今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年8月1日(月) 「米GDP下振れでドル円101円台に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 日銀の金融政策の変更を受けて乱高下したドル円は、NYでも上値は重く、GDPが予想を下回ったこともあり101円97銭までドルが売られ、102円00−10銭で越週。
  • ユーロドルでもドル安の流れが続き、1.12目前までユーロが買われる。
  • 株式市場はまちまち。ダウは24ドル下落し、5日続落したものの、S&P500は上昇し、月間では5カ月連続の上昇を記録。
  • 債券相場は続伸。GDPの下振れで利上げ観測が後退し、債券が買われた。長期金利は1.45%台まで低下。
  • ドルが売られたことで金は大幅に続伸し、1350ドル台を回復。原油価格も小幅に反発。

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    4−6月GDP(速報値)     → +1.2%
    7月シカゴ購買部協会景気指数    → 55.8
    7月ミシガン大学消費者信頼感指数(確定値)→ 90.0
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    ドル/円 101.97 〜 103.41
    ユーロ/ドル 1.1105 〜 1.1197
    ユーロ/円 113.88 〜 114.94
    NYダウ −24.11 → 18,432.24ドル
    GOLD +16.30 → 1,357.50ドル
    WTI +0.46 → 41.60ドル
    米10年国債 −0.051 → 1.453%

    本日の注目イベント

    • 中  中国 7月製造業PMI(速報値)
    • 中  中国 7月非製造業PMI(速報値)
    • 中  中国 7月サービス製造業PMI(速報値)
    • 欧  ユーロ圏7月製造業PMI(改定値)
    • 米  7月ISM製造業景況指数

    「日銀金融緩和を決定」、先週末の12時40分過ぎには、そんな見出しがブルームバーグの画面に踊り、瞬間ドル円は105円台に急騰しましたが、その直後に103円台まで落とされました。「国債購入は80兆円で据え置き」、「マイナス金利は−0.1%で据え置き」と、そのようなヘッドラインが次々に表れ、ドル円は102円台まで円高が進みました。結局この日の日銀の追加緩和は「ETFを6兆円増額」しただけで、微妙な内容でしたが、市場は「失望」ということでドル売り円買いで反応しました。

    NY市場でも同様な動きから上値は重く、加えて4−6月期のGDP速報値が市場予想を大きく下回る1.2%だったことから、ドル円は102円を割り込み、3週間ぶりに101円台後半まで円高が進んでいます。今回の金融会合では、「追加緩和があってもなくても、結局円高に振れる」といった見方もありましたが、結果的にはそのような状況になりました。

    GDPの発表を受けて、米利上げ観測が遠のき、さらに日銀の金融政策でもドル高円安へのドライバーにはならず、ドルの上値が重い展開になっています。サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は講演で「今後数カ月間に発表される一連のデータの中には2度の利上げを支持する内容のものが確実にある。1度の利上げもしくは、利上げを支持しないとの判断に至る経済データも発表される可能性がある。時間が経てば分かる。」と発言したように、FOMCメンバーの中にも、今後も強弱の指標が出て来ると予想している委員がいます。9月利上げの可能性が徐々に低下しているように見えますが、今週末の雇用統計の結果が待たれます。

    先月8日に発表された雇用統計の結果を受けてドル円は瞬間100円を割り込み、その後107円台半ばまで値を戻しましたが、再び100円割れを試すセンチメントに戻って来ました。日銀がETFの購入を増額したことで、株価の下落に歯止めがかかり、これがドル円をサポートするという見方も一部にはありますが、ドル円を押し上げる力にはならないと見ています。その意味では、ドル円と株価の相関がやや低下する可能性もあります。

    今週は7月の雇用統計の結果次第で、100円割れがあるのか、あるいは105円近辺までドルが反発するのかを見極めることになります。また、既に内容が明らかになってはいますが、2日発表予定の経済対策の中身にも注意したいと思います。週間では100−105円のレンジを予想していますが、どちらかに抜けるとすれば、100円の方の可能性がやや高いと予想しています。今日から8月ですが、今月も相場の振幅は大きいと思われ、「熱い夏」になりそうです。

    チャートでは結局「日足の雲」を抜けずに、再び雲から離れて来ました。MACDもマイナス圏に入る形を示しており、ドルの戻りを売るスタンスは維持されそうです。レンジは101円50銭〜103円程度予想します。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    6/2 ドラギ・ECB総裁 「われわれは正しい道を進んでいるが、予断は許されない」ECB理事会後の記者会見で。 --------
    6/3 メスター・クリーブランド連銀総裁 「当局の金融政策目標を達成するためにフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の緩やかな上昇ペースが適切だと引き続き考えている」講演で。 --------
    6/6 菅・官房長官 「投機的な動きが継続することがないように、為替市場の動向を緊張感を持って注視し、必要な時にはしっかりと対応してもらいたい」記者会見で。 ドル円106円80銭近辺から109円19銭まで上昇
    6/6 イエレン・FRB議長 「中長期的な物価安定と最大限の持続可能は雇用を確保するため、フェデラルファンド(FF)金利は時間をかけて緩やかに上昇しなくてはならないだろうと、私は引き続き考えている」講演で。 市場はドル高、株価で反応
    6/15 イエレン・FRB議長 「われわれが議論した不確定要因の一つで、この日の決定において考慮された」「米経済見通しに影響を及ぼす可能性があり、その見通しは政策の適切な進路を判断する一因になるだろう」英国の国民投票に関して、FOMC後の記者会見で。 ドル円105円台後半から105円41銭近辺まで下落
    6/21 ドラギ・ECB総裁 「英国のEU離脱を問う国民投票後のいかなる緊急事態にも備えている」欧州議会で。 ドル高株高に寄与
    6/30 カーニー・BOE総裁 「景気見通しは悪化した。夏の間に何らかの金融緩和が必要になる公算が大きい」講演で。 ポンド急落、FTSEは大幅上昇
    7/13 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「インフレ率が来年中には目標に戻ると確信している」「年内に最大2回の追加利上げが適切になる可能性があり、フェデラルファンド(FF)金利は2018年末までに3.0%に近づくと私は予想する」講演で。 --------
    7/19 IMFチーフ・エコノミスト 「IMFとしては介入は、必要もしくは有効な手段とはみていない」「円相場の状況については無秩序とはみていない」ワシントンでの記者会見で。 --------
    7/19 FOMC声明文 「経済見通しへの短期的なリスクは後退した」「労働力の活用がここ数カ月に一定の増加を見せていることを示している」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和