今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年8月5日(金) 「BOE政策金利引き下げを決定」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は101円台でもみ合い。失業保険申請件数などの経済指標にも反応せず、101円台前半で小動き。
  • ユーロドルも1.11台前半から半ばで推移。
  • BOEは政策金利を0.25%引き下げ、資産購入枠の拡大を含む包括的な刺激策を発表。ポンド円はこの発表を受け134円台から2円ほど下落。
  • 株式市場はまちまち。ダウは小幅に反落し、ナスダックは続伸。本日の雇用統計を前に積極的な取引は控えられた。
  • 債券相場は続伸。BOEの金融緩和を受け買い物を集める。長期金利は1.50%台まで低下。
  • 金は反発し、原油価格は続伸。42ドル手前まで買われる。

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     新規失業保険申請件数 → 26.9万件
     6月耐久財受注  → −3.9%
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    ドル/円 101.00 〜 101.28
    ユーロ/ドル 1.1122 〜 1.1149
    ユーロ/円 112.51 〜 112.86
    NYダウ −2.95 → 18,352.05ドル
    GOLD +2.70 → 1,367.40ドル
    WTI +1.10 → 41.93ドル
    米10年国債 −0.041 → 1.501%

    本日の注目イベント

    • 豪  RBA四半期金融政策報告
    • 米  7月雇用統計
    • 米  6月貿易収支
    • 米  6月消費者信用残高
    • 加  カナダ6月貿易収支
    • 加  カナダ7月失業率

    今夜発表される7月の雇用統計を前に、さすがに動きの大きいドル円も静かです。昨日のNY市場でも1日の値幅がわずか28銭と、極端に狭くなっています。これを「嵐の前の静けさ」と呼ぶのか、あるいは「夏枯の始まり」と見るのか、判断に迷うところです。

    昨日の市場の主役はポンドでした。イングランド銀行は金融政策委員会で政策金利を0.25%引き下げ、0.25%にすることを決め、さらに国債を600億ポンド購入し、量的緩和の資金枠を現行の3750億ポンドから4350億ポンドに拡大することを決めました。EUからの離脱を決め、景気が大きく後退することを未然に防ぐ措置と見られます。政策決定後カーニー・BOE総裁は「早期に行動し、経済の不確実性を減らす」と、記者会見で述べています。

    今週に入り、予想されていたとはいえ、オーストラリア中銀も政策金利の引き下げを決めています。世界経済の先行きが不透明なことに加え、テロなど外部リスクも多く、多くの先進国では景気の鈍化を防ぐ「守り」に入っています。昨年12月に利上げに踏み切った米国でさえも、今年に入ってまだ1度も利上げができない状態が続いています。この状態でもし米国が再利上げを実施すれば、金利差からドルに資金が集まり、ドル高が加速すると見られますが、その米国でも9月のFOMCでは利上げは難しい状況になっています。

    翻って日本でも、先週の金融会合では小粒の追加緩和が決定されましたが、その時の声明文で次回9月会合で「総括的な検証」を行うという文言の解釈を巡って、債券市場が大きく揺れ動いています。「量的緩和」を終了するのではないかとの観測から債券が売り込まれ、一時マイナス0.3%近くまで低下した10年債利回りは、今週ゼロ近辺まで金利が急騰しました。

    岩田日銀副総裁は昨日講演で、総括的検証については「できるだけ早期に2%の物価上昇を達成するために何が必要か、逆に何が阻害したのかを検証することが目的だ」」と述べ、金融緩和の程度を緩めることはあり得ないことを強調しました。(ブルームバーグ)この講演の影響もあり、債券相場はやや落ち着きを取り戻し、金利も低下しています。

    ECBも今後さらなる追加緩和に動くと見られ、世界的に低金利が定着化し、市場に大量の資金が供給されている状況です。これらの大量の資金が、常により有利な運用先を求めて瞬時に移動することが、金融市場のボラティリティーを高めている背景です。まさにホットマネーと言えます。

    本日は雇用統計です。先月は予想を大きく上回り、その前の月は予想を大幅に下回っています。今回の予想は18万人ですが、仮にこの数字に近いとすれば3カ月平均で16万人程度になり、まずまずの内容と言えます。ただ、2カ月連続で予想から大きくブレていることから、今回もサプライズになることは十分ありえます。速報値の宿命とも言えるのでしょう。そのため、本日の予想レレンジも100−102円程度とワイドに見ますが、それでもこのレンジをはみ出すことがあるかもしれません。


    ついこの間、雇用統計の発表があったばかりと思っていたら、もう今日は7月分の発表日です。ひと月に1回ですが、この雇用統計を中心に1年を考えると、何と1年のスピードの速いこと。FXをやっている人の多くが同じような感覚を持っているのではないでしょうか。今年も、もうあと4回です。良い週末を・・・・・。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    7/13 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「インフレ率が来年中には目標に戻ると確信している」「年内に最大2回の追加利上げが適切になる可能性があり、フェデラルファンド(FF)金利は2018年末までに3.0%に近づくと私は予想する」講演で。 --------
    7/19 IMFチーフ・エコノミスト 「IMFとしては介入は、必要もしくは有効な手段とはみていない」「円相場の状況については無秩序とはみていない」ワシントンでの記者会見で。 --------
    7/19 FOMC声明文 「経済見通しへの短期的なリスクは後退した」「労働力の活用がここ数カ月に一定の増加を見せていることを示している」 --------
    8/1 ダドリー・NY連銀総裁 「年内の追加金融引き締めの可能性を排除するには時期尚早だ」講演で。 --------
    8/3 エバンス・シカゴ連銀総裁 「年内に1回の利上げが恐らく適切になる可能性があるのではないだろうか」記者会見で。 --------
    8/4 カーニー・BOE総裁 「早期に行動し、経済の不確実性を減らす」量的緩和決定後の記者会見で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和