今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年8月10日(水) 「ポンドドル1.30を割り込む」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は小幅に反落。102円台が徐々に重くなり、長期金利が低下したこともドル売りにつながり、101円79銭までドル安が進む。
  • ユーロドルは1.11台に上昇したものの、勢いもなく1.11を挟んだもみ合いに。
  • 株式市場は小幅ながら揃って続伸。ダウは大幅に上昇する場面もあったが、上げ幅を縮小し3ドル高で取引を終える。
  • 債券相場は小幅に反発。3年債入札が好調だったことで長期債も買われた。長期金利は1.54%台に低下。
  • 金は3日ぶりに反発。原油は小幅に反落。
    ドル/円 101.79 〜 102.27
    ユーロ/ドル 1.1075 〜 1.1123
    ユーロ/円 113.03 〜 113.35
    NYダウ +3.76 → 18,535.05ドル
    GOLD +5.40 → 1,346.70ドル
    WTI −0.25 → 42.77ドル
    米10年国債 −0.045 → 1.547%

    本日の注目イベント

    • 米  7月財政収支

    昨日の東京時間も株価が堅調に推移していたことからドル円は底堅い動きを見せ、102円台半ばを何度か試しましたが上値は限られていました。日経平均株価は日銀のETF購入に伴う動きかと思われますが、100円超える上昇を見せ、1万6700円台を回復しています。NY市場では102円台を維持できず、101円79銭までドルが売られていますが、日米ともに「夏休み相場」の様相が強まった雰囲気はあります。

    足元の動きは、100−105円のレンジが定着しそうですが、その中でもまだ上値の重さの方が優っている状況かと思われます。101円台後半まで下げてきたドル円ですが、目先は101円80銭前後にある「雲の下限」(1時間足)で下げ止まっています。本日はドル売りが進んだ場合に、この雲をしっかりと下抜けし、101円台半ばを下回るかどうかに注目していますが、それでも大きな値動きには至らないと予想しています。

    ポンドドルが約1カ月ぶりに1.30を割り込んできました。金融政策委員会(MPC)のマカファティー委員が英タイムズ紙への寄稿で、一段の利下げと量的緩和が必要となる可能性があるとの考えを示したことがきっかけでした。(ブルームバーグ)イングランド銀行は4日に政策金利を0.25%引き下げ、過去最低の0.25%にしました。ここからさらに引き下げると、ゼロ金利ということになり、ギルト債(10年債)の利回りも昨日は0.58%と、この動きを織り込む形で低下しています。ポンド円も売られ、約1カ月ぶりに132円台前半まで下落する場面がありました。

    オーストラリアに続きイギリスも利下げに踏み切り、今後ECBもさらなる追加緩和の可能性を残している中で、日銀が9月の金融会合で「総括的検証」を行い、どのような対策に出るのかが市場の大きな関心事になっています。岩田副総裁は「緩和策の変更はない」と述べていますが、債券市場は疑心暗鬼で、この発表以来債券が売られ長期金利が急上昇しています。昨日はやや落ち着きを取り戻し金利上昇も一服でしたが、一時マイナス0.3%まで低下した金利はゼロ近辺まで上昇するなど、「総括的検証」に振り回されている状況です。大方の市場の見方は、9月にはさらに緩和策を拡大するとの予想が増えています。

    本日も特段ニュースがない限り静かな展開が予想されます。レンジは101円30銭〜102円30銭程度を見ています。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    7/13 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「インフレ率が来年中には目標に戻ると確信している」「年内に最大2回の追加利上げが適切になる可能性があり、フェデラルファンド(FF)金利は2018年末までに3.0%に近づくと私は予想する」講演で。 --------
    7/19 IMFチーフ・エコノミスト 「IMFとしては介入は、必要もしくは有効な手段とはみていない」「円相場の状況については無秩序とはみていない」ワシントンでの記者会見で。 --------
    7/19 FOMC声明文 「経済見通しへの短期的なリスクは後退した」「労働力の活用がここ数カ月に一定の増加を見せていることを示している」 --------
    8/1 ダドリー・NY連銀総裁 「年内の追加金融引き締めの可能性を排除するには時期尚早だ」講演で。 --------
    8/3 エバンス・シカゴ連銀総裁 「年内に1回の利上げが恐らく適切になる可能性があるのではないだろうか」記者会見で。 --------
    8/4 カーニー・BOE総裁 「早期に行動し、経済の不確実性を減らす」量的緩和決定後の記者会見で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和