2016年7月28日(木) 「FOMC声明文はニュートラル」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 東京時間の昼に106円55銭近辺まで急騰したドル円は、NYでは105円〜106円でもみ合う。FOMCで金利が据え置かれ、声明文でもニュートラルだったことから上値は限られた。
- ユーロドルは1.09台半ばが抜けずに反発。1.1065までユーロ高が進む。
- 株式市場は方向感がなくもみ合い。ダウは小幅ながら3日続落したが、ナスダックは29ポイント続伸。
- 債券相場は続伸。FOMCで緩やかな利上げが示唆されたことで価格が上昇。長期金利は2週間ぶりに1.5%台を割り込む。
- 金は反発。原油価格は在庫が増えていたことから続落。前日比1ドル下げ、41ドル92セントで取引を終える。
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6月耐久財受注 → −4.0%
6月中古住宅販売成約指数 → +0.2%
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ドル/円 105.15 〜 106.05 ユーロ/ドル 1.0962 〜 1.1065 ユーロ/円 115.99 〜 116.71 NYダウ −1.58 → 18,472.17ドル GOLD +5.90 → 1,326.70ドル WTI −1.00 → 41.92ドル 米10年国債 −0.063 → 1.498% 本日の注目イベント
- 独 独7月雇用統計
- 独 独7月消費者物価指数(速報値)
- 欧 ユーロ圏7月消費者信頼感(確報値)
- 欧 企業決算 → クレディ・スイス、BNPパリバ、VW、ルノー
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 企業決算 → フォード、アルファベット、アマゾン
FOMC定例会合では、予想通り政策金利は据え置き、声明文では「経済見通しへの短期的なリスクは後退した」と指摘されています。また6月の雇用の伸びは「力強かった」とし、「労働力の活用がここ数カ月に一定の増加を見せていることを示している」と記述されています。(ブルームバーグ)9月の利上げについては特に言及はなかったものの、一方で利上げの可能性を排除できるものでもなく、ニュートラルだったと判断できます。
それにしても近頃の東京市場の値動きはNYにも負けてはいません。値幅が予想外に大きくしかも、そのスピードも想定を超えています。昨日も昼時間に、FNNが「経済対策の財政規模は28兆円」と報じたことで、104円台後半から一気に106円55銭近辺までドル高が進み、その後は105円近辺まで落ちるなど乱高下を繰り返しました。昨日もこの欄で述べましたが、トレンド・フォローが加速し、逆のポジションを持っている市場参加者が切らされる展開が続いていると見られます。昨日も相当な量のストップが執行されたものと思われます。
東京外国為替市場委員会が発表した資料によると、今年4月の調査で東京市場のスポット出来高は1日あたり平均で1217億ドルでした。この数字は前回調査(2015年10月)に比べ、4%ほど増えていると報告されています。さらに、主に個人投資家が参加している店頭FXの取引高は1日あたり1810億ドルで、インターバンク市場の取引高を上回っており、東京が世界で最も大きなFX市場になっています。「ミセスワタナベ」と言われる所以(ゆえん)です。
昨日発表された経済対策28兆円は、「真水」の部分が6兆円です。低所得者層に1万5000円の現金給付を行うようですが、それが景気浮揚にどれだけ効果があるかは不明です。雇用保険料を引き下げ、個人消費を喚起するという政策もしかりで、将来の不安がぬぐえなければ「貯蓄」に回ってしまうおそれもあります。昨日の海外市場の動きを見る限りそれ程評価されているとも思えません。消費増税を延期したこともあり、むしろ財政基盤の悪化が懸念されます。
米FOMCも無風に終り、いよいよ明日の日銀金融政策決定会合に焦点が絞られます。今回は追加緩和があると市場は予想していますが、仮にあったとして、ドル円の上値はどこまであるのか今から予想しておくことも悪くはありません。仮に足元の105円台前半で緩和策が発表されたとして、最大3円程度でしょうか。その内容にもよりますが、まず110円台乗せは難しいのではないかとい見ています。
問題は4月の時のように動かなかった場合です。4月には6円程円高に進み、日経平均株価も600円程下落したことを考えると、100円割れも視野に入ってきます。上で述べたように、値幅が大きくそのスピードも、「スピード違反」そのものです。ポジション管理には十分注意が必要です。本日のドル円は104円50銭〜106円程度と見ますが、昨日のような動きがあると全く意味を持ちませんので、あくまでも参考程度に留めておいて頂きたいと思います。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 6/2 ドラギ・ECB総裁 「われわれは正しい道を進んでいるが、予断は許されない」ECB理事会後の記者会見で。 -------- 6/3 メスター・クリーブランド連銀総裁 「当局の金融政策目標を達成するためにフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の緩やかな上昇ペースが適切だと引き続き考えている」講演で。 -------- 6/6 菅・官房長官 「投機的な動きが継続することがないように、為替市場の動向を緊張感を持って注視し、必要な時にはしっかりと対応してもらいたい」記者会見で。 ドル円106円80銭近辺から109円19銭まで上昇 6/6 イエレン・FRB議長 「中長期的な物価安定と最大限の持続可能は雇用を確保するため、フェデラルファンド(FF)金利は時間をかけて緩やかに上昇しなくてはならないだろうと、私は引き続き考えている」講演で。 市場はドル高、株価で反応 6/15 イエレン・FRB議長 「われわれが議論した不確定要因の一つで、この日の決定において考慮された」「米経済見通しに影響を及ぼす可能性があり、その見通しは政策の適切な進路を判断する一因になるだろう」英国の国民投票に関して、FOMC後の記者会見で。 ドル円105円台後半から105円41銭近辺まで下落 6/21 ドラギ・ECB総裁 「英国のEU離脱を問う国民投票後のいかなる緊急事態にも備えている」欧州議会で。 ドル高株高に寄与 6/30 カーニー・BOE総裁 「景気見通しは悪化した。夏の間に何らかの金融緩和が必要になる公算が大きい」講演で。 ポンド急落、FTSEは大幅上昇 7/13 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「インフレ率が来年中には目標に戻ると確信している」「年内に最大2回の追加利上げが適切になる可能性があり、フェデラルファンド(FF)金利は2018年末までに3.0%に近づくと私は予想する」講演で。 -------- 7/19 IMFチーフ・エコノミスト 「IMFとしては介入は、必要もしくは有効な手段とはみていない」「円相場の状況については無秩序とはみていない」ワシントンでの記者会見で。 -------- 7/19 FOMC声明文 「経済見通しへの短期的なリスクは後退した」、「労働力の活用がここ数カ月に一定の増加を見せていることを示している」 --------



