/円 116.22 〜 116.67
    NYダウ −77.79 → 18,493.06ドル
    GOLD −3.90 → 1,319.50ドル
    WTI −1.06 → 43.13ドル
    米10年国債 +0.007 → 1.573%

    本日の注目イベント

    • 米  5月ケースシラー住宅価格指数
    • 米  7月消費者信頼感指数
    • 米  6月新築住宅販売件数
    • 米  7月リッチモンド連銀製造業指数
    • 米  FOMC(27日まで)
    • 米  企業決算 → アップル、デュポン、3M、ツイッター

    株価の上昇力にもやや陰りが見え、WTI原油価格も3カ月ぶりに42ドル台まで売られるなど、ドル円を取り巻く環境もやや変化の兆しが見えています。依然として底堅い動きを見せてはいますが、107円台半ばからは上値が重いと見られます。

    もっとも、今週は日米で金融政策会合があり、その結果次第ではどちらにも動く可能性はあります。しかも値幅を伴った大きな動きを見せることも十分考えられ、「夏の陣」に向けてしっかりと準備をしておく必要があります。特に29日の日銀会合では、追加緩和があってもなくても大きく動きそうです。株式関係の人は1000円くらいは動くとも言い、この日は決算発表の集中日であることも、動く要因として挙げています。

    原油価格が下げ足を早めています。6月には52ドル台まで反発し、市場の材料としては忘れかけていたところでしたが、昨日は42ドル台まで下げる場面もあり、再び市場の波乱要因になってきそうです、在庫が潤沢な状況にもかかわらず、米国の石油リグ(掘削装置)稼動数が4週連続で増加したことが価格下落の要因だったと、ブルームバーグは伝えています。原油価格がさらに下げると、米国の株式市場では時価総額の大きいエネルギー株が売られ、これが市場全体のセンチメントを悪化させダウなど株価指数の大幅下落につながり、リスクオフから円が買われ、ドル安円高に振れる傾向があります。市場は再び原油価格の動きに目を向けることになります。

    本日からFOMCが開催され日本時間28日の朝方には声明文が発表されます。今回はイエレン議長の会見もないため、政策変更はないという見方で一致しています。それでも声明文の内容には注意が必要です。9月のFOMCでの利上げを示唆するような文言があればドル高に振れると思いますが、それほど明確な文言でなくとも、例えば「市場を取り巻くリスクが低下している」といった文言であっても、利上げし易い環境だと見れば、ドル高要因と考えられます。イギリスのEU離脱の影響はほぼ沈静化しており、今年に入ってまだ一度も利上げが出来ないでいるFRBにとっては、ようやく追い風が吹き始めているような環境に思えます。

    今週の本命は何といっても29日の日銀会合です。今回は4月の会合よりも緩和観測が高く、さらに来月発表になる経済対策も、財政支出の規模が6兆円との報道もあります。どの程度の効果があるかは別にしても、いずれも株高円安要因になります。過剰な期待は禁物ですが、ここからは105円台を中心にプラス・マイナス3円といったところでしょうか。本日のレンジは105円10銭〜106円30銭程度を予想します。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    6/2 ドラギ・ECB総裁 「われわれは正しい道を進んでいるが、予断は許されない」ECB理事会後の記者会見で。 --------
    6/3 メスター・クリーブランド連銀総裁 「当局の金融政策目標を達成するためにフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の緩やかな上昇ペースが適切だと引き続き考えている」講演で。 --------
    6/6 菅・官房長官 「投機的な動きが継続することがないように、為替市場の動向を緊張感を持って注視し、必要な時にはしっかりと対応してもらいたい」記者会見で。 ドル円106円80銭近辺から109円19銭まで上昇
    6/6 イエレン・FRB議長 「中長期的な物価安定と最大限の持続可能は雇用を確保するため、フェデラルファンド(FF)金利は時間をかけて緩やかに上昇しなくてはならないだろうと、私は引き続き考えている」講演で。 市場はドル高、株価で反応
    6/15 イエレン・FRB議長 「われわれが議論した不確定要因の一つで、この日の決定において考慮された」「米経済見通しに影響を及ぼす可能性があり、その見通しは政策の適切な進路を判断する一因になるだろう」英国の国民投票に関して、FOMC後の記者会見で。 ドル円105円台後半から105円41銭近辺まで下落
    6/21 ドラギ・ECB総裁 「英国のEU離脱を問う国民投票後のいかなる緊急事態にも備えている」欧州議会で。 ドル高株高に寄与
    6/30 カーニー・BOE総裁 「景気見通しは悪化した。夏の間に何らかの金融緩和が必要になる公算が大きい」講演で。 ポンド急落、FTSEは大幅上昇
    7/13 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「インフレ率が来年中には目標に戻ると確信している」「年内に最大2回の追加利上げが適切になる可能性があり、フェデラルファンド(FF)金利は2018年末までに3.0%に近づくと私は予想する」講演で。 --------
    7/19 IMFチーフ・エコノミスト 「IMFとしては介入は、必要もしくは有効な手段とはみていない」「円相場の状況については無秩序とはみていない」ワシントンでの記者会見で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和